シェア

【取材】「欠品の場合はご容赦ください」恵方巻の大量生産を辞めたお店に称賛が集まる!

ヤマダストアー新辻井店/Facebook

ヤマダストアー新辻井店/Facebook

過剰な恵方巻を「もうやめにしよう」と呼びかけるチラシを出した兵庫県のスーパーマーケット「ヤマダストアー」に取材した。

「もうやめにしよう」と呼びかけ

兵庫県南西部を中心に店舗を展開する「ヤマダストアー」は、節分の恵方巻シーズンを前に「もうやめにしよう」と呼びかける広告を出した。

提供:ヤマダストアー

提供:ヤマダストアー

「売上至上主義、成長しなきゃ企業じゃない。そうかもしれないけど、何か最近違和感を感じます。」

「今年はもしかしたら早くに無くなるかもしれないけれど、ヤマダはこれ以上成長することよりも今を続けられることを大事にしたいです。最後の1本の恵方巻までお客様に愛されますように。」

恵方巻の大量生産による大量廃棄がSNSで話題なったことについて、「食材を原価だけで考えてるからそんなことになるんやと思う」と指摘。資源や商品への大切な思いを綴り、こう案内した。

「今年は全店、昨年実績で作ります」「欠品の場合はご容赦くださいませ」

これを受けて、ネットユーザーから「感心した」「カッコいい」「素晴らしい取り組み」「これで良い」「支持します」「こういう店が当たり前になって欲しい」と大反響。同チラシを紹介したツイートは2日足らずで3万4000超リツイート、3万6000超いいねされている。

人口減少時代にそぐわない

ヤマダストアーの店舗運営部部長に話を聞いたところ、食品小売業界には前年の数字よりも多く発注し、毎年売り上げを上げていくという風潮がある。同社も昨年までは恵方巻を前年実績よりも多く作っていたという。

特に、節分は過去10年右肩上がりと年々盛り上がっており、延ばしていきたいという意識があったそうだ。

しかし、昨年SNSで恵方巻の大量廃棄が問題になったことを受けて、こう考えるようになったという。

人口減少にも関わらず生産が増えているのは、これからの時代にそぐわないのではないか。働く人間も減っているのに、余らせるほど作るというのは、どうなんだろうか。

鮮魚担当者からも「魚が少なくなっている」と聞き、廃棄は問題なのではないかと考えた。

「見直す機会では」と敢行

食品業界には「欠品」を避けたいという意識が根強く、同社でも今回の挑戦にあたって欠品の不安があったが、こう考えたそう。

ロスが減れば企業の利益が上がる。見直す機会なのではないか。

チラシや店舗掲示で事前に告知し実施に踏み切ったところ、例年と比べて廃棄量はだいぶ減少し、8店舗中5店舗で完売。利用者からは店長が驚くほど絶賛されており、画期的な取り組みに取材も殺到しているという。

文化をなくしたいのではなく少し冷静に

恵方巻などのノルマや廃棄が社会問題となっていることについて、どう思っているのか聞いた。

恵方巻の文化を無くしたいとかは考えていません。ただ、過熱し過ぎている部分については、少し冷静になった方が良いのではと考えています。

出典:ヤマダストアーHP「新辻井店」

出典:ヤマダストアーHP「新辻井店」

同店の経営理念は「忘己利他」だという。

ヤマダストアーはヤマダストアー以外のすべてのもので成り立っています。地域のお客様、取引先、地域経済の発展、資源をくれる地球の生態系など全てのものが恵みを与えてくれています。

ヤマダストアー以外のものに奉仕することが、ヤマダストアーの発展につながると考えています。

Posted: |Updated:

Text by 長澤まき

Ranking

All Categorys Ranking総合ランキング