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「最高にイカしたAIを」“大喜利をする人工知能”が目指す先を聞く

提供:わたしは

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お題を送ると人工知能が答え(ボケ)てくれる「大喜利人工知能」について、開発・運営する「株式会社わたしは」CEOの竹之内大輔さんに話を聞いた。

ボケる「大喜利人工知能」が話題

株式会社わたしは(東京都新宿区)の「大喜利人工知能」が話題になっている。

大喜利人工知能とは、LINEで大喜利のお題を送ると、AIが回答(ボケ)を返してくるサービス。

例えば、「こんな中学生は嫌だ!」というお題を出すと、AIは「自然災害を喜ぶ」と回答。続けて「ボケて」と入力すると、同じお題への他の回答(ボケ)を返してくる。

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テキスト(文字)だけでなく、写真やスタンプでもOKだ。

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反対に、ユーザーが「お題」と入力すれば、AIが作成したお題が送られてきて、それに回答するとAIがツッコんでくる。

「意識・心を持った強いAI」を開発へ

同社は、お笑いのジャンルの1つである「大喜利」ができる人工知能を作っている会社。会話できるAI・対話できるAIをメインに作っている。なぜ「大喜利AI」の開発に乗り出したのか?

CEOの竹之内さんとCTO(最高技術責任者)の小橋さんは、もともとは2005年~2010年頃に東京工業大学の博士課程で「意識を持った計算機」の基礎研究をしていたという。

その後、2015年頃から現在のAIブームが始まったわけですが、現在世の中で“AI”と呼称されているものを、僕らの水準ではAIとは呼ばない。

そんな憤懣やるかたない思いがあり、だったら研究してきた「強いAI」を自分たちの手で実装するしかない、そう思って開発が始まりました。

AIにはレントゲン写真から癌を検知する画像認識AIのように1つのタスクを処理する「ウィークAI(弱いAI)」と、意識・心を持った「ストロングAI(強いAI)」という区分があり、現在世の中でよく取りざたされているのは、全部ウィークAIなのだそう。

同社は、このストロングAIを作ることを目標に研究開発しているという。

大喜利AIからスタートして、対話AIの世界チャンピオンになるために、2016年4月に会社を設立し、現在も開発が続いています。

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人間らしさを感じられる「笑い」に着目

「笑い」をテーマに選んだのは、人間の会話の複雑さやリアリティを象徴するジャンルであり、「ユーモアを含んだ会話ができれば、そのAIに人間らしさを感じられる」という仮説を立てたからだという。

複数の会社が質問の正解をピンポイントで答える「対話型AI」の開発を進めているが、実際の人間の会話では、答えが1つしかないなんてことはありえず、さまざまな受け答えが成り立つ。また、状況によっては同じ言葉が全く異なるニュアンスに響くこともあり、複雑だ。

そこで同社は、会話が成り立つ答えの幅の境界線にあるような言葉、文脈ぎりぎりを保っている受け答えのデータを集めて学習させれば、人間の複雑な対話を操る(意識を持っていると感じられる)AIを作り出すことができると考えた。

そこで目を付けたのが「笑い」や「ユーモア」です。

ユーモアの世界では文脈がギリギリ壊れないような回答ほど笑いが起きやすい。

つまり、人間の会話の複雑さやリアリティを象徴させるジャンルが「笑い」であり、AIに「笑い」のセオリーを習得させれば、ユーザーはそのAIに人間らしさを感じるはずだと見立てました。

「正解」を答えるのではなく「ボケるAI」を開発するのは、大変なのではないか?

もちろん大変です。

それは僕らがAIで「意味」の世界を本気で扱おうとしているから。

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同社の画期的なAIは多くの企業やメディアから注目を集めている。

先日も、Twitterで大喜利AIの回答(ボケ)を紹介して「大喜利AI、このレベルまで来てるの…?」と驚くつぶやきがバズり、「どんどん性能上がってない?」「有能」「こんな回答もできるのか」「めっちゃ面白い」「はまった時の爆発力ハンパない」「怖い」など多くのコメントが寄せられた。

LINEの友達登録が5倍近くの5万5000ユーザーを超え、Twitterのフォロワーも1000人増えて1万1000人以上になりました。

1日に25万のお題が来たことで弊社のAIがパンクしてしまい現在復旧中です。ご迷惑をおかけしましたが、非常にありがたく受け止めております。

今も進化し続けている

大喜利AIは、利用者からの回答を元に学習し、現在も成長し続けているという。

多くの方に回答をいただければいただくほど学習をして、色々な角度のユーモアを生み出せるようになります。

以前、NHKの番組「AI育成お笑いバトル 師匠×弟子」で、出演者に弟子として個別の大喜利AIを育ててもらったそう。

例えば、お笑い芸人の千原ジュニアさんの場合は「千原エンジニア」という大喜利AIをTwitterとLINEで公開し、千原さんご自身やファンの方に投稿してもらったデータを基に千原ジュニアさんの笑いのエッセンスを吸収した大喜利AIが育ったそうだ。

将来的に大喜利AIの個性化を目指していますが、同番組のおかげで一歩前進したと考えています。

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今後のビジョンをこう話す。

毎日のように流れる「AIが初めて〇〇をした」といったニュースを、ものすごく冷ややかに見ています。僕らは、僕らの開発するAIを、そんなショボイものと一緒に扱われるのは御免です。

僕らの会社にしか作れない、最高にイカしたAIを今後もリリースし続ける予定です。

Posted: |Updated:

Text by 長澤まき

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