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浄土宗総本山「知恩院」の秋のライトアップが超ポップ!由緒ある寺院が攻める理由は?

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

はっちゃけたホームページや企画内容が話題の「秋のライトアップ2018」について、浄土宗総本山「知恩院」のライトアップ担当・磯部孝造さんと広報担当・池口龍法さん、国松真理さんに話を聞いた。

由緒ある寺院の「攻めた企画」が話題

京都市東山区の浄土宗総本山「知恩院」で11月2日から行われる「秋のライトアップ2018」が話題となっている。

知恩院は、浄土宗の開祖・法然上人がお念仏のみ教えを広め、入寂された遺跡に建つ由緒ある寺院。正式名称は華頂山知恩教院大谷寺という、浄土宗の総本山だ。

そんな由緒ある寺院の秋のライトアップのページを開くと、後光を背に楽しそうにジャンプするお坊さんたちの姿が現れる。

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

Instagramを活用した企画も用意されており、秋のライトアップで撮影した写真に「#ナムい」「#知恩院」タグを付けて投稿すると、何かが起こるという。

オープニングイベントの「おてつぎフェス」では、「浄土宗の劇団ひとりによる、同院制作の紙芝居『シャカリキ大冒険」』の上映」や、「お坊さんバンド『ぽくぽくすまいる』のステージ」などが開催予定だ。

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

期間中の11月5日からは毎日、宝佛殿で「聞いてみよう!お坊さんのはなし」が開催。「おぼうさんが『愛』について考えてみた」など、週替わりのテーマでお坊さんの話を聞くことができる。

カッコいい「動画」も

同ページでは、お坊さんたちが心を込めて出演したPR動画も順次公開されている。

現在、「予告編 〇〇なお坊さんは好きですか?」「第1弾 木魚EDM編」「第2弾 ロッキン仏堂編」が公開されており、10月22日には「第3弾 鴨川ランニング編」が公開予定だ。

由緒ある寺院の攻めた企画は、ネット上で「めっちゃ攻めてる」「『ナムイ』って何だよ」「いい意味で弾けてる」「温故知新」「キャッチャーなノリは割と嫌いじゃない」「ポップすぎて今すぐ行きたい」など、話題になっている。

「より多くの人に縁を」とスタート

担当者によると、知恩院では2016年春のライトアップから「聞いてみよう!お坊さんのはなし」を始め、その年の秋のライトアップからオープニングイベントとして3日間「おてつぎフェス」を開催しているという。

「聞いてみよう!お坊さんのはなし」は、より多くの方へ仏教とご縁を結んでもらいたいという素直な思いから始まりました。

親しみやすいお坊さんが前に出ることによって、お寺へ行ってみたいという気持ちを持っていただけるのではないかと考えたからです。

「おてつぎフェス」は、より若い層へも活動を届けたいという思いがあったので、お寺にあまりなじみのない「フェス」という名前を用いました。2018年は青年層へ向けて、祭典らしい人選を意識しました。

2017年の秋のライトアップからはより多くの人に知っていただくため、PR動画を制作しています。知恩院へ足を運んでもらうために、親しみやすさを大切にしながら内容を考えました。

同院の挑戦は、知恩院、そして全国のお寺にお参りして欲しいというお坊さんたちの強い思いから始まったという。

2016年までは静止画(チラシやポスター)でしか広報できていなかったが、お寺として「今までにない働きかけがしたい」という思いがあったそうだ。

提供:知恩院

提供:知恩院

知恩院の僧侶が発案、柔らかく親しみやすく

イベントの内容や企画は、同院に僧侶として奉職しているライトアップ担当者と広報担当者が発案しているという。

ポスターチラシのデザインとホームページのデザインの原案は株式会社Autumnの肉村知夏さんに依頼。すべて大きな広告代理店などの協力は得ずに制作しているそうだ。

ライトアップのポスターは、祭典らしさを演出するため、躍動感のあるお坊さんを表現しました。

入口は柔らかく和やかに親しみやすく。でありながら、遊んでいるのではない。

難しいラインですが、お寺として行き過ぎてしまってないか、ギリギリのラインを見定めながら制作しました。

2018年はオープニングイベント「おてつぎフェス」期間中、各日先着500名にフェス限定のラバーバンドを用意したという。

お坊さんが身に着けるお袈裟をモチーフにしたデザインで、裏側にQRコードを印刷しています。そこから限定の特設ページに行き、特別な企画を楽しんでいただけるように考えています。

いずれも知恩院やお寺に意識を向けて欲しいという思いから企画しています。

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

PR動画では、クールなお坊さんの姿や、休日に何をしているかといった日常を紹介する。

お坊さんへの印象を柔らかくしてもらえるように意識しています。

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

伝統を重んじながら、新しいことに挑戦へ

新しい挑戦に抵抗はなかったのか?

知恩院は800年以上の歴史があり、伝統を重んじていかなければいけないのは言うまでもありません。

その気持ちを個々で持ちながら、「皆さんにお寺に来てほしい」という共通した思いのもとで、新しいことに挑戦していきたいと思っています。

チラシやPR動画に出演するお坊さんは、楽しんで出演してくれる人がほとんどだったという。

中には恥ずかしい、あんまり出たくないと言う者もおりましたが、お寺に来られる方々をお迎えしたいという気持ちは皆同じです。

周囲の人々からは、「聞いてみよう!お坊さんのはなし」に対して、「親しみやすい」「お話がきけて良かった」という意見が届いているそう。複数回お話を聞きに来る人もいるそうで、「お寺として大切にしている根の部分を直に感じていただければ」と思っていると話す。

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

出典:「知恩院 秋のライトアップ2018」ホームページ

「ナムい」は南無に由来する形容詞

インスタグラム企画にある「#ナムい」とは、どのような意味なのか?

「南無阿弥陀仏」の「南無」に由来する形容詞で、お寺や仏壇などにお参りして、感情が高まり、心が揺さぶられることをイメージしています。

あくまでも公式にある言葉ではありませんので、柔らかく受け止めてくだされば幸いです。

今回の「おてつぎフェス」にも出演する浄土系アイドル「てら*ぱるむす」のメンバーが2017年秋ごろから使い始めた言葉という。

「体感し、感動を持ち返ってほしい」

秋のライトアップではもちろん、新しい企画だけでなく、荘厳で幻想的な「三門」や「友禅苑」「女坂」などを拝観することができる。

国宝の三門は2年ぶりのライトアップ、特別公開だ(回廊のみ立ち入り可)。

提供:知恩院

提供:知恩院

提供:知恩院

提供:知恩院

提供:知恩院

提供:知恩院

提供:知恩院

提供:知恩院

実際にライトアップに来てもらった時に、一番立ち寄ってほしいのは「聞いてみよう!お坊さんのはなし」とアピールする。

知恩院に来ていただき、お坊さんの話を聞き、宗教的体験を体感し感動を持ち帰ってもらいたいという思いでいっぱいです。

そして、自身の家庭の宗教・お付き合いのあるお寺などに気付いていただくきっかけ作りのお手伝いをしたい。その一心ですので、気持ちとしてはまさに“攻めの姿勢”です。

皆さまをお迎えしたい気持ちはこれまでも、これからも途切れることはありません。今後も継続してさまざまな企画を考えていきたいと思っています。

提供:知恩院

提供:知恩院

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Text by 長澤まき

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