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300年以上続く三重の老舗和菓子店16代目が挑む「伝統にとらわれない和菓子作り」とは

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2018年12月7日に東京・自由が丘にオープンし、さっそく売り切れが続出するほど人気を集めている和菓子店「It Wokashi(いとをかし) 」。

300年以上続く三重県鈴鹿市の老舗和菓子店「大徳屋 長久」の16代目である竹口久嗣(ひさつぐ)さん(39歳)が「伝統にとらわれない新しい和菓子を作りたい」という想いで立ち上げたお店です。

そんな「It Wokashi」の誕生ストーリーを、店主の竹口さんをはじめ、同ブランドのプロデューサーを務めるTETOTETO Inc.の井上豪希さんに聞いてきました。

16代目・竹口さんの挑戦

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――「伝統を守る和菓子づくり」から「伝統にとらわれない和菓子づくり」へと挑戦を選んだ理由を教えてください。

竹口さん:自分自身が製菓専門学校の教師をしているんですが、その中で和菓子職人になりたい生徒がほとんどいないんです。

和菓子の世界は年功序列の世界なので、様々な勉強会に行っても60〜70代の方に習うことが多いのですが、お客さんのニーズに合っていないという問題に気がつきました。

そんな時代を自分が率先して変えたいと思ったのが挑戦の理由です。

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井上さん:洋菓子はやっぱりキラキラしていてお気に入りのパティスリーがあったりするけど、和菓子屋さんってそういうのがない気がするんですよね。

海外に目を向けると和菓子もどきのお菓子が流行っていますが、日本の伝統文化であり歴史ある和菓子を世界に向けて伝えていくようなブランドは少ないですよね。

そんな中で、和菓子に馴染みのない若い人や世界中の人に食べてもらえるようなブランドのあり方を考えたいと思ってます。

――そんな想いが込められたブランド「It Wokashi」の誕生のきっかけを教えてください。

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竹口さん:何か新しいことをやりたいと思っていても、似たり寄ったりのことしか思いつかず悩んでいた時に井上さんに出会ったのがきっかけです。

この人だったら自分の思っていることを形にしてくれるんじゃないかなと思ったんです。率直に、自分にないものを持っていて惹かれました。

井上さん:「300年以上続いている歴史ある和菓子屋さんだから伝統を守るべきという意見もあって、新しいことへの挑戦がなかなかできない…」という話を竹口さんから聞いていました。

その解決方法を考えていたところ、新しいブランドを立ち上げちゃえばいいのに!という発想が浮かんだのがきっかけです。

――「It Wokashi」のネーミングには何か意味があるんですか?

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井上さん:古語の「とても趣深い」を現代語訳すると「まじやばい」とか「超すごい」という意味合いがあるんですけど、それを「 It girl(=今風のかっこいい女性)」をかけ合わせて、「まじやばい和菓子を今風にチューニングする和菓子ブランド」という意味合いを込めています。

300年という歴史のあるブランドだから古語との相性もいいのではないかと思いました。

竹口さん:ネーミングを初めて提案してもらった時に、この意味に納得して即決しました!

今までにない新しい和菓子づくり

――「It Wokashi」の特徴やこだわりを教えてください。

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竹口さん:商品のこだわりは、技術はもちろんですが、普通の和菓子職人じゃ思いつかないものを取り入れたことです。

今回の商品で言うと、手で持つと指からこぼれ落ちそうなほど究極なふわふわ感にこだわりました。

手で持てないとクレームが来るほどの柔らかさでしたが、今ではそれが売りになっています。

井上さん:「It Wokashi」全体のこだわりは、歴史あるものと新しい人たちの違う視点を合わせた挑戦的なお菓子を作っているところです。

「ごま&マンゴー」や「苺&ピンクペッパー」「抹茶&レモン」など、今までにはない組み合わせの大福ですが、どれも技術がないと作れないものです。

現代ならではの新しい発想と伝統の技術で和菓子をチューニングして「これからの和菓子」の姿を作っていく、そして発信してくことを目指していきたいですね。

――「It Wokashi」の製作中大変だったことはありましたか?

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竹口さん:ずっと苦労していましたね(笑)

鈴鹿市という田舎で商売していたので、井上さんからすれば普通のことでも、自分たちからしたら「まじで?」ということばかりだったので、その感覚についていくのが大変でした。もちろん味を作るのもそうだし、ピンクペッパーを和菓子に使う人なんて滅多にいないです!(笑)

井上さん:商品開発はもちろんですが、東京と三重という物理的距離を埋めるためにITを使いたいけどITに疎い…みたいな問題もありました…。

――今後はどのような和菓子作りに挑戦したいですか?

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竹口さん:今後やってみたいのは、低糖質のものやプロテインを使用した健康志向の和菓子や、ホエーというチーズを作る上で今まで捨てていた栄養価の高い部分を使って新しい和菓子を作ってみたいです。

井上さん:チューニングするというのがキーワードなので、何か今までの伝統的なものと現代のトレンドを掛け合わせた次世代のお菓子を提案していきたいです。

最初は大福でしたが、いろんな和菓子をアップデートできればいいなと思います。

東京に実店舗がオープン

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2018年12月7日には「It Wokashi 東京店」がオープンし、すでに売り切れが出るほど活況を呈している。

――今後「It Wokashi」をどのようなお店にしたいですか?

竹口さんこれから和菓子職人になりたい人たちに影響を与えるお店になりたいです。

地元の人々や、和菓子を食べたことのないような若い子はもちろん、今まで様々な和菓子を食べてきた方にも、ぜひ食べて頂きびっくりしてもらいたいです。

「It Wokashi 」をきっかけに、和菓子に関心がなかった人に興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

井上さん:関わり合いという意味で、地元の人たちに愛される和菓子屋さんにしていきたいという思いがあります。

「お祭りをやるんだけど手伝ってくれない?」とかそういうご依頼がくるような、コミュニティーのあるお店になればいいなと思います。

今までにない自由な和菓子を

今までにない新しい和菓子づくりへの挑戦は、和菓子と共に生き、和菓子づくりが大好きな16代目竹口さんだからこそできることですよね。

和菓子好きの方にはもちろん、和菓子に馴染みのない方々にも愛される唯一無二のお菓子を今後も作り続けて欲しいですね。

【It Wokashi 東京店】
住所:東京都世田谷区奥沢7ー19ー17
営業時間:10:00~17:00 / 不定休
TEL:03-6882-0005
公式HP:https://www.tsukurou.co/blank
公式Instargam:https://www.instagram.com/it_wokashi/
ECサイト:https://itwokashi.official.ec/

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Text by misaki

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