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【取材】東京メトロ「LINEで妊婦に座席を譲る」実証実験!やさしい社会へ

出典:「東京メトロ」ニュースリリース

出典:「東京メトロ」ニュースリリース

席に「座りたい人」と「譲りたい人」をつなぐ実証実験について、東京メトロの広報部に取材した。

東京メトロが「LINEで席を譲る」実証実験

東京メトロは12月11~15日の5日間、銀座線の最後尾車両内で「席に座りたい妊婦」と「席を譲りたい周囲の乗客」をつなぐ実証実験を行う。

車内で立っているのが辛い妊婦が「座りたい」というメッセージを「&HAND」のLINEアカウント宛てに送信すると、周囲にいるサポーターにメッセージが届く仕組み。座席を譲りたいサポーターは、同アカウントに返信することで座席位置などを伝え、座席を譲ることができる。

「やさしさからやさしさが生まれる社会」を目指す

同実験は、「やさしさから やさしさが生まれる社会」の実現を目指す「&HAND」構想の実現に向けた取りくみの1つ。身体・精神的な不安や困難を抱えた人と手助けしたい人をマッチングして具体的な行動を後押しする。

今回の実証実験で乗客の行動の変化や課題などを調査・検証し、実用化に向けて改良を進めていく。また、駅構内外で別の「困ったこと」への課題解決に向けても、「&HAND」の活動を展開していくという。

ネット上で「素晴らしい」と話題に

同取り組みはネット上で、「これは良い取り組み」「面白い」「素晴らしい実験」「すごく良いシステム」「こういうIOTの事例は好き」「こういうIT活用はどんどんしてほしい」「マークが見えない時も多いので、譲りやすくなる」などと話題に。

中には、「困っている人に席を譲るのは、当たり前」「普通に声をかければ済む話」といった意見もあるが、一見妊娠が分かりづらい妊娠初期だったり、体調が悪くて座りたいけど声に出しづらい場合などに、気軽なヘルプが可能に。また、譲る方も席を必要としている人の存在に気づくことができるので、席を譲るハードルも低くなりそうだ。

&HAND/アンドハンドConcept Movie/Youtube

&HAND/アンドハンドConcept Movie/Youtube

「交通弱者への席の譲り合い」支援へ

東京メトロの広報部によると、同社では社内提案制度で「交通弱者を対象とした席のゆずり合い支援企画」が提案され、実現について検討していたという。

時期を同じくして、アンドハンドプロジェクトチームが考案した目や耳の不自由な人などをLINEなどを活用してサポートする「&HAND(アンドハンド)」が、LINE社主催の「LINE BOT AWARDS」グランプリを受賞。同プロジェクトチームが、&HAND構想の事業化推進・システム構築を大日本印刷株式会社(DNP社)に依頼し、実証実験のフィールド提供に関して東京メトロに打診があったという。

東京メトロとして検討していた企画と方向性が合致したため、この度「アンドハンド」プロジェクトチーム及びDNP、東京メトロ、LINEで共同実証実験を行うことになりました。

今回、「妊婦」を対象としたのには、次のような理由があるという。

「アンドハンド」プロジェクトチームの前身のTEAMminedがGoogle社主催の「Android Experiments OBJECT」で「Smart Maternity Mark(スマート・マタニティマーク)」という妊婦向けアイデアでグランプリを取り、プロトタイプを制作していました。

また、東京メトロにおいて交通弱者の中でも、まず妊婦向けの施策について事例調査をしていたこと、さらにDNP担当者の家族が最近妊婦を経験して同じような問題意識があったことなどから、今回の実証実験において「妊婦」を対象としました。

サポーターとして、誰でも実験に参加可能

実証実験には、サポーターとしてであれば誰でも参加が可能。あらかじめ、11月下旬以降に開設予定の「&HAND」のラインアカウントに友達登録して、サポーターに登録する必要がある。11月27日(月)から東京メトロ全線の車内ポスターで告知を行う予定だという。

ただし、実験に参加可能な妊婦の人数が限られているため、乗車時にサポーターの人数が妊婦の人数を上回った場合など、参加できない可能性があるという。なお、妊婦は安全上の問題から一般募集は行っていない。

移動への不安がない交通インフラ実現に向けて

同実証実験に込める思いをこう語る。

東京メトロとして、「アンドハンド」プロジェクトチームの「やさしさから やさしさが生まれる社会」の実現に共感し、今回の実証実験で協力を行っています。

実現は簡単なことではありませんが、今回の実証実験を知って頂くこと自体が、行動の後押しのきっかけの一つになればよいと考えています。また今回の実験では今後の実用化に向けて有効な課題の抽出ができればよいと考えています。

妊婦だけでなく、身体に障害を持った人や訪日外国人、高齢者などさまざまな人々にも応用が可能そうだが、東京メトロでは今後「&HAND」をどのように活用したいと考えているのか。

「&HAND」は、まだプロトタイプであり、応用の可能性がある一方で乗り越えるハードルも多く存在すると認識しております。

まずは検証結果を分析し、仮説を検証することに焦点を置いた方が良いと考えております。また交通弱者の方が移動に不安を抱えることのない交通インフラの実現に向けて、皆さまと協力しながら、様々な取り組みを進めて参りたいと思います。

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Text by 長澤まき

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