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セカチューの行定監督が語った秘話「AD時代のイヤな先輩は香川照之」

行定勲Facebook

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21日放送のTBS『サワコの朝』に、映画監督・行定勲が登場。初めて映像作品を手がけた高校時代の秘話や、AD時代の先輩・香川照之とのエピソードを語った。

「GO」「セカチュー」のヒットメーカー!

行定監督は、2001年「GO」日本アカデミー賞最優秀監督賞、35歳で手がけた2004年「世界の中心で、愛をさけぶ」では、興行収入85億円の大ヒットを記録した日本映画界を代表するヒットメーカーだ。

行定が忘れられない青春時代の1曲は、バンドをやっていた高校時代に聞いていた佐野元春「SUMDAY」。この曲は、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の劇中にも使われているとか。
MC阿川佐和子「元々、熊本で産まれて、熊本で育って?
行定「そうです。18歳まで、高校を卒業するまで熊本で育ってましたね」
阿川「ちょうど、多感な時期に、将来のこととか、どうでもいいやって思ってたのに、悲しみとか喜んだりとか…」
行定「直面しましたね、いろんなことに。こういうことがリアルなんだな~って感じてた頃だった気がしますね。その時点で、僕が仲良くしていた友達が3人くらい亡くなっていて…」

高校2年生の時、仲良くしていたバンド仲間が病気で入院し、卒業前に亡くなった。また、小学生の頃にも、仲良くしていた友人が湖で水死したという。どちらも「衝撃的な出来事だった」と行定は語る。

行定「何かやってあげたいと思っても、やってあげられるものでもないから。あの感じっていうのが僕にとってはリアルなんですよね」
阿川「もどかしさのような?」
行定「ありましたねぇ。意外とこう、人と死に別れするっていうことが、ずーっと続いてるんですよね。人が亡くなるたびに、自分は取り残される。残された自分は、じゃあ、何をすればいいのかなって?どうしても、自分が作って来た映画の中で、人の死が描かれることが多いんですね。人が死んだ分だけ、映画が作れるって思うんですよね。彼らが、もっと生きたかったであろう気持ちをくみ取れるならば、それをなんとか引き受けて、なんもやらない自分じゃいけないだろうっていう気持ちになっている」

映像制作のキッカケは「好きな女の子」?

行定監督が初めて映像を撮ったのは、文化祭で「バンドのPVを撮ろう」ということになったのがキッカケなのだそう。
行定「女の子を撮れば画になるんじゃないかと思って。ファインダーの中にちょっといいなって思ってる女の子を自分だけで撮れるのが、映画だなって思ったんすよ。彼女は、いつもそんな顔して自分のこと見ないんですよね。でも、レンズを通せば見てくれるんですよ」

さらに、この経験から「お膳立てをすればやってくれる」ということを学んだという。冬のプールに飛び込んでもらうという撮影では、プラタナスの枯れ葉をたくさん集めて、それをプールに浮かべるという「お膳立て」をしたそう。
行定「カラフルでキレイでしょ?これだと飛び込んでくれる」
阿川「どんな心境なんでしょ?」
行定「僕らが、自分のためにやってくれたという気持ちが伝わったんだと思う。こういう設定を作れば、この人たちはやるんだ。こういう状況を作ってあげれば、気持ちよくそこへ入って来れるんだというのは、今でも考えますね」

高校卒業後、上京しTBSの中にあるドラマ制作の子会社へ就職し、ドラマのADとして働き始めた行定監督。
行定「今考えるとめちゃめちゃ面白かった。何が一番面白かったっていうと、僕のすぐ上のADさんが香川照之さんだったんですよ」
阿川「はい?」
行定「要するに、お母さんの浜木綿子さんから、香川さん東大出て『俳優になりたい』って言いだしたんですよね。で、『あんた、役者やりたいんだったら、裏方の仕事わかってやんなさいよ』って言われたんですよね。で、大学の夏休みの間にADとして入ってたらしいんですね。その下に僕が入って来た」
阿川「ほお~」
行定「だから、既に3週間くらい先輩なんですよね、僕より」
阿川「3週間、先輩」
行定「たった3週間だけですよ、今考えれば。でも、もう相当先輩っぽい感じで。スゴイやな人でしたね」
阿川「アハハハハ!」
行定「ハハハハ!やっぱ頭がいいから、言うことも。あんま、変わんないですよ。今、役者やってる感じと。憑りついている時のあの感じ、早口で」
阿川「半沢直樹の時の?」
行定「早口で、ウワァーと喋るじゃないですか?口あんまり開けないで」
阿川「で、目はなんかちょっとこう…」
行定「そうそう!もうね、厳しかったんですよ、なんか俺に。『弁当は重要だからね』とか言って。『うまいとこ、俺が教えるから。今から言うぞ』って、いくつか早口でバババって言うんですよ。『メモんなくていいの!俺、1回しか言わないからね!』って去っていく」
 厳しかった香川先輩との苦い思い出を「愛もあったんでしょうけどね」と行定は振り返った。

大ヒットした「セカチュー」は「大きな壁」

大ヒット作「世界の中心で、愛をさけぶ」は、10年経った今でも「大きな壁」だと行定は話す。
行定「あれだけ長いタイトルだから、ポスターとかに代表作を書く時、大体1個しか書けないんですよ。『あなたは<世界の中心で、愛をさけぶ>ですよ』と『世の中は、それであなたのことを知ってるんです』『これがなかったら、誰も知らないでしょ、あなたのことなんか』と、僕は言われているような気がするんです」

また、「自分が『いいでしょう』と思ってる自信作は、全然お客さんが入らず、むしろ、これはどうかな?自信ないな、悔いが残ってる、もっとやれたよなっていう作品の方が『スゴイ、いいね』って褒められる」と、行定監督は葛藤を語る。

阿川「それは、受け止められますか?『解る人間がいないんだ、この時代は』とか思わない?」
行定「思わないですね。次につなげようと思います。なぜ、ダメだったんだろう?と」
阿川「それは、分析するんですか?」
行定「分析しますね。そうしないと、次の映画を作れないです。『俺の時代が来てない』なんて言ってたら、永遠に時代はこないですから。だから、1個1個、次回作が代表作になるように、次の作品が『セカチュー』を超える作品になるように、僕の中で期待を込めて作ってる」
阿川「目標として?」
行定「はい、目標としてやるしかないですね。なかなか、興行収入というものがつきまとうと、そこは越えられないですね」

芦田愛菜は「やっぱり天才子役」!

行定監督最新作は、現在公開中の『円卓~こっこ、ひと夏のイマジン』。西加奈子の小説「円卓」が原作で、主人公の風変わりな少女・こっこを芦田愛菜が演じている。
阿川「芦田愛菜ちゃん、主演で。どうでした?」
行定「よく彼女のことを『天才子役』って言うじゃないですか?わりと簡単に言うなって僕は聞いてたんだけど、一言で彼女は何かって言うとしたら、やっぱり『天才子役』(笑)」

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Text by 夏木りお

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