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「窓にカーテンを」野鳥の衝突を防止するカンタン対策を動物園が紹介

提供:京都市動物園

提供:京都市動物園

野鳥の衝突事故を防ぐために一般の人ができる簡単な対策について、京都市動物園に取材した。

「窓にカーテン」野鳥の衝突対策を紹介

京都市動物園の野生鳥獣救護センターがブログで、野鳥の衝突事故を防ぐために、窓にカーテン等をかけてほしいと協力を呼びかけている。

野鳥は危険を察知したら、それから逃れるために全速力で飛び去る。

その時、目の前に障害物があれば避けるが、障害物がないと思えばそのまま突き進み、窓ガラスなどに全速力で体当たりしてしまうのだそう。

軽傷なら回復できる場合もあるが、そうでない場合は、体を強く打つことで骨折や内臓損傷など、治療を続けても野生に復帰できなかったり、命を落とすことがある。

提供:京都市動物園

提供:京都市動物園/ぶつかって、くちばしが折れたツツドリ

カーテンで、景色の映り込みを防止

野鳥の衝突で多いのが、窓ガラスだ。

外より室内が暗い場合、ガラスだけでは下の写真のように外の景色が映りこんでしまい、野鳥が障害物に気がつかない恐れがある。

提供:京都市動物園

提供:京都市動物園/窓ガラスだけの場合

提供:京都市動物園

提供:京都市動物園/カーテンをかけた場合

しかし、カーテンを閉めるだけで映り込みが劇的に緩和する。

「ちょっとしたことで、野鳥の衝突事故が防げます。防犯にも役立ちますので、ぜひご協力をお願いします」と呼びかけている。

巣立ちの季節は、救護件数が増加傾向

京都市動物園の種の保存展示課・野生鳥獣救護員の阿部有沙さんに詳しい話を聞いた。

—–今回、ブログに衝突事故対策についての記事を投稿した経緯を教えてください。

窓ガラスの衝突事故は年間を通して最も多い救護原因です。

特にこの時期(5~6月)は、巣立ったばかりの幼鳥が上手く飛翔できずに事故に遭ってしまったり、時期に合わせて長距離を移動する渡り鳥が活発に活動する時期でもあるので、救護件数が増える傾向にあります。

—–衝突防止のためのカーテンについて、より効果の高い色や素材はありますか?

野鳥が窓ガラスに衝突してしまう理由は、窓ガラスの存在に気付くことができないためです。

窓ガラスが反射することによって草木や空があると勘違いし、全速力で衝突してしまいます。

カーテンの色や素材というよりかは、窓ガラスの反射を防ぐことが重要ですので、すだれやポスター、摺りガラス用のシートなどでも効果があります。

提供:京都市動物園/部分的に摺りガラスシートを貼ってみた窓ガラス

提供:京都市動物園/部分的に摺りガラスシートを貼ってみた窓ガラス

衝突した鳥を見たら行政・動物病院に相談

—–もし窓ガラスに衝突した野鳥を見つけたら、どうすればいいですか?

まずはお住まいの行政かお近くの動物病院にご相談頂ければと思います。

野生鳥獣にとっては人間も天敵のひとりです。

救護するほどではない軽症な個体であっても、人が触れることによってストレスを感じ、状態が悪化してしまう可能性がありますので、指示を仰いで頂くのが最善かと思います。

もし、夜間などの受付時間外に傷病鳥獣を見つけた際には、段ボールなどの箱に入れて頂き、安静にしてあげてください。

衝突により体温が低下している可能性が高いので、カイロやお湯を入れたペットボトルを段ボール内に設置し、様子を見てください。

提供:京都市動物園

提供:京都市動物園/窓ガラス衝突により搬入されたメジロ

野生鳥獣の救護は自然保護にも繋がる

—–野鳥の事故防止のために、他に私たちにできることはありますか?

当救護センターでは、人為的な影響により搬入される野生鳥獣が年間100件程います。

窓ガラスへの衝突に次いで多い事故が、ネズミやゴキブリ捕り用の粘着シートにひっかかってしまうケースです。

身動きが取れずに衰弱してしまったり、飛翔に重要な羽を損傷してしまいます。ネズミ捕りは屋内のみでの使用にご協力を頂くようお願い致します。

提供:京都市動物園/ネズミ捕りに引っかかって搬入されたスズメ(現在は救護対象外種)

提供:京都市動物園/ネズミ捕りにひっかかって搬入されたスズメ(現在は救護対象外種)

その他にも、車との交通事故や、捨てられてた釣り糸・針を飲み込んでしまうケースがあります。

動物注意の標識を見かけたらスピードを落とす、ゴミを放置しない、などの少しの気遣いで野生鳥獣の命を救うことができます。

提供:京都市動物園/釣り針が刺さって搬入されたダイサギ

提供:京都市動物園/釣り針が刺さって搬入されたダイサギ

提供:京都市動物園/ダイサギに刺さっていた釣り針

提供:京都市動物園/ダイサギに刺さっていた釣り針

—–野鳥の救護に込める思いを教えてください。

野生鳥獣の救護事業は単に怪我や病気を負った個体を治療することが目的ではなく、野生動物とどのように接していくべきかを伝える場所でもあると考えております。

野生動物は食べる・食べられるという食物連鎖の関係によって成り立っており、人の影響により生態系のバランスが崩れると予期せぬ弊害が起こる可能性があります。

野生鳥獣を救護することはただ単にその動物を救うだけでなく、自然全体を保護することへと繋がります。

そうして守られた自然はきれいな空気や水、安全な環境となって、私たち人間も恩恵を受けているのです。

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Text by 長澤まき

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