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17歳の高校生が弟の赤毛の要因を解明すべくビデオデッキを活用して“DNA増幅装置”を自作

Ross Parry Agency/Mail Online

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英国ウェストヨークシャー州の高校生Fred Turnerくん(17)は髪が茶色でクセもそれほど強いわけではない。しかし弟のGusくん(14)は赤毛。しかもクリクリのボンバーヘアだ。Turner兄弟は友達から「お父さんが違うんじゃないの?」と長年からかわれ続けてきた。

赤毛は、肌や髪の色を決めるメラニン色素の生産に関わる「MC1R遺伝子」の突然変異によって引き起こされる劣性遺伝と考えられている。元々理数系科目が得意だったFredくんは、弟の赤毛がこの遺伝子変異によるものであることを証明してやろうと決心した。

そのためには、細胞(たとえば頬の内側を綿棒でこすって採取したもの)を95度程度高温で熱してDNA鎖を分離し、その断片をDNAポリメラーゼという合成酵素を用いて増幅しなければならない。これは「ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法」と呼ばれるポピュラーな検査方法だが、PCR装置を普通に買えば3000ポンド(約45万円)はかかってしまう。Fredくんは、アメリカのある男性が用いたアイディアを参考に、古いビデオデッキを活用してこの増幅装置を自分で作ってしまった。かかった費用は日本円で4万円程度。最終的な標本分析までは自宅でできず、ラボに依頼することになったが、その結果、弟には確かに赤毛の要因となる突然変異遺伝子が存在することが分かった。

Ross Parry Agency/Mail Online

Fredくんはこの“自作PCR装置”の制作過程と実験過程をまとめて、イギリスの科学者やエンジニアの卵たちを対象としたコンテストに応募し、見事「Young Engineer of the Year(年間最優秀ヤングエンジニア賞)」を獲得した。将来的には、この装置にさらに磨きを掛け、自宅で手軽に遺伝子検査ができる「キット」にできればと考えている。高校卒業後はオックスフォード大学への進学が決まっており、大学では生化学を勉強するそうだ。弟のGusくんも自分の赤毛がお兄ちゃんの飛躍に役立ち、さぞかし誇らしい気分だろう。

flickr_bisgovuk

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Text by 近藤辰也

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