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銭湯のお風呂で授業する「はだかの学校」が開校!詳しい話を聞いてみた

「日の出湯」Press release

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銭湯で入浴しながら授業を行う「はだかの学校」について、詳しく話を聞いてみた。

第1回「はだかの学校」が開催

東京都台東区元浅草の銭湯「日の出湯」で3月27日、「はだかの学校」の開校式と第1回目の授業が開催された。

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「日の出湯」プレスリリース

合羽(かっぱ)橋の老舗調理器具店「飯田屋」6代目を講師に招き、合羽橋の歴史や地域とのつながりをテーマに対談形式の授業を実施。

「日の出湯」Press release

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参加者(生徒)は入浴しながら授業に聞き入った。

「銭湯」を学びの場に

はだかの学校は、銭湯を学びの場にするという新しい取り組み。

「誰でも先生、誰でも生徒」を合言葉に地域の人を中心に先生を招き、生徒は入浴しながら授業を受ける。

授業の長さは15分程度。

4月以降も月1回の開催を予定しており、2回目は4月22日(土)に、落語家の立川かしめさんを講師に招く。

ネット上で「入学したい!」と話題に

この斬新な企画は注目を集めており、ネット上には反響が続々。

「めっちゃ興味ある」「おもしろそう」「見ているだけでも、ほっこり癒されます」「パンチ強い」「銭湯の新しい活用」「入学(入湯)したい!」などさまざまな反響が寄せられている。

「地域の話が聞けて、コミュニティが生まれる場に」

はだかの学校のアイデアは、どこから生まれたのか。

同プロジェクト参画メンバー「アサツー ディ・ケイ(ADK)」の担当者が取答えてくれた。

—–どのように発案されたのか?

ADKのプロジェクトメンバー全員ではじめて日の出湯に視察に行った後、社内ディスカッションの中でこのアイデアが出てきました。

他のアイデアとともに日の出湯さんやリバースプロジェクトさんに提案したところ、ちょうど日の出湯の田村さんも以前、常連のおばあさんの戦争体験談を若い人たちに聞いてもらう会を開いたことがあり、企画内容に共感していただき開校に至りました。

オーナーの田村祐一さん/「日の出湯」プレスリリース

写真は校長役で日の出湯オーナーの田村祐一さん。

田村さんは数年前に94歳の常連のお客さんから今ではなかなか聞けないような戦時中や当時の話を聞き、「そういった地域ならではの話が聞けてコミュニティが生まれる、そんな場になればいい」と思っているという。

—–開校にあたってのこだわりや苦労は?

あくまで地域密着の銭湯なので、常連さんや地元の方などのお客さんをいちばん大事にしなくてはならないという点はこだわりました。

地元の方々が参加したいと思ってもらえるような、楽しみながら学べるような先生や授業は何だろうか。

普通に銭湯に来たお客さんの邪魔にならないようにするにはどうしたらいいかなどです。この学校を長く続けていくにはどういう運営方法がふさわしいのかも、検討を重ねました。

「日の出湯」Press release

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初回では「りんご皮むき器」などお勧め道具の実演も。華麗な技に会場から歓声が上がったという。

お風呂の中での授業にこだわった理由は

銭湯には湯船だけでなく「ロビー」や「更衣室」もある。なぜ風呂につかって授業するのか。

—–狙いは?のぼせませんか?

我々も当初から「のぼせてしまうのでは?」という懸念があり、ロビーで授業をする案や足湯での授業も検討しました。

湯船の理由は、「はだかになること」で日常の肩書きや立場などにとらわれず、誰もが平等に生徒であり先生である、という銭湯ならではの良さを生かしたかったからです。

議論を重ねたが「はだかになる」ことを大事にしたい、という強い思いから、お風呂につかりながら学ぶ授業をメインにすることに決めたという。

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「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言った福沢諭吉も銭湯を経営し、著書の中に次のような一説を残しているそう。

銭湯に入る者は、士族であろうが、平民であろうが、みんな等しく湯銭を払い、身辺に一物なく丸裸である。また同じ湯槽に入っているではないか。

それなのに、どうしてか、平民は士族の人に旦那、旦那と尊敬してよび、士族は平民の人たちを貴様、貴様と軽蔑しても、平民はただただ恐縮しているのはなぜか。

銭湯の入浴には、なんら上下の区別鳴く平等であり、かってにはいっても、出ても自由である。

「はだかの学校」もそういう学校にしたいと願っていることや、「入浴はリラックス効果もあるので学んだことを吸収しやすいのでは」というアイデア、「お風呂の中でコミュニケーションのきっかけを生み出したい」という思いから、入浴しながらの授業が誕生した。

ただし、のぼせないような対策として、授業時間や湯温を考慮しながら、授業前には必ず、気分が悪くなる前にお湯から出てもらうことなど注意呼びかけを徹底したいと思っています。

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童心に返って、楽しく学べたと好評

1回目には、日の出湯のお客さんをはじめ、関係者の知り合いの銭湯好きの人や2回目の先生である落語家の立川かしめさん、メディアなど幅広い人々が参加したという。

—–生徒の様子や反響は?

とても楽しそうにしていらっしゃいました。また、はだかで授業をしたことで教師と生徒の隔たりが小さくなり、気軽に質問が飛び、談笑しながら、授業が進んでいきました。

生徒の一人が「童心に返った気持ちで楽しく学ぶことができた!」と、目をキラキラさせて語っていたことがとても印象的でした。

日の出湯のお客さんもネットでのニュースをみて、ぜひ参加したい、講師としても出てみたいという方も現れ、とてもこの先の授業が楽しみです。

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「銭湯が地域を元気にする場にしたい」

最後に、プロジェクトに込める思いをこう話した。

プロジェクトの一番の目的は「地域を活性化して地域を元気にすること」というところにあります。日の出湯のお客さんを中心に、参加して楽しんでもらいたいという思いがあります。

もうひとつの目的として「減少の一途を辿る銭湯をどうにかしたい」という思いもあり、このプロジェクトで銭湯に新しい価値が生まれ、お客さんが再び集まる所にしたいと思っています。

この取り組みが日の出湯で成功した場合は、希望する他の銭湯でも開催できるようにノウハウや名前などを提供していけたらいいなと思っております。

今回は日の出湯からスタートした「はだかの学校」ですが、本来、どこの地域の銭湯でも授業が行えるものと思っています。

全国で銭湯が地域を元気にする場として活躍することを夢見ています。

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Text by 長澤まき

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