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編み物や手芸は鬱やPTSDの克服にも役立つらしい

flickr_starshaped

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「編み物や手芸はストレス解消にもってこい」と実感している人も多いかと思う。だが、手を止めずにもくもくと同じ動きを繰り返す行為は、ストレス解消以上に、鬱や不安、PTSD(心的外傷後ストレス障害)をも軽減する効果があるのだとか。

肉親を突然失った女性の場合

10年ほど前、弟が車で外出して突然死するという悲劇的体験をした女性は、以来、それがトラウマとなり、外に出ると何か災難に見舞われるのではないかと極度の不安に陥り、パニック発作を起こすようになった。

PTSDと診断された女性に夫が勧めたのは編み物。半信半疑で始めたところ、編み物をしている間はそれだけに集中し、先のことを心配して不安に陥る状態が徐々に改善されていったという。

不安や心配を抱えている自分を“一時停止”できる

神経心理学者によると、人間の脳は1度に一定量の情報しか処理できず、編み物など、1つの動きに従事していると、ほかのことを感じるだけの注意力が残っていないため、その活動以外のところにいた自分が“一時停止”状態になるのだとか。

ピリピリした警戒態勢を解除できる

PTSDといった極端な例でなくとも、私たちは日常的にさまざま情報をストレスとして察知し、「何か起きたら戦うか逃げるかしよう」と神経を張り詰めているが、編み物のような作業に従事すると、副交感神経が活性化され、心理学で言うところの「闘争・逃走反応」がやむことがわかっている。

薬に頼らなくてもすむかも

また、こうした作業に従事すると、天然の抗鬱薬とも言われ、脳の報酬系に作用するドーパミンが放出されることもわかっている。

鬱症状のある被験者3500人に編み物をしてもらったところ、実に81%の人が「楽しい気持ちになった」と回答したそうだ。

自分に期待できるようになる

また、物を作り、それを人にほめてもらうことで「自己効力感」(「こういうことであれば、自分はここまでできるのではないか」という期待感や自信)が改善され、失望状態にあった人がそれを乗り越え、新しいことに挑戦するきっかけができるのだとか。

編み物のほかにも、キルト作り等の縫い物全般、スケッチ、ケーキのデコレーションといった作業も同様の効果が期待できるらしい。

年度末から新年度へと移るこの時期、何かと慌ただしく、神経をすり減らすことも多いだろう。隙間の時間を見つけて、自分の好きな「もくもく作業」をしてみてはどうだろう?

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Text by 近藤辰也

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