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美しすぎる和菓子「宵花火」が話題!フリーの和菓子作家・三納寛之さんにこだわりを聞く

「宵花火」と三納寛之さん 提供:三納さん

「宵花火」と三納寛之さん 提供:三納さん

美しすぎる和菓子が話題になっている、岐阜県在住の和菓子職人の三納寛之(さんのうひろゆき)さんに取材した。

美しすぎる和菓子「宵花火」

和菓子職人・三納寛之さんが作る和菓子「宵花火」がネット上で話題になっている。

「宵花火」は、花火が夜空に広がりはかなく散るその瞬間を捉えて形にした、三納さんの代表作の一つ。

包みぼかしという和菓子特有の伝統技法を用いており、カラフルな練り切りを少量の白練り切りで包んで中の色が透けて見える状態に。三角ベラという道具で32等分に線を入れて、特殊な細い棒で押して仕上げたという。

提供:三納寛之さん

提供:三納寛之さん

提供:三納寛之さん

提供:三納寛之さん

ネット上に「そっと宝箱に入れて、いつまでも見ていたいような美しさ」「ため息が出るほど美しい」「食べるのがもったいない」「2個買って1つ鑑賞用に…」など、多くのコメントが寄せられている。

フリーの和菓子作家・三納寛之さん

この和菓子を作った三納さんは、現在、お店も工房も持たずにフリーの和菓子作家として活動。教室を開いたり、時折実家の工場を借りてイベントに出店したりしてお菓子を販売しているという。

三納さんに詳しい話を聞いた。

—–和菓子職人になった経緯を教えてください。

愛知県瀬戸市の和菓子店の長男として生まれ、跡を継ぐために高校卒業後に修業に出ました。

修業明けに実家に帰ったのですが、売り上げもなく好きなこともやらせてもらえずで、「このままここにいても駄目になる」と思い、再び家を出ました。

その後、岐阜のお店で工場長として10年以上勤めましたが、会社と個人の思いが合わず、今年5月から独立してフリーの和菓子作家として活動しています。

提供:三納寛之さん

提供:三納寛之さん

疑問に思うことは何でも聞き、腕を磨く

—–和菓子の腕はどのように磨いたのですか?

修業時代からとにかく人の手元を見て疑問に思うことはなんでも聞いて知識を取り入れました。

いいモノやいい菓子をたくさん見るように心がけました。

中でも、素晴らしい師匠や先輩方と出会えたのは、自分の菓子人生において最高の宝です。

三納さんは修業時代から中部地区の和菓子研究団体「名和会」の技術コンテストで幾度も入賞・最優秀賞をとり、2012年には全国の技術コンテストで総合1位グランプリを受賞。

全国和菓子協会の「優秀和菓子職」にも認定されている。

2017年には、お伊勢さん菓子博に工芸菓子「瑞翔彩花」を出品し、工芸大賞を受賞。フランス、ドイツ、中国でデモンストレーションやセミナーなどを行ったという。

—–店を構えず、フリーの和菓子作家として活動している理由は?

本当はお店を構えたり雇われたりが業界の常識であったりセオリーなんですが、ネット通販の増加やSNSの普及など時代も変わって来ているので、自分しかできない何か新しいことができるのではないかと思い、今のところはお店を持たずに色々な活動をしています。

提供:三納寛之さん

提供:三納寛之さん

古くからあるが、どこか新しいお菓子を

—–和菓子のデザインは、どのように考えているのですか?

デザインは全く新しいものを生み出すのは難しく、和菓子の枠を崩してしまってもいけないので、はじめは先人たちのお菓子を参考に、そこに自分らしさを少し加えるように心がけています。

昔ながらの技法を取り入れつつ今の人達の心を惹き付ける、古くからあるんだけどどこか新しい、そんなお菓子作りができたらなと思っています。

—–和菓子をつくるにあたって、こだわっている点は?

箱を開けて一目見た時、口に入れたその瞬間、皆さんが笑顔になるお菓子になるように無駄は省いて手間は惜しまず。作りたい菓子のために1から道具を作ったりしております。

和菓子職人 三納寛之さん/Instagram

和菓子職人 三納寛之さん/Instagram

「自分のお菓子で笑顔の輪が広がれば」

—–三納さんが作った和菓子をいくつか紹介していただけますか?

【春告鳥】

うぐいすの別名です。緑に白をぼかした練り切りを薄い絹布巾に包み、絞り技法でしあげています。

提供:三納寛之さん

提供:三納寛之さん

【金魚】

シチリア産のオーガニックレモンの錦玉羹。幾層にも分けて流し合わせをして、水中を涼しげで優雅に泳ぐ金魚を表現しました。

提供:三納寛之さん

提供:三納寛之さん

—–和菓子づくりに込める思いを教えてください。

和菓子作りって人に夢を与える仕事だと思います。

優れたデザインのものは見ただけで人を笑顔にし、口にしてさらに笑顔がこぼれる、そんなお菓子を作っていきたいです。

僕のお菓子で皆さんの笑顔の輪が広がっていったら嬉しいです。

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Text by 長澤まき

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