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本当に小学生が書いた「全児童フォント」が話題!6700字、制作期間5年の超大作のウラ側を聞く

出典:「たぬきフォント」ホームページ

出典:「たぬきフォント」ホームページ

小学1年生の手書き文字を基に作成した「全児童フォント」について、制作者である「たぬきフォント」管理人のたぬき侍さんに話を聞いた。

小1の手書き文字をベースにオリジナル漢字も

フォントを制作・公開するサイト「たぬきフォント」がこのほど、小学1年生の児童が実際に書いた手書き文字をベースに作成した、オリジナル漢字が盛りだくさんの日本語フォント「全児童フォント(フェルトペン)」を公開した。

漢字約1000字を収録した無料版、約6700字を収録した有料版の2種類。

無料版には小学校で習う教育漢字に加えて、第2水準漢字など収録対象外の漢字も収録されているが、それらはもれなく「黒いソフトクリーム」が上乗せされて表示される。

同サイトの説明では「おそらく児童のいたずら書きかと…おそろしや」ということだ。

出典:「たぬきフォント」ホームページ

出典:「たぬきフォント」ホームページ

縦書きも可能で、ホラー的な表現や、弱々しさを表す表現にも利用できるという。

今回のリリースは「フェルトペン」バージョンだが、将来的に「鉛筆」「チョーク」「クレヨン」バージョンの追加も予定しているそうだ。

出典:「たぬきフォント」ホームページ

出典:「たぬきフォント」ホームページ

ネット上で「ほっこり」「素敵フォント」「地味に便利なのでは」「最高に面白そう」「無料版だと、小学校で習わない漢字がグシャグシャなアレになるのめっちゃ可愛い」「これで企画書を書いて提出してみたい」と話題になっている。

「ようじょふぉんと」完全版を目指す

たぬき侍さんによると、以前にも子供の字をテーマにしたフォント「ようじょふぉんと」を作成したことがあるが、「ひらがな」しか収録していなかったため、カタカナや数字、漢字を収録した完全版を作りたいと思ったのが、全児童フォントを作成したきっかけという。

小学1年生だった自分の子供にフォントとして収録する7,000文字分の原稿を作ってもらいました。

その原稿をスキャンし、私がPC上でトレースし直しながら誤字を修正、フォント作成用のソフトに一文字ずつ取り込んでいきました。

制作に取り掛かってから完成するまで、5年かかったそうだ。

実際に5年間ずっと取り組んでいたわけではなく、1カ月ほど作業しては飽きて放置し…というのを何度か繰り返していました。実際に作業したのは半年程度だと思います。

「できるだけ忠実に」と「読みにくいけどちゃんと読める」が両立するように気をつけて作成したつもりです。

本来であれば、すべての文字を完全に忠実に再現したかったのですが、子供の原稿には誤字も多く、忠実すぎると本当に読めなくなる字もあったので…。

提供:たぬき侍さん

提供:たぬき侍さん

2010年からフォントづくりをスタート

たぬき侍さんは、2010年からフォント制作を始めたという。

年賀状の一言コメント欄を手書きで書くのが面倒だったことから「自分の筆跡のフォントを作ればいいのでは?」と考えて作ったのが最初のフォントです。

完成したフォントを軽い気持ちで公開したところ予想外にたくさんの反響を頂いて調子に乗り、フォントづくりをするようになって今に至ります。

これまでに複数のフォントを作成・公開している。

【たぬき油性マジック】

最初に作った、油性マジックを使って作成した手書きフォントです。

提供:たぬき侍さん

提供:たぬき侍さん

【ようじょふぉんと】

『全児童フォント』の前身となったひらがなフォントです。全角カタカナ、半角カタカナにも筆跡違いのひらがなを収録しています。

提供:たぬき侍さん

提供:たぬき侍さん

【エセナパJ】

普通に入力するだけでいわゆる「中華フォント風表現」ができるジョークフォントです。

『エセナパJ』(esenapaJ)というフォント名は、Japanese(日本語)を逆さから読んだものになっています。

出典:「たぬきフォント」ホームページ

出典:「たぬきフォント」ホームページ

これからも「隙間ジャンルのフォント」を提供

たぬき侍さんは、作成したフォントをフリー(無料)もしくは安い値段で提供している。

フリーまたは安価にすることで、少しでも多くの人に使ってもらいたい…という気持ちが半分ですが、もう半分は「高い値段で売るほどの自信がまだない」というのが正直なところです。

今後もっと勉強して、優れた製品としてのフォントを自信を持って作れるようになりたいな、と思っています。

出典:「たぬきフォント」ホームページ

出典:「たぬきフォント」ホームページ

フォントづくりに込める思いを、こう話す。

最近は日本語フォントの種類もかなり増えてきましたが、海外のフォントの多彩さに比べてその数はまだまだ少ないと感じています。

フォントづくりを通して、微力ではありますが日本語の表現力UPに少しでも貢献できればいいなと思います。

これまで同様、大手のフォントベンダーさんが作らないような隙間ジャンルのフォントを皆様にご提供できるよう、今後もがんばります!

Posted: |Updated:

Text by 長澤まき

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