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【聞いてみた】「ライバル草津応援」に「温泉配達」も…別府市が「恩返し」に力を入れる理由

提供:別府市

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ライバルである「草津温泉の応援」や「別府の温泉を無料で届ける恩返し事業」について、別府市観光課に取材した。

別府市、ライバル「草津」を応援

温泉で有名な“別府市”の観光情報サイトのホームページには現在、「今は、別府行くより、草津いこうぜ。」と書かれた草津温泉の画像が表示されている。

「元気があってこそライバル」というコメントと共に、「にっぽんの温泉100選15年連続1位」と草津温泉をアピールし、「SNSで草津へエールを送ろう」と呼びかけ。

別府市は先月、同広告を西日本新聞にも掲載した。

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ネット上で「最高のエール」「男前かよ」「別府、格好いい」「粋すぎて痺れました」「感動」「本当に温かい」と話題になっている。

別府市「恩返しをしたい」と発案

担当者によると、草津温泉を応援するのは「恩返し」だという。

別府市は今年度、2016年の熊本・大分地震による風評被害で大打撃を受けた同市が観光復興したことに感謝し、被災支援の返礼事業として、全国の一般家庭や施設のお風呂へ温泉を無料で届ける恩返し事業「別府温泉の恩返し」を実施している。

提供:別府市

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その中で、「別府市民にも温泉を届けたい」という思いのもと、草津町に「別府市民に草津の温泉を楽しんでもらいたい。草津温泉を分けてもらえないか」とお願いしたという。

すると、本来は門外不出の草津温泉だが特例で快諾してもらえ、昨年11月に群馬県に別府温泉を配達した後の空になったトラックのタンクに草津温泉を入れて持ち帰り、別府市民に無料で入浴してもらう「別府温泉の恩返し番外編の湯」を実施。別府市民に草津温泉を楽しんでもらうことができ、大好評だったそうだ。

その約2ヶ月後の今年1月に、群馬県の白根山が噴火。草津温泉が風評被害を受けていることを知り、こう考えたという。

同じ自然災害で風評被害を体験した別府市としても、草津温泉にいただいた恩返しをしたい、風評被害を払拭させたい、という思いで考えたのがこの応援広告です。

目に留まるよう「インパクトあるコピー」に

「今は、別府行くより、草津行こうぜ。」というインパクトのあるコピーは、どのようにして生まれたのか。

新聞購読者の皆さんの目に留まるため、またインパクトのあるコピーにて、SNSやメディアなどに取り上げられ、話題となることで、「草津温泉は火山の心配無く行けるところであり、風評被害であること、という事を知って欲しい。」という事を全国に波及したいがため、このようなコピーにしました。

同コピーに込める思いを、こう話す。

この広告を見て、草津温泉が風評被害を受けていることを知って欲しい。そして風評被害を払拭するため、また草津温泉を応援してくれるのであれば、まずは草津温泉へ行って楽しんで欲しい。

別府も昨年度の地震によって受けた風評被害で苦しんだ経験があり、「風評被害を払拭するため、別府は変わらず元気なので、まず来て欲しい。」というキャンペーンを行ってきました。

あのような事はもう何処にも起きて欲しくない。そして同じ風評被害で苦しんでいる草津温泉に、遠く九州からも応援している人がいることを知って欲しい。その思いを込めた広告でした。

衝撃的なコピーなので中には反対意見もあるそうだが、群馬県民から感謝の電話があったり、メールでも肯定的な意見が届くなど、全体的にはポジティブに捉えてくれる人が多いという。

賛否両論が予想されましたが、ポジティブな意見が多数である事は率直に有難い事だと感じております。本来の目的である「草津温泉の風評被害の払拭」に、少しでも寄与できたら幸いです。

ライバルと共に成長していければ

広告には「元気があってこそライバル」と書かれているが、別府市にとって草津温泉はどのような存在なのか。

草津温泉は広告にも書いてあるように、「にっぽんの温泉100選」に13年連続で君臨し続けている、まさに「横綱」です。ライバル視しているのも別府の一方的なのかも知れません。

また、他の温泉地もライバルには変わりないが、共に成長していければと考えているという。

「ライバル」である関係は変わりません。近隣の温泉地であれば尚更です。しかし例えば、関西や関東の方は別府温泉だけ巡る事はありません。必ず別府以外にも県内や、若しくは九州を周遊されると思います。

なので、別府温泉だけをPRするのではなく、周辺の温泉地と連携し、大きいPRをした方が誘客の効果は大きいと思います。ライバル関係にはありますが、敵対している訳ではなく、むしろ友好関係を築き、共に成長していければベストだと思います。

提供:別府市

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今後も温泉の素晴らしさ・可能性を発信へ

昨年5月にスタートした全都道府県への温泉(恩泉)配達は、今月5日に終了したという。別府市がこれほどまで「恩返し」に力を入れる理由と思いを聞いた。

別府は観光で成り立っているまちです。別府市民の殆どが観光に携わる仕事をしています。観光客が減るという事が別府にとって一番耐え難い事であり、逆に別府に観光客が戻ってくる事が一番有難い事なのです。

復興を遂げることが出来た事に対する感謝、そして苦しいときに別府に遊びに来てくれた人や、応援してくれた人への感謝を、別府市民全体で伝えたい、という思いがありました。

提供:別府市

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今後のビジョンをこう語る。

今回の事業をして、約150件の施設や個人のお宅に温泉を届けましたが、温泉が自宅に届く、温泉に入れるという事を感激し、幸せを感じていただける人が沢山いらっしゃいました。改めて温泉の有難み、そして温泉が持っている力の凄さを感じました。

今後も別府市は温泉の素晴らしさや温泉の持っている可能性を更に引き出し、たくさんの方に発信出来たらと考えています。

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