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楽器流通の“三方良し”を目指せ―バイオリンの奏者と職人が始めたシェアサービス「atsumari」がスタート!

提供:atsumari

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世界中の人々と楽器をシェアできる新しいサービスについて、「合同会社atsumari」に取材した。

個人間楽器シェア「atsumari」

合同会社atsumari(東京都千代田区)は12月上旬から、世界中の人々と楽器をシェアできる個人間楽器シェアリングサービス・atsumari(あつまり)の提供を始める。

楽器を利用したい人と楽器の持ち主、楽器職人をつなぎ、楽器をシェアするシステムだ。

楽器利用者は、オーナー(出品者)が登録した情報を元に楽器を選択。発送先やシェア期間(最短1週間)、価格交渉、質問などをやり取りし、双方が取引内容に納得した時点で支払いを行い、楽器を受け取る。

シェアリング期間後は楽器をオーナーに返却、または延長依頼や買い取りを行う。

取引終了後に互いの対応や楽器に対する満足度の相互評価をすることで、双方の信用が蓄積され、次回以降取引しやすくなる。

提供:atsumari

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利用者とオーナーと楽器職人に三方良し

同サービスにより、楽器の利用者は自分に合った多様な楽器をリーズナブルな価格で気軽に利用することが可能に。

コンクールなど一定期間だけ特定の楽器を使いたい、成長に応じて楽器をサイズアップさせたい、試奏してから買いたいなど様々なニーズで活用することができる。

楽器のオーナーは自宅に眠っている楽器を利用して副収入を得ることが可能となり、楽器職人にとっては幅広いユーザーに職人技を体験してもらうチャンス拡大が期待できる。

提供:atsumari

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楽器を取り巻く状況を解決すべく開発

同社は中学時代からの友人であるCEOの木附篤人さんとCOOのカポラリ真亮さんが共同で設立した。

木附さんは学習院大学大学院で経営戦略・ブランド戦略を研究し、経営学修士(MBA)を取得。幼少期より現在までバイオリンを嗜んでいるそうだ。

カポラリさんは日本の大学を卒業後、Chicago School of Violin Makingに留学し、卒業。バイオリン製作とともに、アメリカとアジアで弦楽器の売買等を行っている。

個人間の楽器シェアリングサービスを開発したのは、楽器を取り巻く現状を解決する必要があるとの思いに駆られたからだという。

これまでの調査やディーリング、楽器製作に携わった経験によって、現在の楽器販売業界には売り手と買い手の間にショップやディーラーが介在しているため、双方に多額の差が生じていることが分かりました。

このことから、職人はバイオリン製作だけでは生活していくことが困難という現状とともに、買い手としても買値相応のクオリティーの楽器を入手する手段が確立されていない現状です。

一般消費者を対象とした調査結果に基づくと、過去に楽器を習ったことがあるものの、現在は遊休資産と化してしまっているケースが見受けられました。

一方で、楽器には挑戦してみたいものの、価格などを起因としてなかなか挑戦できない一般消費者も顕在しています(日本国内において楽器への挑戦願望は全人口の7割が有する)。

シェアリングプラットフォームを提供することによって、これらの課題を解決したいと考えました。

▼CEOの木附さん

提供:atsumari

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コミュニティ機能で業界を活性化へ

同サービスの展開にあたり、特にこだわっているのは出品者枠に「楽器職人」を採用している点だという。

共同設立者であるカポラリがシカゴバイオリン制作学校に在学していた頃に、在学生の意見調査を行ったところ、卒業後はリペア職人として続けていくのと同時に、「楽器製作も続けていたい」「奏者とも繋がりたい」という意見が多くありました。

このことから、今までになかった職人と奏者が繋がれるようなユニークなサービスを提供することにしました。

同サービスには、プロフィールページを作成して楽器職人と直接つながることで楽器や楽器職人の情報が得られるなど、利用者同士が交流できる「コミュニティ機能」が設けられている。

利用者様の中には、これから音楽を始めてみたい方、好きな音楽について語り合いたい方、職人同士の意見交換の場を必要としている方等、音楽人同士の繋がりを求めている方々がいらっしゃると想定しております。

こうした方々のために、全体公開され、会員であればどなたでも投稿が可能な交流の場を提供することにいたしました。

atsumariが作った公式コミュニティの他、利用者自身でアカウント登録後にコミュニティを作成し仲間を募り交流することが可能となります。

利用者同士が交流することで、業界の活性化も期待できるという。

▼COOのカポラリさん

提供:atsumari

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海外との取引も可能

日本国内だけでなく、海外の人とも楽器をシェアしあえるのか。

当サービスは、世界中から良い楽器が集まっているアメリカを取り入れることで、利用者同士の了承の上、海外の取引も可能なサービスとなっております。

今後はさらにアメリカ以外の国にも対応していく予定です。

サービスの性質上、日本とアメリカ以外の国であってもサービスリリース時点でご利用いただくことは可能となっております。

同サービスについて、海外の楽器職人や楽器指導者からも賛同の声が多数届いているそうだ。

将来的には音楽のスキルや場所のシェアも

同社は「音楽をより身近に、気軽に」「楽器職人を育てる」「音楽人同士のコミュニティを作る」をミッションとしている。

これらのミッションのもとに、atsumariによってこれからの音楽業界を盛り上げられたらと願っております。

さらに、これから職人になる方、すでに職人として活躍されている方へ、職人個人のブランドを作れるような環境、奏者との直接的な繋がりを広げられるような環境を構築できたらと思っております。

今後のビジョンをこう話す。

楽器だけでなく、奏者同士による演奏スキル、職人同士による製作スキルを活用したスキルシェアも展開できたらと考えております。

また、ピアノやドラムなどの持ち運びや発送が困難な楽器の場合、所有者と演奏者をマッチングし、その楽器がある場所をシェアするといった、スペース&モノのシェアも展開予定です。

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Text by 長澤まき

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