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街の落書きを「アート」に変身へ。東京・中目黒の壁にかわいいイラストを描くわけ

©️365ブンノイチ

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東京・中目黒(通称・なかめ)にある壁の落書きをアート作品に変身させていくプロジェクト「なかめエンノシターズ」について、制作するNPO法人365ブンノイチに取材した。

落書きをアート作品に変身させ街の名所に

今年3月、東京・渋谷の宮下公園にある長さ約200メートルの仮囲いに描かれた女の子と犬のストーリー仕立てのイラストが話題となった。

【記事】渋谷の仮囲いに描かれた「少女と犬の物語」が話題!全長200mに手書き、優しい絵柄に込めた思い

制作した創作活動チーム「365ブンノイチ」は、渋谷に続く企画として、中目黒にある80メートルに及ぶ壁一面の落書きをアートに変える「なかめエンノシターズ」に取り組んでいる。

この壁面があるのは交通量が多く、主要路線である東急東横線や東京メトロ日比谷線の車内からも見える一等地だ。それにも関わらず、落書きが放置されて新たな落書きを誘発する悪循環に陥っているという。

エンタテインメント性のある作品を描くことで、落書きを防止するだけでなく、新たな街の名所を創り出す地域密着型の文化プログラムだ。

©️365ブンノイチ

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半年以上かけて手書きで制作

作品は、365ブンノイチメンバーやポランティアらが手書きで制作。半年以上かけて徐々に完成させる。

壁面に描かれた落書きを消していったん無地にしてから、そこにあらかじめデザインしておいたイラストを鉛筆を使って忠実に下書きし、筆や刷毛で塗料を塗って作品を描いていく。

©️365ブンノイチ

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今年3月16日に制作をスタートし、5月25日、26日に第2期の制作を行った。

以降、隔月ペースで制作を進め、夏休み期間に子どもたちを含む地域の人々も制作に加わり、アートが完成する予定だという。

©️365ブンノイチ

©️365ブンノイチ

支え合う中目黒を表現

プロジェクトリーダーの田村勇気さんに、今回の作品づくりのこだわりを聞いた。

作品を見た方に、ほっこり優しい気持ちになって欲しいです。

デジタルの普及で便利になった世の中ですが、たくさんの人が毎日ストレスや悩みを抱えています。

電車からも見える場所ということもあり、毎日非常に多くの方がこの作品を目にすることになります。

今回のプロジェクトの作画監督には、「どーもくん」の生みの親でもある国民的クリエイター・ごうだつねおさんが就任。

壁面に描いている「なかめエンノシターズ」は、人知れず人々の日常を支えている人、「縁の下の力持ち」をモチーフに、たくさんの人、みんなで支え合っている中目黒を表現しているという。

誰もが縁の下の力持ちに助けてもらっているし、誰もが縁の下の力持ちとして人々を助けています。

この作品を通して、人に感謝し、自分を褒めてあげることで、少しの時間でもストレスから解放されて気持ちが楽になってくれれば、という気持ちで制作しています。

©️365ブンノイチ

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野外アートが受け入れられるきっかけに

現在、80メートルの側壁のおよそ半分が、落書きからエンノシターズに変身している。

作品は早くも通行人の撮影の名所になっているそう。さらに、同作品が登場してからピタリと落書き行為が止まり、地域の人が驚いているそうだ。

田村さんは同プロジェクトに込める思いをこう話す。

日本での屋外アート制作は、楽しさよりも圧倒的に苦労の方が多いです。

ヒト・モノ・カネの三重苦は当たり前。そもそも作品を描かせてくれる場所の確保という、スタートラインに立つことが難しいです。

今回、これだけ多くの方が目にするチャンスのある場所ということ、しかも落書きが変身し、街の厄介エリアを街の名所に変身させることができるという新しい価値感を示すことで、私たちだけでなく、多くの制作者の方が、もっと容易に作品を制作できるようになって欲しいと思います。

©️365ブンノイチ

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Posted: |Updated:

Text by 長澤まき

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