シェア

空港で「麻薬探知犬」の訓練に協力すると…?名古屋税関に詳しく聞いた

提供:名古屋税関

提供:名古屋税関

空港で行われている麻薬探知犬の訓練について、名古屋市の名古屋税関に取材した。

探知犬の訓練に協力した体験談が話題

麻薬が国内に入ってこないよう、空港や税関などで活動している麻薬探知犬。

日本では1979年にアメリカ税関の協力を得て2頭を導入したのが始まり。現在では全国の税関に約130頭の麻薬探知犬が配備されているというが、日常生活ではあまりお目にかかることがない。

その訓練では一般の人が協力を依頼されることがあると分かり、ネット上で話題になっている。

あるネットユーザーが先日、Twitterに空港で麻薬探知犬の訓練への協力したという体験談を投稿した。引き受けて協力したところ、犬が印刷されたカードをもらえたそうだ。

提供:名古屋税関

提供:名古屋税関

同ツイートはネット上で一躍話題となり、「初めて知りました」「どんな訓練だったのか気になりました…」「私も協力したい」「レアカード」「欲しい」など、多くのコメントが寄せられている。

匂いを付けた布などを嗅ぎ当てる訓練

名古屋税関の広報担当者に詳しい話を聞いた。

—–どのような訓練を行っていたのですか?

海外から到着された旅客の協力を得て、麻薬類の匂いを付着させた布などを入れたカバンなどを旅客に持っていただいたりカートに乗せていただいたりして、他の旅客と一緒に並んでいただき、麻薬探知犬がそのカバンを嗅ぎ当てるというような訓練を行っていました。

実際に密輸が行われる現場において、同じようなシチュエーションを想定(再現)した訓練を行うことにより、麻薬探知犬の能力維持と意欲高揚が期待されるそう。

訓練にあたっては、旅客の衣類等に匂いが移らないように配慮し、また麻薬類の現物を使用した訓練は行っていないという。

—–一般人に訓練に協力してもらうのは、よくあることなのですか?

麻薬探知犬の探知能力を維持する上で重要ですので、海外から到着された旅客の協力を得た訓練は、なるべくたくさん実施するよう心掛けています。

ただし、麻薬探知犬が活動する時間帯、便名などはあらかじめお知らせしていませんし、訓練を行うか否かの決定も当日の現場の状況に左右されます。

提供:名古屋税関

提供:名古屋税関

訓練していたのは、ベテラン犬2頭

名古屋税関は愛知、岐阜、三重、静岡、長野の5県を管轄している。

麻薬探知犬は中部国際空港(通称セントレア)を拠点として、主にセントレア内の入国する客、携帯品、輸入貨物、国際郵便物の検査を行う。管内の他の海港、空港に出張して検査をすることや、学校からの要請に応じて薬物乱用防止教室などの場でデモンストレーションを披露することもあるそうだ。

麻薬探知犬には検査の方法別に、スーツケースや箱、郵便物などを検査する「貨物検査対応犬」と旅客の身辺や手荷物を検査する「旅具検査対応犬」の2種類がいるという。

今回、空港で訓練を行っていたのは、旅具検査対応犬のミルとケイスケ。

ミルは2012年12月生まれの元気で活発なメスのラブラドール・リトリバー。ケイスケは2014年2月生まれの、やんちゃで元気いっぱいのオスのラブラドール・リトリバーだ。ともに数年の経験を持つベテラン犬である。

▼ミル

提供:名古屋税関

提供:名古屋税関

▼ケイスケ

提供:名古屋税関

提供:名古屋税関

神出鬼没で協力依頼されたら大当たり

訓練に協力した人がもらったという「麻薬探知犬カード」について聞いた。

—–どのような目的で作ったのですか?

第一の目的は、訓練にご協力いただいた旅客に対する麻薬探知犬チームからの謝意を、ささやかながら“かたち”で残していただくことです。

観光、出張など渡航目的は様々でしょうが、帰国の際、旅の最後の1ページに麻薬探知犬の訓練に協力したという記録を“かたち(カード)”で残していただければ…との思いを込めています。

第二の目的は広報活動です。

税関では密輸取締強化のため広報活動にも力を入れており、配布しているカードの裏面には、表面の写真にある麻薬探知犬のプロフィールのほか、税関へのご意見・お問合せ窓口(税関広報広聴室)、税関密輸情報窓口(0120-461-961)を記載して、税関に対するご意見や密輸に関する情報の提供をお願いしています。

—–訓練に協力した人だけが貰えるのですか?

訓練にご協力いただいた方だけにお渡ししています。

訓練協力者の選定は、入国検査場(スーツケースなどの荷物を受取るエリア)において麻薬探知犬チームの当日のリーダーが行っていますので、旅客ご自身から訓練協力の意思を申し出ていただいた場合には、お断りする場合がございます。

—–他に配布している場所・イベント等はありますか?

麻薬探知犬は神出鬼没です。

基本的にはセントレアにて活動していますが、どこの海港、空港で検査や訓練を行うかは、あらかじめお知らせすることができませんので、帰国時に活動していたら“小当たり”、訓練協力を依頼されたら“大当たり”です。

当たる(カードをゲットできる)かも!?と期待しながら、そっと見守ってください。

麻薬探知犬が登場するイベント等は、名古屋税関ホームページにイベント情報を掲載していますので、そちらでご確認ください。ただし、旅具検査対応犬が登場するかどうかは当日のお楽しみです…。

イベントで旅具検査対応犬がデモンストレーションをする場合も、見学者の中から数名の人に協力してもらうという。

その際、空港での訓練と同様に、麻薬類の匂いを付着させた布などを入れたカバンを持ってくれた人にカードを渡すことがあるそうだ。

提供:名古屋税関

提供:名古屋税関

—–最後に、麻薬探知犬の訓練や活動に込める思いを教えてください。

税関においては「安全・安心な社会の実現」「適正かつ公平な関税等の徴収」「貿易の円滑化」という3つの使命を遂行すべく、日々、業務に取組んでいるところですが、麻薬探知犬は麻薬類を探すことにより、安全・安心な社会の実現に大きく貢献してくれています。

自動車が定期的なメンテナンスにより性能を維持するように、麻薬探知犬も定期的な健康診断で健康を維持し、繰り返し行う訓練により能力を維持・向上することができていますので、今後も、帰国される旅客の皆様にご協力いただく訓練を継続してまいります

そして、麻薬類の国内流入の阻止につなげていきたいと思います。

Posted: |Updated:

Text by 長澤まき

Ranking

All Categorys Ranking総合ランキング