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東京駅前の博物館「インターメディアテク」がすごい!豪華な展示、入館無料の理由は?

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク2階常設展示風景 © インターメディアテク

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク2階常設展示風景 © インターメディアテク

東京駅目の前のKITTE内にある「インターメディアテク」が素晴らしいと話題となっている。

KITTE内のミュージアム「インターメディアテク」

東京・丸の内、JPタワー内の大型商業施設KITTE(キッテ)の2・3階に、日本郵便と東京大学総合研究博物館が協働で運営するミュージアムJPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」がある。

レトロモダンの雰囲気を醸し出す空間演出を基調とした展示スペースに、東京大学が1877年(明治10年)の創学以来、蓄積し続けてきた学術標本が常設。入館料は無料だ。

空間・展示デザイン © UMUT works インターメディアテク内ギメ・ルーム開設記念展『驚異の小部屋』展示風景 © インターメディアテク

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク内ギメ・ルーム開設記念展『驚異の小部屋』展示風景 © インターメディアテク

ミンククジラや幻の絶滅巨鳥エピオルニスなどの大型骨格。ペルーのクントゥル・ワシ遺跡で発見された南北アメリカ大陸最古の金製王冠など歴史的標本の精巧なレプリカ。

東京帝大の学術調査隊が、被爆直後の長崎市の浦上天主堂で回収した歴史的標本「獅子頭」など、貴重な展示物が贅沢に並んでいる。

空間・展示デザイン © UMUT works インターメディアテク常設展示内ミンククジラ骨格標本 © インターメディアテク

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク常設展示内ミンククジラ骨格標本 © インターメディアテク

訪れたネットユーザーに「すっごく素敵な空間」「マジで見ごたえがあった」「想像以上のコレクションに圧倒」「夢とロマンがあふれている」「雰囲気のある博物館で、時間を忘れてしまいました」「空気感を味わいに行くだけでも良い」と絶賛されている。

「社会貢献」を使命に誕生

同ミュージアムは2013年3月に、旧東京中央郵便局舎の2・3階部分をミュージアム・スペースとして改装し誕生した。

学術の普及と啓蒙を通じ、社会へ貢献することをその使命としています。

(インターメディアテク資料より)

「第3セクターに属する社会教育施設概念を確立することで、欧米先進国で当然とされてきた、博物館・美術館間のコレクションの流動と、企画・運営・組織の相互乗り入れを促し、国内のミュージアム世界の活性化に寄与したい」という意図があるそう。

文化財を単に保存し並べて公開するのでなく、そこに集められた品々から新しい知見や表現を導き出す可能性を探求し、提示する実験のアリーナだという。

空間・展示デザイン © UMUT works インターメディアテク・アカデミア内観 © インターメディアテク

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク・アカデミア内観 © インターメディアテク

昭和初期のモダニズム建築を「転生」

レトロモダンの雰囲気を醸し出す空間演出をデザインの基調としたのは、旧局舎が昭和初期を代表するモダニズム建築ということを踏まえたという。

旧郵便局舎の大規模空間をそのまま活かして、多様な表現メディアの融合を促すためのプラットフォームにした。

歴史が刻まれた木製の床材もまた保存部の一部に継承。古い鋼鉄製窓枠の一部は展示用フレームに転生し、郵便局カウンターの御影石や重厚な扉などの一部は、施設空間の中に埋め込んだ。

「インターメディアテク」は、かけがえのない歴史遺産の「転生」と「継承」の上に建つ。

(インターメディアテク資料より)

空間・展示デザイン © UMUT works インターメディアテク2階常設展示風景 © インターメディアテク

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク2階常設展示風景 © インターメディアテク

展示に用いられているケースやキャビネットは、ほとんどが教育研究の現場で実際に使っていたもので、帝大時代のものが多いという。

狙いは、博物学の博物学の全盛期であった19世紀から高度情報化を実現した21世紀まで、3世紀にまたがる時代を架橋すること。

来るべき時代の精神がこの先もなお見失ってはならない「世界の眺望」を提示して見せること、それが我々の企図するところなのです。

(インターメディアテク資料 館長の挨拶より)

展示会場や空間を、多種多様なメディアが出会いを演じる「舞台」ないし「背景」として位置付けている。

空間・展示デザイン © UMUT works インターメディアテク常設展示内のリデザインされた壁面展示棚 © インターメディアテク

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク常設展示内のリデザインされた壁面展示棚 © インターメディアテク

体験させる場としてのミュージアム空間

展示物の配置は、一般的な来館者の導線を想定する方法や、分野ごとに分類する方法はあえてとっておらず「眼の愉悦」への訴求に重点を置いという。

自分の眼で見て、発見し、驚くという体験の場を、来館者、とりわけ若い世代に体験させる場としてのミュージアム空間。「インターメディアテク」の目指すものはそこである。

(インターメディアテク資料より)

空間・展示デザイン © UMUT works インターメディアテク・ホワイエ展示風景 © インターメディアテク

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク・ホワイエ展示風景 © インターメディアテク

企画展も開催

企画展示スペースは20世紀型のホワイト・キューブ空間となっており、年度計画に基づいて各種のテンポラリーな企画展を開催。

現在は、明治時代に描いた日本画を題材に、日本画家が鳥を見つめた視線を再現する「アヴェス・ヤポニカエ(4)――ディテールへの執念」を6月23日まで特別展示している。

空間・展示デザイン © UMUT works インターメディアテク特別展示『アヴェス・ヤポニカエ(4)――ディテールへの執念』展示風景 © インターメディアテク

空間・展示デザイン © UMUT works / インターメディアテク特別展示『アヴェス・ヤポニカエ(4)――ディテールへの執念』展示風景 © インターメディアテク

無料の理由は「開かれた施設」と「挑戦」

これほどの充実した内容なのに原則「無料」なのは、国際博物館評議会の規約と内国博物館法の条文を尊重しているからだ。

それにより、幅広い公衆に対し、可能な限り開かれた施設とする。

(インターメディアテク資料より)

より多くの人々に、知的な刺激や感覚的な興奮を与えることで、国内外に向けて力強い情報発信を行うという同施設の使命も実現。

無料にすることで、観覧料という対価に見合った収益や集客を考える経営効率論から抜け出し、より挑戦的で、より刺激的な展示企画やデザインの実行を可能にしているという。

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