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東京五輪の暑さ対策で「サマータイム」導入を検討、メリットとデメリットは?

fotolia

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2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策として「サマータイム導入」が本格的な検討に入ったと報じられ、注目を集めている。

東京五輪の「暑さ対策」を議論

東京オリンピック・パラリンピックに向けて、政府や東京都、同大会組織委員会は「暑さ対策」について議論を進めている。

一年でも特に暑い時期の大会で、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮し、観客が過ごしやすい環境で観戦できるように、競技会場に追加の屋根付き休憩スペースを設置することや水分補給環境の整備など、さまざまな対策を検討。

暑さ対策を考慮した競技スケジュールの策定も検討されている。

出典:「首相官邸」パンフレット

出典:首相官邸パンフレット

2時間のサマータイム導入を検討

対策の1つとして「サマータイム」の導入について、政府与党が本格検討に入ったと産経ニュースが報じている。

最も暑い6~8月を軸に数カ月間だけ2時間繰り上げる方向で検討に入ったといい、導入された場合、例えばマラソンを午前5時にスタートして日が高くなる前にレースを終えることができるという。

2019年に試験導入して2020年に本格導入する案が有力とされており、この2年間だけの限定導入となる公算が大きいという。

日本でも1948年~1952年に導入

サマータイムは、昼間の明るい時間が長い期間に全国の時刻を標準時より進める制度。

出典:「環境省」パンフレット

出典:環境省パンフレット

第1次世界大戦時から欧米諸国で導入され始め、現在は世界の中高緯度諸国(70カ国以上)で導入されている。

日本でも太平洋戦争終結後にGHQの指示で1948年から導入されたが、「生活にあわず労働過剰になる」「慣習を変更されたくない」など廃止を希望する意見が過半数となり、4年後の1952年4月に廃止となった。

その後も、滋賀県や北海道、日本経団連がサマータイムを試験導入するなど、導入に向けた取り組みが度々行われている。

メリットとデメリットが

環境省の資料によると、サマータイム導入には「省エネ」や「温室効果ガスの排出削減」などのメリットがあるという。

また、アフター5の日照時間が増えることで経済活動にプラスに働き、商業や観光、行楽、スポーツ、趣味・レジャー、飲食業等の産業が活性化して、経済規模の拡大も見込まれるとか。

社会経済生産本部(現・日本生産本部)が2004年に行った試算では、約9700億円にのぼる経済波及効果が期待されたという。

一方で、プログラムの変更や公共交通機関のダイヤ変更、残業時間の増加などのデメリットもある。

出典:「環境省」資料

出典:環境省資料

ネット上には「システムが大変」という声

サマータイム導入について、ネット上にはさまざまな意見が寄せられている。

賛成する声もあるが。

一方で、戸惑う声も。

システムや体内時計への影響を心配する声が見られた。

時計の切り替えは?

サマータイムが実際に導入された場合、時刻の切り替えはどうなるのか。

環境省のサマータイムに関するパンフレットによると、サマータイムが始まる日は1日がずらす分だけ短くなり、終了する日に1日がずらした分だけ長くなるという。

時計の調整については、家庭には目覚まし時計の他、テレビ、炊飯器など内蔵されているものを含めると10個以上の時計があるといわれているが、電波時計の普及が進んでおり自動修正タイプのものが増えているという。

2015年に「うるう秒」が挿入された際にも、衛星電波時計は手動で正しく合わせるか、うるう秒の受信を行う必要があったが、一般の電波時計では、電波塔からの電波を受信すると自動で補正されたという。

また、電波受信機能のない時計については、環境省の資料には「子どもたちが自分の手で時計の針を動かしてサマータイムになったことを実感することは、サマータイムの意義や地球環境の大切さを教える良い機会になるのではなないでしょうか?」と記されている。

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Text by 長澤まき

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