東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年7月、期間中の混雑を避けるため、同年に限り「3つの祝日を移動」させる案が衆議院を通過した。
2020年「3祝日移動」成立の見通し
東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年に限り「海の日」「体育の日」「山の日」を移動させる法案が、5月31日の衆議院本会議で可決された。
2020年は、7月の第3月曜日と定められている「海の日」を開会式前日の7月23日(木曜)に移動。開会式当日の7月24日(金)には、本来10月の第2月曜日と定められている「体育の日」を移動させる。
また、「山の日」(8月11日)を閉会式翌日の8月10日に移す。
NHKによると、今後参議院での審議を経て、今国会で成立する見込みだという。
7月に4連休、10月は祝日ナシへ
祝日の移動により、2020年7月は23日(木)~26(日)まで4連休、8月は8日(土)~10日(月)まで3連休へ。
2020年10月は体育の日の移動で、祝日がなくなる見通しだ。

fotolia
混雑を避ける狙い
祝日の移動は、東京オリンピックによる交通機関の混雑を和らげることが狙いだ。
同大会は交通量が多い都心を中心に会場が点在。期間中は国内外から多くの観光客が集まり、通勤・通学客とあわせて首都圏の公共交通機関の混雑が予想されている。
中央大学理工学部の田口東教授は、競技会場に近い電車区間と最寄り駅で、通常よりかなり激しい混雑が起こり得ると試算。
朝日新聞によると、乗車率200%以上の電車が50%増える予測だという。
テレワークも呼びかけている
2012年に開催されたロンドンオリンピックでも同様に混雑が予想され、ロンドン市と交通局は在宅勤務などの「テレワーク」を呼び掛けた。
すると、市内企業の約8割が導入し、混雑緩和に加えて、生産性の向上やワークライフバランスなどの効果もあったという。
政府はロンドンの成功事例に倣い、東京オリンピック開会式(7月24日)を「テレワーク・デイ」と位置づける国民運動プロジェクトを2017年から実施。
公共交通機関や道路が混雑する始業~10時半までの間、一斉にテレワークを実施する企業・団体の募集も行っていた。
ネット上には「新たな祝日を作って」という声
3祝日を移動する特例法が成立する見込みとなったのを受けて、ネット上には「良かった」「粋なことしてくれるじゃないですか」と賛成する声が寄せられている。
一方で、こんな意見も。
祝日を移動って…
作らんかい!— Weisz – Graf (@WeiszGraf) 2018年5月31日
オリンピックなんだから祝日移動じゃなくて祝日作ってくれたらいいのに
— ゆにた (@yuniTa__n) 2018年5月31日
「オリンピック臨時祝日」でいいじゃん、なんで10月の祝日が7月に移動するの
— バトルプログラマー柴田智也 (@tomoya_shibata) 2018年5月31日
来年のGWもだけどそんなぽんぽん祝日移動したり増やしたりされたら仕事に支障が
— きょう (@fighters_child) 2018年5月31日
2020年問題
10月から祝日が消える— ゆきち(CV.丹下段平)@パブリックあざらし (@inaba_yukichi) 2018年6月1日
「何のための祝日だか分からなくなります」「東京以外は関係ないだろ」「10月が虚無になる」「システム系は大変」と戸惑う人もいた。