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Instagram/Chris Salvatore

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2012年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でも公開された『Eating Out~ボクらのはっちゃけウィークエンド』をはじめ、アメリカの映画やテレビで活躍する俳優、クリス・サルヴァトーレさんのSNSで昨日、悲しいニュースが発表されました。

その知らせとは年の離れたルームメイトのノーマさんが亡くなったこと。

最初はただの隣人

ふたりの出会いは4年前。ロサンゼルスのウエストハリウッドに越してきたクリスさんに、向かいの部屋に住むノーマ・クックさんが手を振り挨拶したことがきっかけでした。

「ノーマの声は小さくて、遠くから話しかけることができなかったので、数日後、思い切って自宅を訪ねてみたんだ。それが運命の出会いさ。」とクリスさんは語ります。

ファッションや食べ物の話で意気投合したふたりは、その日から友人に。年齢や性別関係なく誰でも分け隔てなく接するノーマさんに、クリスさんはすっかり魅了されたそうです。

ひとりぼっちから親友へ

会話を重ねるうち、クリスさんはノーマさんが白血病による合併症に苦しんでいること、そして支えとなる身内がひとりもいないことを知りました。

そこで彼は、彼女の食事の世話や病院への付き添いなどできる限りのサポートをすることを決心。それから4年という歳月を過ごしてきました。

クリスさんのInstagramFacebookには、友人を交えてのパーティーや大統領選挙に出掛ける様子など、人生を再び謳歌するノーマさんの姿がたくさん写っています。

昨年から容体が悪化

しかしそんな幸せな日々は長くは続きませんでした。

89歳になったノーマさんの病状が悪化し始めたのです。

発作が起こり集中治療室に入ることが多くなった彼女はリハビリ施設に入院することになりますが、当時、社会保障でギリギリ生活していた彼女には、十分な治療を受けられるだけの資金はありませんでした。

そこでクリスさんは彼女を助けるためにクラウドファンディングで資金を集めることを思いつきます。

すると、クリスさんが以前からアップし続けていたSNSを見た人たちを中心に協力者が続々と現れ、最終的には77万ドル(日本円で約870万円)もの寄付金が集まりました。

家に帰ろう

自分はもう長くは生きられないだろうと悟ったノーマさんの希望はただひとつ。

愛猫のエルメスやクリスさんをはじめとする友人たちに囲まれて、最後の時を迎えることでした。

世界各国から送られてきた温かな心遣いのお陰で、ノーマさんは自宅に帰ることを許されます。

プロフェッショナル在宅ケアの助けを得た彼女は、亡くなる前の数か月間、本当に幸せな日々を過ごしたといいます。

友人たちとの楽しい会話に美味しい食事、大晦日のパーティーや数年ぶりの海を見に行くこと…彼女の願いはすべて叶えられました。

最後の言葉は「アイラブユー」

ノーマさんが亡くなったのはバレンタインデーが終わった1時間後。

その前の週末、彼女は最後の力を振り絞ってクリスさんの肩を抱いてキスをし、「アイラブユー」と伝えました。

そしてそれが彼女の最後の言葉になったそうです。

バレンタイン当日、クリスさんは箱いっぱいのキャンディーとチョコレート、そしてバラの花束を抱え「僕のバレンタインになってくれるかい?」とノーマさんに語り掛けました。

大好きな人とバレンタインを過ごしたい…それが彼女の最後の夢だと知っていたからです。

It’s with a heavy heart that I share the news that earlier this morning the world lost a truly inspiring, beautiful woman. Norma is now resting peacefully in the eternal and while she may no longer physically be with us, her spirit will continue to fill the hearts of so many people. Perhaps Norma’s lasting legacy is that her story helped the world to see the true meaning of love. Norma reminded me that we all are created to love and all desire to be loved. This year Norma has reminded us what Valentine’s Day is all about. To love another is not about living struggle free or never experiencing hurt or loss, but to fully and deeply open our hearts to one another without fear. Each of us is lovable even with all of our differences. Love has no boundaries. May you rest in peace my sweet sweet lady, Norma.

Chris Salvatoreさん(@chrissalvatore)がシェアした投稿 –

今朝早く、私たちはこの世からひとりの美しい女性を失いました。ノーマは永遠の眠りについたのです。彼女の姿が見えなくても、彼女の崇高な魂はきっと多くの人々の心で生き続けることでしょう。ノーマは愛というものの真実の意味を教えてくれたような気がします。私たちは皆、愛によって生まれ、愛されたいと願っていると。バレンタインデーの意味をこれほど深く知ることになるなんて…(中略)

僕の大切な人、ノーマへ。どうか安らかに。

ノーマさんの幸せそうな笑顔の写真と共に投稿されたクリスさんのメッセージには、世界中から2万4000件以上のいいねとコメントが寄せられています。

クリスさんが約1週間前に投稿したInstagramには「私たちは皆、隣人。隣人を愛せよ。」の言葉が。

世界が混沌とするなか、いまこれほど深く胸に突き刺さる言葉はないのでは?

年の離れたふたりの絆に拍手を。

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