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提供:kenma Inc.

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腕に巻き付けて使う便利なメモ“WEMO”について、開発元の株式会社コスモテックとデザイン・マーケティング等を担当したkanma Inc.の今井裕平さんに話を聞いた。

腕に装着する「ウェアラブルメモ」が話題

機能性フィルムメーカーの株式会社コスモテックとデザインコンサルティング会社・kenma Inc.が販売する、腕にまきつけるウェアラブルメモ「WEMO(ウェモ)」が話題になっている。

板状のシリコンを手首に軽く当て、丸めて腕に装着させて使用。シリコンバンドに油性ペンやボールペンで直接メモを取り、指や消しゴムで消せるので、繰り返し使うことが可能だ。

どの油性ペンでも大丈夫だが、ペンによって痕が残ることがあるので、“ZEBRA社ジムノックを”推奨しているという。(痕が残ってもアルコールでふき取れる)

提供:kenma

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Drip on the background a hospital corridor concept

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ネットユーザーに、「すごい!便利!欲しい」「手の甲に直書きしてたので、これは有難い品」「これで手が汚れない」「重宝しそう」「学生にも人気出そう」「どこで買えますか?」と絶賛されている。

手にメモをする看護師を見て発想

同製品は、kenma Inc.の今井裕平さんが、病院で直接手にメモをしている看護師の様子を頻繁に目にしたことから着想を得たという。

美しい手が汚れることや衛生面/情報漏洩面のリスクだけでなく、“記憶”という行為が業務への集中を妨げていることが何よりも気がかりでした。(kenma Inc. 今井さん)

そうしてリサーチを勧めたところ、災害や救急、農業に水産業、製造、建設、公共交通、宅配など、医療以外の様々な現場でも同様の課題が確認されたそう。

この“見過ごされてきたニーズ”に応えることで、社会の生産性向上に貢献できると考え、「いつでも/どこでも 書ける/思い出せる」をコンセプトに、“現場最前線のワーカー”をターゲットにしたウェアラブルメモを開発するに至ったそうだ。

提供:kenma

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機能性フィルムメーカーの「世界初の技術」を応用

製品化にあたっては、粘着テープを始めとする機能性フィルムメーカーのコスモテック社が特許を持つ世界初の“肌用感圧型転写シール技術”を応用。

同社はこれまでにも電子機器メーカーや電子部品メーカー向けの工業用テープを開発してきたが、その中でも“高分子材料の配合・塗布・表面処理”が同社の技術領域だという。

wemoの開発にあたり、機能面での要求である、“通常のボールペンインクが表面に定着すること”と“インクが表面に固着しすぎず、擦過により容易に剥離可能であること”が必要となりました。

その解決策として、これまでの技術を活かし、特殊な高分子材料を表面に塗布することで、適度な濡れ性(はじき性)をもつ表面処理を行いました。(コスモテック社の開発担当者)

メモに特化した表面加工を行うことで、滑らかな書き心地を実現した。

提供:kenma Inc.

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「感覚を数値化」など試行錯誤

同社はこれまで、様々なメーカーの依頼で工業用テープを開発してきたが、“一般向けの商品”を手がけるのは、今回が初めてだったそう。

これまで経験のない一般消費者向けの商品であるため、“書きやすい”“消しやすい”といった人間の感覚を定量的に数値化することにより、試行錯誤の中で評価方法を確立していきました。

また、ユーザーが使用するペンも多岐に渡ることが予想できたため、実際に市販されているボールペンを収集し、多岐にわたるテストを実施しました。(コスモテック社の開発担当者)

これまでにない製品なので、消費者への製品情報の提供も工夫したそうだ。

事前のユーザインタビューでどの方も面白いと感じてくださったので、その先の“どのように役立つか”を感じて頂くために、想定される様々な現場利用シーンを写真で用意し、“自分ごと”としてのフックをできる限り準備しました。(kenma Inc. 今井さん)

さらに、開発中にユーザーにサンプルを試用してもらって実際の声を収集し、デザイン面から機能面までを改良。発売後も、購入者のレビュー等を元に、常に製品を改良しているという。

提供:kenma

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「目盛り」や「色」「サイズ」にもこだわり

kenma.Incの今井さんによると、デザイン面では“目盛り”や“色”“サイズ”など、多角的にこだわったそう。

看護師さんはほぼ必ずメジャーを携帯しているため、その代替になればと考え、目盛りを振っています(kenma Inc.今井さん)

色は、白衣を着る人が多い医療関係者向けの“白色”と、付けているのが目立たない“肌色”、メモした字が他の人に見えづらいように“緑色”、上記3色のバランスを考慮した明るい“水色”の4色。近日中に、“柄”デザイン2種類も発売する予定だ。

サイズは、既存のバンドは幅が狭いが、広げれば広げるほど身に着ける時に痛くなるので、両者のトレードオフを考えて最適なサイズを決定。服の上からの装着もOKだという。

提供:kenma

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想定外の反響も

同商品は発売後、ターゲットとしていた医療や農業、消防救急、製造現場等に想定通り受け入れてもらえたという。

「手にメモをしなくてよくなった」「水に濡れもてもOKなので安心して使用できる」「目につく所にメモができるので忘れない」といった声が多いです。(kenma Inc.今井さん)

また、ADHDの方が自身の生活や仕事で使用したり、ご家族の方がADHDの高校生の息子のために購入したりと想定外の反響もあったそう。

小さい頃から連絡帳に書いても忘れるので、大事なことは手に油性マジックで書いていたそうです。「発達障害仲間に広がればいい」という連絡を頂きました。(kenma Inc.今井さん)

他にも、ゴルフやテニスをする人がプレー中のポイントの確認に使ったり、自称オタクやレポ垢の人から「セットリストをメモしたしたかった」といった反響があったという。

「新たな文具・メモジャンル」を確立へ

今後は、現在販売している“消せるタイプ”に加えて、“隠せるタイプ”と“貼れるタイプ”の製品化も順次予定している。

【貼れるタイプ】

wemoへの記載内容を転記する必要がある人のために、その作業を不要とすることを目的としています。

具体的には、カルテや日報、手帳への転記です。(kenma Inc.今井さん)

提供:kenma

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【隠せるタイプ】

バンドが目立ってしまう、バンドが邪魔と感じられる方のための製品です。基本的には「消せるタイプ」と同様の利用シーンの想定です。(kenma Inc.今井さん)

提供:kenma

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WEMOに込める思いを、こう語る。

本製品のビジョンは「現場ワーカーの記憶に対するストレスをなくす」ことです。

様々なカテゴリの方に広く受け入れられているポストイットの様に、「ウェアラブルメモ(Wearable Memo)」という文具・メモジャンルの確立を目指しています。(kenma Inc.今井さん)

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