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「宗教は会社員に役立つ」一般家庭出身のお坊さん・吉田武士さんがカレーで布教活動に取り組むワケ

カレー坊主@吉田武士(僧侶Lv.8)/Twitter

カレー坊主@吉田武士(僧侶Lv.8)/Twitter

仏教に親しみを持ってもらおうとカレーを通じた活動を展開する自称「カレー坊主」の吉田武士さんに詳しい話を聞いた。

「宗教は会社員にすごく役立ちます」に大反響

カレー坊主@吉田武士(@bushi_yoshida)さんが投稿した宗教に関するツイートがネット上で話題になっている。

「宗教は会社員の皆さんにすごく役に立ちます」として、上司に飲みに誘われた時や、休む時、結婚について嫌味を言われた時などに「すいません宗教上の理由で…」という返事を紹介するツイートだ。

Twitterユーザーから「まさに神ワード、いや仏ワード」「完璧やん」「八百万の神が居る日本では、この使い方は最強かも」「クリスマスも怖くないですね」「ヤバイ、出家したくなってきた」など多くのコメントが寄せられ、約5万のいいね!を得ている。

カレーを通して仏教を身近に

吉田さんは長崎県在住の浄土宗の僧侶。

一般家庭出身のお寺を持たないサラリーマン僧侶として、「カレーという国民食を通して、お寺や仏教、お釈迦様をもっと身近に」という思いの下、地域のコミセンや商店街で「いきなりカレー」というイベントを開催したり、袈裟をモチーフにした「袈裟エプロン」を発案して地元の若手作家と共に開発したりなど、様々な活動を行っている。

提供:カレー坊主・吉田武士さん

提供:カレー坊主・吉田武士さん

シンボルとして「カレー」に着目

吉田さんは小学生の頃から寺院併設の空手道場に通っており、その時に指導を受けた空手の師匠が現在勤めているお寺の住職で、仏道の師匠なのだそう。

僧侶になった経緯をこう振り返る。

大学卒業前に進路相談をした際に「僧侶」という道を示していただきました。

大学生の頃の私は「僧侶=坊主丸儲け」という言葉しか知りませんでした。そして職業として僧侶の道を歩み始めました。非常に不純な動機でした。

僧侶になった後、家族のことで苦しく辛い思いをした時期があった。その時に吉田さん自身が仏教によって救われ、「仏教って素晴らしい」と心から身に染みて感じたのが布教活動を始めたきっかけだという。

僧侶として多くの人に仏教に触れてほしい―その目標を達成するにはどうしたらいいかを考え、「仏教には子供から大人まで親しみを持てるクリスマスやハロウィンのような国民的な行事が必要だと」と思い至ったそうだ。

お盆やお彼岸はどことなく暗いイメージになりがちと考えて、お釈迦様の誕生日である4月8日の「花まつり」に目を付けた。

宗派を超えて、お祝いムードで明るく取り組める行事であることが大切です。それを盛り上げるためには、やはりシンボルとなる「食」が必要だと考えました。

お釈迦さまや仏教といえばインド、インドといえばカレーです。ご存知の通り今や国民食となったカレーも仏教もルーツはインドです。

さまざまな国の風土や文化に合わせて変化していったカレーの様相は、まさに仏教そのものが広がっていった歴史を表すのにも最適でした。

カレーで食卓を囲み笑顔になるように、仏教で多くの方が笑顔になれば素敵だなと思ってこの活動を始めました。

提供:カレー坊主・吉田武士さん

提供:カレー坊主・吉田武士さん

宗派を超えた「カレー好き僧侶の会」を結成

吉田さんは「全国カレー好き僧侶の会」の代表も務めている。

Facebookを通じて全国各地から、曹洞宗・浄土宗・日蓮宗・真言宗・天台宗・浄土真宗の若手僧侶が宗派を超えて集まり結成した会で、現在8名の会員がいるという。

今年11月には、全日本仏教青年会の有志と開発した、肉・卵・乳製品・白砂糖・化学調味料を使わずに、野菜やスパイス、昆布や味噌など日本の伝統調味料でつくったからだに優しいカレー「ほとけさまのやさしい精進カレー」を発売した。

このカレーは貧困問題の解決を目指す「おてらおやつクラブ」を支援しており、売上の一部は同クラブに寄付されるという。

「ほとけさまのやさしい精進カレー」を使ってどのようにカレーの輪を広げていくかを模索しています。

twi精進カレー

カレー坊主@吉田武士(僧侶Lv.8)/Twitter

カレーを通して仏教を広めるというアプローチについて、お寺や地域の人たちからは賛同する声が寄せられているそうだ。

誰にでも大人気なカレーを通して、多くの方に「カレー一緒に食べましょう」「なんでカレーですか?」のように会話や関係性が生まれたことが嬉しい変化です。

お寺関係者や一般の方も含め多くの方に賛同をいただき、カレーの香りのように「カレーと仏教」というイメージが自然と広がっているように感じます。

提供:カレー坊主・吉田武士さん

提供:カレー坊主・吉田武士さん

「カレーといえば仏教」という文化が生まれれば

今回話題になった「仏教は会社員の皆さんにすごく役に立ちます」というツイートは、次のような思いを込めて投稿したという。

宗教は怖い、気持ち悪い、危険だ、などのイメージは根強いです。しかし、私たちは物事を判断するのに何かしらの価値観や意味を持たなければ生きていけません。

その価値観を与えてくれるものが宗教です。そういう意味では誰でも宗教を自分の中に持っているはずなんです。

現代では私も含め多くの人がコスパや効率、経済優先の価値観を抱いています。

それ自体を否定するわけではありませんが、知らず知らずに持ち合わせた価値観や答えのないような意味探しで苦しんでいるのではないでしょうか。

そんな私たちの有様を見直すきっかけになればと思い投稿しました。(かっこよく言えば)

(簡単に言うと、「宗教って誰にでもすでにインストールされてますよ。気づいてください。」というのが一番の狙いですね)

カレー坊主@吉田武士(僧侶Lv.8)/Twitter

カレー坊主@吉田武士(僧侶Lv.8)/Twitter

「仏教を広めるぞ!」と気負わずに、自分自身が楽しめるようにゆる~く活動していると話す。

「クリスマスと言えばケーキ!」というように、「仏教といえばカレー!」「カレーといえば仏教だね!」という雰囲気や文化が生まれていけばいいなと思います。

仏教興隆のため、とりあえずは4月8日を盛り上げたいと思います。

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Text by 長澤まき

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