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“寝たきりの患者さん”目線で描いたマンガが感動的!現役ナースの作者が込めた思いとは

ズルカン@新人ナース応援!/Twitter

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寝たきり患者さんの目線に立った漫画について、著者の中山有香里さんに話を聞きました。

「患者さん目線を忘れないよう描いた漫画」が話題

看護師兼イラストレーターとして活動する中山有香里さんが、著書「ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術」の公式Twitterアカウント(@zurukan2018)に投稿した、「患者さん目線を忘れないように描いた漫画」が感動的だと話題になっています。

主人公は90歳のネコじぃ。寝たきりで話すことも笑うこともできず、家族も遠方にいるので、ねこじぃの世界は真っ白な天井と、たまに見える病室内の風景だけです。

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そんなある日、寝たきりで反応も返せない自分に積極的に話しかけてくれる看護師さんが現れます。

声も出ず、リアクションもできませんが、病室内の様子は伝わっていて、体の手入れをしてもらった日はとても気持ちが良いようです。

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ベッドに寝たまま久々の外出へ。漫画はこんなメッセージで締めくくられます。

動けないし、しゃべれないし、笑えないけど、ちゃんと見えて聞こえている 生きている

満開の桜の花の下で、ネコじぃは何を思ったのでしょうか。

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同漫画はネット上で「涙がでました」「話せなくても認知症が進行していても、その人は人生の先輩」「こうやってケアしてくれている方がいるという事を知れて良かった」など話題に。

投稿には「つい忘れがちなこと。忘れてはいけないですね」「声掛けは決して無駄ではないと分かり、涙が止まりません」「明日からもっと笑顔で話しかけなきゃな!」「私も初心を忘れず頑張ろうと思います」「ぜひこの画像でOJTしたいです」など多くの反響が寄せられています。

自分自身が忘れないために漫画に

この漫画を描いた中山有香里さんに詳しい話を聞きました。

中山さんは2009年に看護師国家試験に合格し、同年から大学病院に勤務。

2014年からはクリニックにて勤務をしながら看護師兼イラストレーターとして活動しており、今年2月には「ズルいくらい1年目を乗り切る看護技術」を出版。現在も看護師をしながら執筆活動を行っています。

今回の漫画は、自身が寝たきりの個室の患者さんと関わる時に、黙々と作業のようにケアしてしまったり、声掛けができていなかった部分があったと反省し、患者さん目線を忘れないように描いたそうです。

—–詳しい経緯を聞かせていただけますか?

自分が病棟で勤務していた時に、寝たきり患者さん以外にも数名患者さんを受け持っていました。自分の受け持ち患者さん以外にも、チーム全体として動いているため、自分の業務以外にも行うことはたくさんありました。

日々、忙しく業務をこなす中で、寝たきり患者さんに対して、自分自身が淡々と処置や看護ケアを行っていて、声かけもきっと忘れて、反応のない患者さんに処置を行ってしまっていたことも多々あったと思います…。

ケアが終われば、定期的に病態が変化がないか全身状態やオムツ内やドレーン類、点滴類の確認、体位変換に行くのですが、それも淡々と行っていて「患者さんへの声かけ」は果たしてできていたのか…と今でもわからないです。

漫画では、ベッドで散歩を行っていましたが、それも現状ではなかなか簡単には行けない状態。でも、「相手は聞こえている。分かっている。」という意識で声かけと丁寧な対応を自分自身が忘れないために漫画にしました。

—–この漫画で、誰にどのようなことを伝えたいですか?

ツイッターで漫画を描く際に、ある看護師さんから「毎日意思疎通のできない患者さんを受け持っているが、反応はなく、会話も成立せず、ルーティンワークの中で自分のやっていることは看護なのか」と相談をいただき今回の漫画を描くに至りました。

どこの病院や病院以外の看護師さんも、日々多忙で業務をこなすことでいっぱいだと思います…。

きっと「もっと患者さんにこうしてあげたいけど、現状ではなかなか難しい」ということもあると思いますが、「声かけも大事な看護で、患者さんは反応がなくても、看護師さんの声を聞こえて受けとっているのでは…」ということを日々忙しく働いている看護師さんたちに伝えたかったです。

ズルカン@新人ナース応援!/Twitter

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—–漫画からは、ひたむきに患者さんに向きあおうとする思いが伝わってきます。日々の看護業務の中で「大切にしていること」は?

どの患者さんにもそうですが、声をかけることは意識するようにはしています。

病院の中といえども、カーテンの中は患者さんの家のような感覚で、カーテンの中に入る時、出る時、挨拶では何度関わっていても名前を名乗る、交代の時も交代することを告げる。目を閉じていても、反応がなくても話しかける。何をしようとしているのか声をかけてから体に触れる。などは行うように意識しています。

(とは言っても、きっと多忙な時は声かけを忘れていることもあると思います…)

「看護師の働く環境が少しでも良い方向に」と応援

中山さんの著書(ズルカン)は、新人ナースが看護師1年目を乗り切るための技を手書きでまとめたイラストノートを書籍化したものだという。

書籍の公式Twitterも「新人看護師としてがんばっている皆さんを応援します!」がコンセプトだ。

—–新人看護師を応援する理由は?

私の新人時代は、要領が悪く、毎日先輩に怒られ過ごしていました。

その中で、唯一褒められた思い出があるのが自分のためにわかるようにまとめた「メモ帳」でした。

毎日、膨大な覚えることがある新人看護師さんに、私とは違って少しでも要領よく過ごしてもらえるように「自分が新人の時に欲しかった看護技術本」を作りました。

SNSでは、新人看護師さんだけでなくすべての看護師さんに向けた「あるある漫画」や「新人看護師さんが少しでも救われるようなツイート」を行い、誰かが少しでも心が軽くなれるように活動しています。

ズルカン@新人ナース応援!/Twitter

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—–最後に著作に込める思いとビジョンを教えてください。

「ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術」を読むことで、私のような毎日泣いて過ごす看護師さんが1人でも減るように願っています。

Twitterでは新人看護師さんへの励まし・応援はもちろんのこと、先輩看護師さんたちも読んで明るくなれるように、看護師さんの働く環境が少しでも良い方向に向かうようになれば…と思っています。

Posted: |Updated:

Text by 長澤まき

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