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ガラス酒器で涼やかな青竹を再現…東京最古の老舗ガラス店が生む透明感の秘訣とは

提供:廣田硝子

提供:廣田硝子

清々しく涼やかな竹の雰囲気をそのままガラスにしたような酒器について、廣田硝子に取材した。

竹形の美しいガラス酒器

東京都墨田区錦糸町の硝子(ガラス)メーカー「廣田硝子」の竹をモチーフにした酒器が話題になっている。

古くから日本人の生活のそばにあり、器や水筒、羊羹や香辛料入れとして使われていた青竹の、清々しく爽やかな雰囲気をそのままガラスにしたような透明感を漂わせる。

「青竹 酒器三点揃大」は竹らしさが際立つ長片口と大きめのぐいのみがセットになっており、大きいサイズのぐいのみは吸い酢やお浸しの小鉢にも使えるそう。色が異なる「金竹」と「氷竹」の酒器やビールグラスもある。

提供:廣田硝子

提供:廣田硝子

ネット上に「お酒が美味しく飲めそう」「欲しい」「食器棚にあるだけで楽しそう」など、多くのコメントが寄せられている。

ガラスの持つ透明感・清潔感を活かして開発

廣田硝子は1899年(明治32年)に東京で創業した歴史あるガラスメーカー。

創業以来、ガラスの美しさに魅せられて一筋に歩み、同社にしかないものを丁寧に作り続けているという。

提供:廣田硝子

提供:廣田硝子

代表取締役社長の廣田達朗さんに話を聞いた。

—–「硝子の竹酒器」はどのように発案されたのですか?

2005年頃に商品を発表しました。

竹をモチーフにした商品は世にたくさんありますが、ガラスが持つ素材特性である透明感と清潔感を活かしました。かつ口元が斜めになっていることで注ぎやすさも含め、より竹だとひと目で認識されやすいように考えて作りました。

—–開発でこだわった点は?

前述したガラスの特性を活かし、内側に色を使ったり(内被せ)、日本文化に沿った竹の印象になるよう、竹の節目部分も含めてこだわりました。

透明感の秘訣は、ガラスの色を重ねる順番だという。

しっとりと落ち着いた緑色のガラスの外側に透明なガラスを重ねることで、この透明感を実現した。これを反対にすると色はもっと薄くなり、全部色ガラスだと透明感が色合いに負けてしまうそうだ。

提供:廣田硝子

提供:廣田硝子

手作りでしか作れないガラス食器を追求

同社はガラス製品の機械化による大量生産が主流になった現代でも、一貫して手作りでガラス商品を作り続けているという。

—–手作りにこだわる理由を教えてください。

ガラス食器は、東京の墨東地区の地場産業です。

江戸時代から続く地場産業ですので、より機械に頼らない、機械では生産できない、手作りでしか作れないガラス食器を追求し、手作りで作ることで、ガラス食器の良さを引き出せる商品づくりを行っております。

提供:廣田硝子

提供:廣田硝子

歴史と時代を超えて、世界中に魅力を伝えたい

—–人気・イチオシのガラス商品をご紹介いただけますか?

【大正浪漫硝子】

大正時代はガラス食器作りがたいへん盛んな時代でもありました。

当時の職人たちは、多くのガラス食器を生み出し、その中で、日本独特の製法である“乳白炙り出し製法”を生み出しました。

その当時の製法を引き続き行っております商品が、大正浪漫硝子です。乳白色で織り成す日本独特の紋様と、どこか懐かしささえ感じる商品です。

出典元:廣田硝子オンラインショップ

出典元:廣田硝子オンラインショップ

【招き猫】

廣田硝子として、戦後多くのガラス瓶を作っておりました。その名残で、ガラスの招き猫も現在販売しております。

出典元:廣田硝子オンラインショップ

出典元:廣田硝子オンラインショップ

—–ガラス製品づくりに込める思い・ビジョンを教えてください。

地場産業であることで、ガラス職人が作る中量生産のガラス食器を作っております。

作家による1つしか作らない芸術的なものでなく、機械で作る大量消耗生産品でなく、多くの方々にガラス食器の良さを実感してもらえる、そして生活の中で使える価格・耐久性の日本で作るガラス食器を生業としていることに誇りが持てる会社でありたいと考えております。

東京で一番古いガラス食器メーカーとして、江戸時代から続くガラス食器製法を歴史と時間を超えて、これからも日本の方々、そして世界にその魅力を伝えることができる会社でありたいと願っております。

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Text by 長澤まき

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