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車いす+コタツ=「車コタツ」に4万3000いいね!販売予定はあるか聞いてみた

fotolia

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コタツと車イスが一体化した「車コタツ」について、オリィ研究所代表の吉藤健太朗さんに話を聞いた。

「車コタツ」に4万3千超いいね

分身ロボット-OriHime-の開発・提供を行う「オリィ研究所」の所長 吉藤健太朗さんは先日、「車いすでの外出はあまりに寒いので、歩行者も羨む車いす『車コタツ』を作ってみた」とツイートした。

ベースの車いすはリクライニングとティルトが可能で、そのままフラットに寝られる。ポータブル電源を搭載しているので、PCも使いたい放題だそう。「人類はついにコタツから出ずに外出する術を手に入れたのだ」とコメントしている。

同ツイートはネット上で「素晴らしい発想」「最高すぎる」「車いすは特に足が冷えるので、こういう商品が出て欲しい」「天才だ!」「健常者だが、欲しい」「発売はいつ?」と話題に。投稿から1週間足らずで3万超リツイート、4万3千超いいねされている。

「羨ましがられる」がコンセプト

「こたつ」+「車いす」という発想はどのように浮かんだのか。吉藤さんに詳しい話を聞いた。

私は歩行できますが、車いすユーザの友人知人が多い事と研究対象でもあるのでよく乗っています。

普段からALSや脊髄性萎縮症で車いすに乗る人が毛布にくるまったり、寝袋に入って外出しているのを見ていて、昨年の12月には思い付いていました。

1月に、友人である織田友理子さんの主催している車いす体験のイベントで公園を走り、やはりとても寒かったので今作ろうと思いました。

制作にあたっては、「羨ましがられる車いす」にすることにこだわったそう。

車いすって「格好いい」とか、「羨ましい、俺も乗りたい」とかあまり言われないんですよね。「乗っている人が羨ましい!と思えるものにしたい」と思ったのがコンセプトです。

また、見た目が映えるように天板を塗装。さらに、当然だそうだがリクライニング、ティルトしても机が傾かないようにしているという。

時間はかかりそうだが、欲しい人に届けられるように

車コタツはネット上で大反響・大絶賛となっている。しかし、吉藤さん車いすを作ったり乗ったりし始めた2004年当時は「健常者が車いすで遊ぶな!」「不謹慎だ!」という意見が多かったという。

私は車いすを特別なものとは全く思っていなかったので違和感がありました。車いすに乗っていたから気付く事や、出会えた友人も多く居ます。どこでどんな風にサポートすればよいかも自然に解ります。

今回、そういった声がほぼ無く素直に「羨ましい!」という声を多くもらえたので、これを機にぜひ車いすを体験してもらいたいですね。

セグウェーとかキックボードには乗るのだから、同じように電動オープンカーをまずは楽しめばよい、そこから理解が広がればと。

ネット上には「欲しい」という声も多いが、販売予定はあるのだろうか。

まだどういった形になるかはわかりませんが、欲しい人に届けられるようにしたいと思っています。

車いすの形状が多種多様なので少し時間がかかりそうですね。

提供:オリィ研究所代表 吉藤健太朗様

提供:オリィ研究所代表 吉藤健太朗様

「外出できない原因を取り除きたい」

吉藤さんは2017年には「視線入力で発話でき、前方も見られる車いす」も開発した。さまざまな機能を持った車いすには、こんな思いが込められているという。

私は病弱で3年半の不登校で、無気力になり酷い時は天井ばかり見て過ごし、人はなぜ外に行くのだろうと良く考えていました。

外はストレスだらけで、満員電車に乗ったり、24時間のうちの3時間を着替えも含めて移動の為に使う事が全く理解できなかったという。

でもひとつ解ったのは、人は人に会うために外へ行くんですよね。社会の営みに参加するためにと言えるかもしれません。

ただ、身体的な理由や社会の理解の不足、あるいは天候だったり、今の車いすやツールでは限界があって十分とは言えない。

車いすがあっても外に行けないなら、その原因を取り除きたいというのが私の根幹です。

提供:オリィ研究所代表 吉藤健太朗

提供:オリィ研究所代表 吉藤健太朗

社会に参加しにくく孤独を感じる人を無くす

具体的には、「移動手段(ハードウェア)の進化」と「社会の理解(ソフトウェア)の進化」を目指す。

乗り物そのものを改良し、AIを搭載したり脳波や視線を使うことで、今まで外に行けなかった人が移動できるようになる「身体の移動手段」に。そして吉藤さんが代表を務めるオリィ研究所で研究しているOriHimeは、どうしても身体を移動させることができない人にとっての「心の移動手段」となる。

また、GPSとゲーム性を活用したバリアフリーマップWheeLogにより、車いすで走行する事で役割を持ちながら情報を共有する「情報のバリアフリー化」を実現。皆が乗ってみたいと思えるものを作り、車いすや当事者の気持ちを少しでも体験し、気づく事ができる「受け入れ側の理解」も重要だ。

年間、研究を通し多くの車いす、難病で寝たきりの友人と接していて感じる社会参加の課題を克服し、ハードとソフト面から社会参加ツールを揃えていきたい。

「社会に参加しにくく孤独を感じる人を無くす事」が、私のビジョンです。

提供:オリィ研究所代表 吉藤健太朗様

提供:オリィ研究所代表 吉藤健太朗様

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Text by 長澤まき

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