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マレーシアへの親子留学に注目が集まっている理由

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移住したい国ナンバーワン(財団法人ロングステイ財団の調査による)に13年連続(2006-2018年)選ばれている、マレーシア。

近年、リタイア層だけでなく、自営業や東南アジアへビジネス展開を図る起業家が拠点のひとつとして、さらに子育て世代の移住も増え、特に注目度が高くなっている。

親日国家で、年中気候もよく過ごしやすいというのも人気の秘訣だろう。しかし、近年マレーシアの教育にも注目が集まっていることは間違いない。

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多民族国家マレーシアのマルチカルチャー

さて、筆者は約2年半前にマレーシアのクアラルンプールへ仕事の関係で移住したが、もうひとつの目的として「子供の教育」があった。特に語学習得だ。

マレーシアは他民族国家であり、マレー系、チャイニーズ系、インド系、その他、フィリピン、ネパール、中東系などが混在し、マルチカルチャーを体感することができる。もちろん、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリア、日本、韓国からの企業の駐在員も多く、世界中の人々が面白いバランスで暮らしている。

これだけの他民族国家であるが、実は公用語は英語なのだ。

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マレーシア人はトリリンガルが当たり前

マレー語、マンダリン、広東語、ヒンディー語、アラビア語、韓国語といろんな言語が飛び交うが、他民族同士でコミュニケーションを取るときは英語を使う。

仕事でチャイニーズマレーシアン数人と話していると、英語だった会話に途中でマンダリンが混ざり、さらに日本語も少し出てくるが、最終的にマンダリンと英語が混ざったものに着地する場合も多々ある。マレーシア人は、このようなお国柄、語学習得が非常に早く、得意なのだ。

語学学校も多く、授業料は日本に比べてかなりリーズナブルだ。この国では、語学習得の壁がとても低いと感じる。英語はもちろん、第2外国語としてマンダリンも習得できればと考える親子さんには、非常に良い環境と言えよう。

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現地インター校が人気な理由

マレーシア・クアラルンプールには、たくさんのインターナショナルスクールが存在し、近年さらに増加傾向だ。さらに多くのインター校は、プリスクールも併設し未就学児の年齢(3歳〜)から入学ができる。規模は様々だが、近年は英国や米国の私立学校が、アジア圏や中東に姉妹校という形で開校する動きが顕著である。

インター校は大きく分けるとブリティッシュ系、アメリカ系、オーストラリア系などがあり(最近ではインド系なども人気)、それぞれカリキュラムが異なる。カリキュラム、ロケーション、校風、施設の充実度、学費など、選ぶポイントは様々だが、やはり何系英語をベースに習得したいかも大きな判断基準のひとつだろう。

最近では、韓国人や日本人が英語力の強化を目的として入学するパターンが増えている。特に、韓国からの母子留学が目立って多く、語学習得への熱意を強く感じる。

ブリティッシュ系の伝統を重んじるカルチャーやブリティッシュ英語をベースに習得を目指す場合、さらに、アメリカンスクールの自由な校風やスピード感のあるアメリカ英語を身につけさせたい!と思う場合、など英語のスタイルにも強いこだわりが見られる。

遠方の欧米へわざわざ行かなくても、とても多くの選択肢がある点もマレーシアのインター校が好まれる理由のひとつだ。

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デジタル化が進む授業

多民族国家であるがゆえ、特に語学教育に関しては熱心で、語学力が不十分な(母国語が英語ではない)生徒には通常授業に加えて、EAL(English as an additional Language)という補講カリキュラムがあり、個別指導の補足授業も用意されている。

各生徒にはiPadが支給され、授業用のテキストや問題集、宿題、親への連絡事項などはすべて、このタブレットひとつで参照できるという形を取っている学校が増えている。重いテキストを持ち運ぶ必要がないし、忘れ物も減るだろう。

例えば、あるインター校では、Year4(日本の小学校4の場合)の英語の授業で、e-bookというアニメーションを使ったデジタルテキストが使われる。母国語が英語でない生徒の場合、これを自宅でも積極的に使うように指導される。音やアニメーションの動きにより、英文の内容を把握しやすく、ネイティブの発音を何度も聞いてヒアリングやスピーキングの練習に役立てる。

さらに読み終えた後にいくつかの設問が用意されており、それに間違えることなく答えると自分が作ったキャラクターの新アイテムがプレゼントされるなど、ゲーム要素もプラスされている。

本を進めるごとにポイント化されるので、子供同士の競争心もくすぐる。語学学習だけでなく、理科や算数など他教科にも用いられる場合も多い。

▼ロボティクスの授業風景

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例として、我が子の場合、小学2年生、英語力ゼロベースでマレーシアへやってきたが、2年ほど経った今、授業や友達、先生との会話はもちろん、長い英文のテキストも一度のリーディングで大枠の意味が理解できるところまで語学力は伸びた。

今も授業中や宿題で出されるe-bookの課題は自主的に取り組んでいるように思う。学校により教材は異なるが、語学習得にこのe-bookが有効であることは間違いないだろう。

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好きなものを探して突き詰める教育

某有名インター校に小6と中3のお子さんを通わせる女性に話を聞いてみた。

小6の娘の学校用iPadを見ていると、面白いの!

英文の中に理科、歴史、地理、算数など色んな科目の要素がストーリーの中に出てきて、読み進めながら色んな科目の理論や概念に触れられる。読み終えれば、キャラクターが次の島へ移動できる、みたいなゲームだから、勉強やらなきゃ、という感覚ではないみたい。

中学生からは1週間のスケジュールを自分で組み立てられるそうだ。必須科目はあるが、理科や数学が好きな生徒は理系を中心に、文系科目とのバランスを考慮しながら、自分で組み立てることができる。そして、何故そのような時間割にしたのか、その理由を先生にプレゼンテーションするらしい。

すべての生徒が皆同じ時間割で、同じ教科を学ぶ必要はなく、各生徒に応じて好きなものや興味のある分野を伸ばしていこうとする、学校の姿勢が見られる。

大学のようだが、もっと先の未来を見据え、自分の好きなものへのアンテナをできるだけ若いうちから張り巡らしておくことの重要性を感じさせる。もはや、子供はマルチプレーヤーである必要はないのだ。

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シンガポールは102校のプリスクールで採用

THE STRAITS TIMESによると、シンガポールのインター校でもe-bookによる学習が標準化しつつある。子供の語学力がすでに充分な場合は通常の本でも問題ないが、そうでない場合、デジタルならではの動きや音が子供にもたらす刺激や、「もっとやってみよう、楽しい!」と思う気持ちが、勉強には効果的であるようだ。

iPadなどのタブレットに長時間触れさせることに、抵抗のある親は多いだろう。しかし、あくまでも良質のコンテンツを親のフォローの下で使う場合は、むしろその効果は大きい。

世の中の、そして日常生活、学校生活におけるデジタル化はすごい勢いで進んでいる中で「子供にはアナログがいい、安心だから」というのには少し違和感を覚える。

時代は変わり筆者が子供の時とは異なる。デジタルと上手く共存していく。長年、試行錯誤を繰り返し、散々失敗しながら、最近やっと見つけた答えだ。

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Text by michikotsutsumi

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