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みんなの定番『牛乳石鹸』が再び注目を集めた理由は?

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こんにちは。ライターの濱中うららです。

連載「おしえて企業さん」第17回は、今年で発売から89年というロングセラー商品『牛乳石鹸』『赤箱』と、発売から68年目を迎える『青箱』をクローズアップ。

『牛乳石鹸』と言えば、牛マークのパッケージがトレードマーク。どこかレトロなデザインに昭和的な懐かしさを覚える方もいらっしゃるでしょう。

そんな『牛乳石鹸』が今、美容感度の高い女性たちの間で“レトロコスメ”として再注目されているんです!

創業から108年、ロングセラーとして愛され続ける理由とは?牛乳石鹸共進社株式会社マーケティング部の山本さんにお話を伺うことにしました。

明治時代に誕生

−−まずは牛乳石鹸の始まりについてお聞かせください。

『牛乳石鹸』という名称の固形石けんは、日本では明治時代から販売されていました。当初は問屋の商標を、石けん製造メーカーが請負生産するという形で作られていたんです。

その後1928年(昭和3年)に佐藤貞次商店から商標を譲り受け、当社が自社商標での製造販売を始めたのが初代の牛乳石鹸・赤箱になります。

過去のポスター/牛乳石鹸共進社株式会社

過去のポスター/牛乳石鹸共進社株式会社

牛マークについて

−−トレードマークの牛は商品名の“牛乳”からきているのでしょうか?

牛のマークは『牛乳石鹸』の会社としての精神を象徴しているものです。「商いは牛のごとく」には、前に進んでも後ろには退くな、ねばり強く前進せよ、という意味があります。

また牛は従順な性格で親しまれていることから、堅実な経営のもと、誰からも愛される製品を作り続けることを牛の姿になぞらえているんです。

牛のマーク/牛乳石鹸共進社株式会社

牛のマーク/牛乳石鹸共進社株式会社

やさしさのひみつ

−−海外製のカラフルな石鹸も普及するなか、牛乳石鹸がこだわり続けていることは?

石けんを作るにはいくつかの製法がありますが、『牛乳石鹸』では原料となる油脂を大きな釜で炊く“釜だき製法(けん化塩析法)”で石けんを作っています。

完成までに約1週間もかかる製法ですが、こうして丁寧に手作りすることで製造過程で油脂由来のうるおい成分が含まれ、肌あたりのやさしい素地ができるのです。

釜焚き製法/牛乳石鹸共進社株式会社

釜焚き製法/牛乳石鹸共進社株式会社

−−なるほど、手間をかけることで肌にもやさしくなるんですね。ちなみに『赤箱』と『青箱』の違いは?

簡単に言うと“しっとり派”と“さっぱり派”の違いですね。

赤箱はミルク成分のほかにスクワラン(うるおい成分)を配合しており、クリーミィな泡立ちでしっとりすべすべの滑らかな肌に洗い上げます。香りはローズ調の花の香りで洗顔にも使えますよ。

青箱はソフトに泡立つので、さっぱりすべすべのお肌に洗い上げたいという方に。ジャスミン調の花の香りも爽やかと評判です。

しっとり派向けの『赤箱』/牛乳石鹸共進社株式会社

さっぱり派向けの『青箱』/牛乳石鹸共進社株式会社

−−「プチプラなのに優秀な石鹸洗顔にハマってます!」といった声をよく耳にします。レトロコスメの代表格として注目されることについてはいかがですか?

ネットを中心に若い女性の方に話題にしていただくことが増えたと感じています。「泡立ちが悪いと思っていたけれど、しっかりした泡ができる」など、固形石けんのイメージが変わったという嬉しいご感想もいただきました。

保湿効果を高めた洗顔フォームに慣れている世代にとっては、「洗顔したら肌がツルツルになる」としっかりとした洗浄力が新鮮に受け取られているようです。

またお客様のなかには、衣装ケースに入れて衣服やハンカチに香りを移したり、新しい靴をおろした時、かかとがあたる部分に塗って靴擦れを防止するといった使い方をされる方もいらっしゃるとか……。

−−すれ違いざまに石鹸の香りがするなんて、素敵なお話ですね!

赤箱・青箱ともに、どなたにもお使いいただけるベーシックな石けんとして強すぎないやさしい香りにこだわっているので、香りそのものを気に入って頂けるのも嬉しいですね。

石けん本体/牛乳石鹸共進社株式会社

石けん本体/牛乳石鹸共進社株式会社

進化するパッケージ

−−パッケージデザインは何度かリニューアルされているんですか?

はい。2015年秋にパッケージデザインをリニューアルし、現在のデザインで11代目になります。公式サイトで「赤箱年表」としてパッケージの移り変わりを紹介しているのですが、初代パッケージに描かれた牛のイラストは、妙にリアルタッチでやや怖いと評判です(笑)

ちなみにこちらがその初代バージョン。ミ、ミルクが…!

1928年当時のパッケージ/牛乳石鹸共進社株式会社

1928年当時のパッケージ/牛乳石鹸共進社株式会社

−−確かに、これはリアルですね

はい(笑)ぜひそんなところもあわせて時代による変化をお楽しみください。

1968年(昭和43年)

“Beauty Soap”の文字が筆記体になり、モダンな印象に。

1968年当時のパッケージ/牛乳石鹸共進社株式会社

1968年当時のパッケージ/牛乳石鹸共進社株式会社

1994年(平成6年)

“COW”と牛マークが中心に。ここから現在のバージョンにより近いイメージに進化したようです。

1994年当時のパッケージ/牛乳石鹸共進社株式会社

1994年当時のパッケージ/牛乳石鹸共進社株式会社

時代にあった進化を遂げつつ、発売当初からの美しいセンスを生かし続けた『赤箱』『青箱』のパッケージは昨年、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞。

審査員からは「ロングライフデザインのお手本」という素晴らしい評も聞こえてきたそうです。

このほか『牛乳石鹸』では“お風呂の楽しみ方”や“正しい洗顔の仕方”など、石けんの良さを伝える地道な活動を継続して行なっており、公式サイトも“石けん愛”に溢れています。

『牛乳石鹼』のロングセラーを支える理由。それは長年の愛用者から新たなファンまで、すっぽりと“やさしさ成分”で包みこむ、その包容力にあるのではないかと思いました。

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