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死んだゾウと飼育員との思い出を解説する「天王寺動物園」の展示に心温まる

ゾウ舎の展示 提供:天王寺動物園

ゾウ舎の展示 提供:天王寺動物園

大阪市天王寺区の天王寺動物園が行う「ゾウ舎での思い出展示」について詳しい話を聞いた。

ゾウがいなくなったゾウ舎を公開

天王寺動物園では今年1月、アジアゾウのラニー博子(メス・推定48歳)が死に、同園で飼育するゾウがいなくなった。

同園は現在、普段は入れないゾウの飼育施設・ゾウ舎を見学できる「ゾウのお宅公開」を行っている。

提供:天王寺動物園

提供:天王寺動物園

飼育時の思い出を展示

ゾウ舎内には、ゾウを飼育していたころの思い出が掲示されている。

柵が変色した箇所は、この部屋にいたゾウが立ったまま柵にもたれて眠っていた跡だそう。よく見ると、ゾウの形に見える。

提供:天王寺動物園

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ゾウたちがグラウンドに出入りする際に通った通路。飼育員はゾウに挟まれないよう、必ず逃げ場を考えながら歩いたという。

提供:天王寺動物園

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ゾウのラニー博子の頭突きで千切れそうになり、新しく交換したワイヤー。

提供:天王寺動物園

提供:天王寺動物園

ラニー博子とは別に、かつて飼育していたゾウの春子は、物の構造を理解して分解できる器用さを持っており、ワイヤーの固定は試行錯誤したという。

提供:天王寺動物園

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他にも「ラニー博子がコンクリート床に穴を掘って埋め戻した跡」や「仲が悪かった春子とラニー博子が鼻で糞(フン)の投げ合いをしていた跡」など、数々の思い出が展示されている。

提供:天王寺動物園

提供:天王寺動物園

提供:天王寺動物園

提供:天王寺動物園

ネット上で「なかなかできない体験」「ゾウ飼育の歴史が全部詰まっている!」「スケールが違ってて、おもしろい」「思い出にあふれてた」「ゾウたちがいなくなったのは寂しいですが、逆手に取った考え、素敵です」「飼育員さんのコメントが最高」「こんなん泣くやん」と話題になっている。

苦肉の策で考えた案

業務主任の西村慶太さんに詳しい話を聞いた。

—–どのように発案したのですか?

班のミーティングで、皆で発案しました。

ナイトZooにおいては飼育担当各班が担当動物を活用し、何かしらのイベントを行います。

当班はゾウ以外では鳥類しか担当していないのですが、鳥類は夜間休息を取るためナイトZooの時間帯は非公開としており、ゾウ亡き今は他にできることがないことから苦肉の策で考えた案です。

掲示する解説は、私、担当班業務主任の西村が書きました。

—–ゾウ舎公開にあたり、こだわった点は?

自由に見学していただくことです。

ゾウの生前も舎内の見学会は何度も実施しているのですが、安全対策上、私たち飼育担当が一行を案内するツアー形式でしか実施できませんでした。

ゾウが不在となることで自由に散策していただくことができました。

提供:天王寺動物園

提供:天王寺動物園

ゾウと過ごした日々は、毎日が驚異の連続

—–ゾウたちとの思い出で、特に印象的で心に残っているものは何ですか?

ゾウと過ごした日々は、毎日が驚異の連続で一言では表現できません。

驚異的な破壊力と超緻密な器用さに日々圧倒され、知能の高さや精神構造の深さに日々に教育され、動物を飼育しているというよりは一つの種族を相手に仕事をしている感覚でした。

ゾウとの日々は、同園の情報誌「なきごえ」で「新米ゾウ係糞闘記」として紹介していたという。

▼ゾウのラニー博子

提供:天王寺動物園

提供:天王寺動物園

スケール感を楽しんでいただけたら

—–展示はいつまで行う予定ですか?

ナイトZoo開催期間のみです。ナイトZooは10月の土日祝日、ゾウのお宅公開は17:30~19:30、最終入場は19:00になります。

—–将来的に、新しいゾウを飼育する予定はありますか?

動物園としては飼育を継続するために導入に向けて頑張っています。

—–来園者へのメッセージをお願いします。

来舎された皆様がそれぞれ感じられたままでいいと思います。

ただ、ゾウを飼育する施設のスケール感や、我々飼育担当が遭遇した驚き、それに難儀した苦悩で少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

▼ゾウの春子

提供:天王寺動物園

提供:天王寺動物園

Posted: |Updated:

Text by 長澤まき

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