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「精進料理のハードルを下げたい」僧侶が“フレンチ精進料理”を作るわけ

提供:最明寺

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精進料理とフランス料理をかけ合わせた「フレンチ精進料理」とは、どのようなものだろうか。

川越のお寺で「フレンチ精進料理の会」

埼玉県川越市の最明寺(さいみょうじ)は6月2日(日)、肉を使用しない仏教の精進料理とフランス料理をかけ合わせた「フレンチ精進料理」の会を開催する。

腕を振るうのは、神奈川県箱根町の常泉寺で副住職を務める傍ら、オーベルジュ(宿泊設備付きレストラン)「グリーンヒルズ草庵」でフレンチシェフを務める折橋大貴さんだ。

今回は、川越市の地元の農家や埼玉県のブランド野菜「さいたまヨーロッパ野菜」とコラボした特別なメニューを提供する。

川越市の障害者支援施設が栽培する椎茸や地元農園のトマトとジャガイモ、さいたまヨーロッパ野菜の西洋野菜などを使用した、ここでしか食べられない限定メニューを味えるという。

「お寺から地域を活性化したい」という強い思いが込められた企画だ。

※5月29日時点ですでに定員に達し、申し込みは締め切っている。

提供:最明寺

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さまざまな縁でフレンチの道に

講師の折橋さんは曹洞宗の大本山・總持寺(そうじじ、横浜市鶴見区)で修行中に精進料理を習得。もっと人を喜ばせる料理を学びたいとフレンチの世界に渡り、「フレンチ精進料理」を開発した。

現在は副住職として、精進料理の朝ご飯を体験する「朝粥の会」や工夫したスイーツを食べられる「放課後禅喫茶」、出張精進料理教室などを開く。

どのような経緯で「フレンチ精進料理」を開発したのか?折橋さんに話を聞いた。

—–様々な種類の料理がある中で、フレンチの道に進んだ理由は?

一言で表すなら『縁』です。

たまたま立ち寄ったお店が人手を募集して、たまたまその時私は調理学校に通っていた。

そしてそこで食べた料理がとても美味しかったので、今もその店で働かせて頂いております。

名目上フレンチ精進料理と名乗っておりますが、こだわりがある訳ではありません。イタリアンや中華を作る時もありますし、教えることも教わることも多々あります。

誰かに振る舞う料理なら、美味しく作るのが一番ですので。

—–僧侶とフレンチシェフの修行を、それぞれどのくらい積んだのですか?

僧侶として、鶴見にある總持寺では3年半ほど修行致しました。

他にも地方僧堂へ短期で回ったり研修や派遣で大雄山やハワイの総監部に行ったり等、さまざまな所へ伺っております。

料理人としては現役で務めているので、今でも修行中です。ようやく4年目といったところでしょうか。

提供:最明寺

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身近な食材で家庭でも作れる料理を

—–フレンチ精進料理を作るにあたって、こだわっている点は?

教室をする時のみにですが、『会場近くのスーパーで買えるもので作れる』料理にできる限りしております。

また、特殊な調理器具はなるべく使わないようにしています。

教わったものの、ネットでしか手に入らない、機材がないでは、ただでさえハードルが高く見られがちな精進料理を作る気も無くなると思います。

家庭のキッチンで出来るような、親子で作れるような、そんな料理のレパートリーをこれからも増やしていきたいですね。

提供:最明寺

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人々の話の種になれば

—–フレンチシェフとお寺の僧侶という仕事には、何か共通点がありますか?

“人と人をつなぐ仕事“
“百点の回答が出せない職業“

これが第一に来ると思います。

どちらの仕事も基本に『人』が入る職業です。

レストランに行った時、そこの雰囲気が自分に合っていて隅々までもてなす用意が整っていたら、たまたま話したスタッフがとても印象が良かったら、もう一度行きたくなるのは人の性ではないでしょうか?

私は自分のお寺がそのような寺でありたいと思います。

ただ、その空間を作るにはそこで働く人の力がどうしても必要な訳で、個人でできることには限りがあります。

だからこそ料理人は別の店へ食べに行き、和尚さんは誰かに所作や知識を教わりに行くのだと思います。

自分に関わる人や組織が増えるのを現代ではしがらみと言ってしばしば敬遠するきらいがありますが、それも言葉を変えれば「縁」と呼べないでしょうか

提供:最明寺

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—–フレンチ精進料理に込める思いを教えてください。

そもそも精進料理には食材の制約はあっても、作るジャンルに規定はありません。

元が中国から来た外食産業な訳ですから、どの国の調理法で作っても問題はないのです。

今の時点で伝えたいことは、丁寧に作るということ。そして、精進料理というハードルを今より少しだけ下げることです

箱根という土地柄、ここには様々な世代、職種、国の人がいらっしゃいます。

休みを取ったサラリーマンが

引退した経営者が

修学旅行に来た学生が

長期休暇の外国人が

あるいはこの温泉郷で働く人が

そんな人が立ち寄った山寺で、こんなの食べたと話の種に使われるような、そんなところにここが育てられれば最高ですね。

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Text by 長澤まき

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