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【取材】西日本豪雨の被災地で「ロボットスーツ」が復旧作業に活躍!珍しい姿に笑顔も

Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc

Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc

災害現場での「ロボットスーツ」活用について、サイバーダイン株式会社の広報担当者に取材した。

災害の被災地で「ロボットスーツ」が活躍

西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県の被災地で、医療・介護向けのロボットスーツ「HAL®︎」を手掛けるCYBERDYNE(サイバーダイン)の「HAL®腰タイプ作業支援用」がボランティア作業に活用された。

同社社員とボランティア活動している人々が装着し、「浸水被害家屋の中の泥をスコップで掻き出し、土嚢袋(どのうぶくろ)に詰める作業」や「泥や瓦礫がつまった袋をトラックの荷台に積み上げる作業」「家財道具を屋外に搬出する作業」を主に行ったという。

Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc.

Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc.

相談を受け、大急ぎで対応

活用された「HAL®腰タイプ作業支援用」は、重量物を持った時に、腰部にかかる負担を低減することで腰痛を起こすリスクを減らすロボットスーツ。

生体電位信号を読み取ることで、装着者の意思に従った動作をアシストする。

広報担当者によると、岡山県に本社がある同商品の販売パートナー企業・井原精機から社員20名程が家屋の被害にあったと連絡があり、災害支援活動にHAL®︎を活用できないか相談されたのがキッカケで被災地で使われ始めたという。

7月11日に相談があり、弊社内で迅速に意思決定をして、社内に準備できるだけのHAL®︎をかき集め、大急ぎで災害現場向けにプログラムの書き換えを行いました。

12日の早朝に弊社社員が社用車に積み込んでつくばを出発し、その日のうちに、岡山へ現地入りしました。翌13日からボランティア活動で使用しております。

同商品はもともとは作業支援用として、物流倉庫や工場、空港施設、建設などでの重量物作業に活用してもらうための製品として開発したという。

災害現場向けに急遽プログラムを書き換えるなど、突然の対応は大変ではなかったのか聞いた。

重量物の持ち上げ、中腰姿勢など、共通動作も多く、今回も災害現場の過酷な使用環境に合わせるための必要最低限のカスタマイズにて対応が可能となりました。

Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc.

Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc.

「腰の負担が軽減した」など好評

同スーツを着用しての作業について、装着した人からは「腰の負担が軽減されているのを実感できた」「1日作業を終えたときの疲れが残らない」「腰痛持ちだったが、装着している間に腰の違和感がなかった」「思ったよりも本体の重さは気にならなかった」「こういうものは行政側で用意してもらえると助かる」と好評だったそう。

また、HAL®︎を装着しているボランティアスタッフの珍しい姿が、被災者された方々や他のボランティアスタッフから注目されて、たくさんの声をかけてもらったという。

ボランティア活動の仕事は、瓦礫処理や、土嚢袋のトラックへの積み込みなど、腰への負担も相当ある重労働作業で、過酷なものでした。

今回、HAL®︎腰タイプ作業支援用を被災現場に持ち込み、ボランティアスタッフの方々に活用いただくことで、作業負荷の低減ができることを確認することができました。今後は、より広く災害現場に対応し、普及させていくことが必要と実感しております。

被災された皆様が一日も早く、元の生活を取り戻すことができることを心より願っております。

Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc.

Prof. Sankai, University of Tsukuba / CYBERDYNE Inc.

 

「希望や未来につながり、復興の一助となれば」

ロボットスーツHAL®︎は、脳卒中や脊髄損傷などの下肢に麻痺がある方の身体機能改善を目的として開発してきたという。現在は日米欧で医療機器承認を取得している。

医療分野で開発した世界最先端の技術を、作用支援に応用したものが、HAL®︎腰タイプ作業支援用だそう。

同商品は、物流倉庫や工場、空港施設、建設現場など様々な現場で活用されてきたが、今回のような災害現場でも活用してもらえたとして、今後のビジョンをこう話す。

HAL®︎をさらに幅広い現場で活用していただけるよう製品改良や普及拡大を進めていきたいと考えております。

また、過酷な現場でも、HAL®︎装着しているボランティアスタッフの姿が珍しいこともあり、被災者の方々や他のボランティアスタッフから声をかけられ、何気無い会話から、その場が笑顔になる瞬間がありました。

HAL®︎が、少しでも皆さまの将来の希望や未来につながって、復興の一助となれば幸いです。

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Text by 長澤まき

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