シェア

人間側からロボットに近寄るように―元プロレスラーの社長が「ロボット専用アパレルメーカー」を設立したわけ

ROBO UNI ロボットユニフォーム/Facebook

ROBO UNI ロボットユニフォーム/Facebook

ロボット用アパレルブランド「ROBO-UNI(ロボユニ)」を展開するRocket Road株式会社(福岡市)の代表取締役・泉幸典さんに取材した。

福岡にあるロボット専用アパレルメーカー

さまざまなロボットの公式衣装を手掛けるロボット専用アパレルメーカー・Rocket Road株式会社は、最先端の素材と高度な縫製技術を活用し、ロボットシステム開発会社との連携による実験データから生み出した独自設計が強み。

これまでに、カフェなどのショップで着ることを想定したPepperの衣装や、RoBoHoN販売2周年を記念して製作したスーツなどを制作。2018年6月には、東京・渋谷で史上初のロボットファッションショー「ロボコレ2018」を開催した。

提供:Rocket Road

提供:Rocket Road

元プロレスラーの代表が立ち上げ

泉幸典さんは、大学の仏教学科で禅宗を学び、卒業後はデパートのショーウインドウ等を手掛ける空間ディスプレイの会社で空間デザインの製作管理を経験した。

その後、子供の頃から憧れていたプロレスラーに転身したという。

2年ほどして、ホテルユニフォームメーカーで執行役員を経験。日本のユニフォームの価値を広めるため、単身、シリコンバレーを拠点にして米国に進出。退職後、日本のアパレル技術で未来を創造しようと、同社を設立し、ロボット専用アパレル事業を始めた。

2014年頃から頻繁にサンフランシスコのシリコンバレーを訪れ、多くの素晴らしい方々に出会い、刺激を受けてきました。

現地を訪れた際、今後世の中に出てくるロボットが本当に社会実装していくのだろうかと想像した時、外見上の個性がないロボットにとって、服というものは人間にとっての服が果たす役割よりも大きいのではないかと考えました。

システムでロボットにプログラムされた機能を、“ユニフォーム”という視覚的認識記号で表すことができると、世の中の人から取扱説明書なしにロボットを活用してもらえる可能性が大きくなるだろう、というアイデアを想起しました。

以降は少しづつ製作を始めていき、ロボットの衣装が「ロボユニ」として世の中に本格的に発表されたのは、2015年。大手銀行のPepper衣装を発表したという。

それをきっかけに多くのロボットメーカーと提携し、さまざまなメーカー公式衣装を製作するようになったそうだ。

ROBO UNI ロボットユニホーム/Facebook

ROBO UNI ロボットユニホーム/Facebook

ロボットが快適に稼働できるよう開発

ロボットの衣装はどのようにつくっているのか。

まずはロボットメーカーと提携し、互いの技術情報を開示することで、ロボットに最適な衣装の共同開発を行っていきます。

ロボットが抱える懸念点を、ロボユニが持つ設計の特許などを駆使し、製品開発を行います。

人間用の衣装づくりとの大きな違いは、着用するロボットから「心地いい」とか「苦しい」などの反応を、人間のようには貰えないことだという。

その問題を乗り越える為、独自の検証項目に沿って検証実験を行い、データ化することで、ロボットがオーバーヒートすることなく、快適に、稼働できるよう開発していきます。

このように安全性・快適性を保証できるようになるまで性能を高めることで、ロボットメーカーが公式でロボユニをリリースすることができるようにしています。

服を着たロボットが当たり前になる社会に

衣装づくりにあたっては、ロボットがロボユニを着用することで、“裸の時以上に人間たちに愛されるようになる”という点にこだわっていると話す。

デザイン上のかっこいいやかわいいは個人の好みの部分も大きいので、人間たちと共存するために愛されるロボットになってくれるかどうかが一番大切です。

人間がロボットに愛着を持ち許容していくことで、ロボユニの衣装は、人間側からロボットに一歩でも二歩でも近寄っていけるような関係性を実現するための媒体となりたいと考えています。

出典:Rocket Roadプレスリリース

出典:Rocket Roadプレスリリース

同社は、生み出すアイデアや技術によって人とテクノロジーの心の距離を近づけることをミッションの1つとしており、「人の豊かさをロボットと共に。」という理念・ビジョンを掲げている。

ロボットに一度服を着せると、脱がせた時に「裸だ」という感覚になります。

ロボットが裸であることに、多くの人が違和感を自然に持つようになり、服を着たロボットが当たり前になる社会になっていくことで、アパレル業界の新しい市場創出や、未来の職業の選択肢としてロボットアパレルが選ばれるような社会を目指したいと思います。

Posted: |Updated:

Text by 長澤まき

Ranking

All Categorys Ranking総合ランキング