シェア

【取材】「かっこいいエプロン」で男性の介護問題をポジティブに解決へ!兵庫で写真展も開催

シデカス(株式会社Sydecas)/Facebook

シデカス(株式会社Sydecas)/Facebook

兵庫県加古川市で開かれる「オトコのエプロン写真展」について、株式会社シデカスの代表取締役・寄玉昌宏さんに話を聞いた。

「#オトコのエプロン写真展」開催

加古川市民ギャラリーで2月26日(月)~2月28日(水)の3日間、「#オトコのエプロン写真展」が開催される。入場は無料。

「かっこいいエプロン姿」の一般男性20人の写真をリアルな空間に集め、「エプロン姿で仕事をする男性はカッコいい」という価値観をポジティブに発信する。

男性介護の問題を知り開発

主催する「シデカス」は、「家族の距離を近づける服」をコンセプトに個性的なアイテムを展開している。

寄玉さんによると、同社はもともと「介護」という視点でファッションブランドを立ち上げ、最初に「寝たままの人でも簡単に着替えのできるワンピース(≪ユニユルク≫イージーワンピース)」を開発。その発売からしばらく経って、購入者の7割程度が男性であることに気が付いたという。

お客様にヒアリングをしてみたところ、「自分の奥様やお母さまのために購入している」ということを知り、そこから「男性介護(男性が行う在宅介護)」の問題の存在を知りました。

そこで、男性介護問題に詳しい大学教員や地域の人にインタビューしたり、さまざまな文献や資料を調べたりしたという。

すると、介護自体よりも、それまでやってこなかった家事のほうに苦労を感じる男性が多いことや、定年退職者では大切な妻や母親の介護に必死になり家庭外とのつながりが断たれてしまうことなど、「男性介護」ならではの特殊性があることを知ったという。

しかも、なんと日本にはそういった男性介護者が100万人も存在していることを知ったときは、本当に驚きでした。

私たちの開発した「≪ユニユルク≫イージーワンピース」が、そういった男性介護者の「奥さま・お母さまを大事にしたい」という想いに一定程度応えられていることはとてもうれしいことだと思った反面、年々増加する一方である男性介護者の課題をもっと手前で解決することはできないか、ということから閃いたのが、「エプロンと料理教室イベント」でした。

カタチから入りがちな男性(特に定年退職後)に、家族からギフトとしてかっこよいエプロンを贈り、楽しみながら家事に親しんでもらう。男性だけの料理教室を核としたご近所コミュニティを作る。それらが、いざ介護という状況が訪れたとき、世の中の男性の力になるはずだと信じています。

とにかく「カッコよさ」にこだわり

開発にあたっては、まずはとにかく「かっこいいこと」にこだわったそう。

男性が身に着けてみたい、また家族が贈ってみたい、と思わなければこのプロジェクトの意図がまったく達成できなくなるからです。

先ほどお答えしたような狙いはありつつも、でも無理矢理やるのでは日々の生活がつまらないものになってしまい、途中でやめてしまうでしょう。

あくまでポジティブに、カジュアルに「やってみたい」「つけてみたい」「誰かに見せたい」と思っていただくことが重要だと思っています、そのために、この製品のためだけに特注した生地を発注し、風合いには徹底的にこだわっています。

もちろん実用面にもこだわり、同社と一緒に活動する介護経験のある60歳以上の女性で構成する団体「KAKOGAWAミシンラボ」に多くのアドバイスをもらったそう。

知恵袋のような存在という同団体の会員に「これ、旦那さんにあげられる?」「手入れはしやすい?」といった徹底的なヒアリングをしたという。

クラウドファンディングで励ましと共感の言葉

同社が昨年11月に、男性介護問題をポジティブに解決するプロジェクトへの支援をクラウドファンディングで募ったところ、たった30日間の募集にも関わらず、目標達成率131%と多くの支援が寄せられた。

実はこのクラウドファンディングは、開発資金を集めること以上に、「このプロジェクトのコンセプトが世の中に受け入れられるか」を計りたくて行った部分が大きいです。

支援していただいた方のコメントや、イベントなどで上記のコンセプトをお話しすると、ほとんどの方から上記の背景やコンセプトに共感をいただくことができました。

「こういう取り組みがこれからの時代必要になる」「お父さんにあげたい」など、そういう励ましと共感のお言葉が、調達した資金以上に嬉しかったです。

シンプルにかっこよさを感じて

寄玉さんはクラウドファンディングを達成したことで、コンセプトへの「社会的な正しさ」を感じる自信を持ったという。しかし、今回の写真展開催は、プロジェクトの背景や自分の話を最初から最後まで聞いてくれるわけではないと考えたからだという。

やはり、直感的なインプレッションが必要です。そこで、まずはシンプルに「男性がエプロンをするって、こんなにかっこいい」ということを視覚的に感じていただきたく、写真展を開催することにしました。

「宣伝写真」ではなく、あくまで一般の男性の自然なかっこよさがにじみ出て、「俺もちょっと着てみたい」「これならうちの旦那にもエプロン似合うかも」のように感じていただけると嬉しいです。

介護×かっこいいエプロン→これまでにない価値観

今後のビジョンを尋ねた。

今回はクラウドファンディングということもあって、想いをありったけギミックを詰め込んだ(4つの使い方ができる)エプロンを作りましたが、もう少しライトなものもあっていいかと思っています。

同プロジェクトを通して男性心をくすぐるネタもだいぶ集まってきており、今年はかなり面白い展開になりそうとのこと。さらに、自社のエプロンだけに限らず、「街角で見つけたカッコイイおっちゃん・お兄ちゃん」の撮影を少しずつ始めており、それを集めた写真展をまた来年開催したいと考えているそうだ。

一見まったく距離が離れているように思う「介護」と「かっこいいエプロン」ですが、だからこそこれまでにないおもしろい価値を世の中に提案できると考えています。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

Ranking

All Categorys Ranking総合ランキング