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大の男が泣く…Amazonの非情な職場環境が聞き取り調査で明らかに

flickr/Akira Ohgaki

flickr/Akira Ohgaki

世界最大のオンラインストア「Amazon」の裏に隠れた、非情ともいえる職場環境の一端が米国ニューヨークタイムズ紙の調査によって明らかになった。

米国シアトルにあるAmazon本社の社員100人以上を対象とした聞き取り調査の結果分かったのは、同社が社員に強いる激烈な競争と、「自分は落ちこぼれるかもしれない」という恐怖を利用した管理だった。

Amazon社員はサイボーグ

この調査によって、優秀な社員はAmazon社内で「アマボット(Amabots)」と呼ばれていることが分かった。(おそらくこれはアマゾンとロボットの合成語だろう)

このように呼ばれる理由は、「優秀な社員は会社のシステムと完全に一体化し、まるでサイボーグのようであるため」であると、調査に協力した社員たちは発言している。

大の男が泣く職場

人事部のある社員は、同社のポリシーを「ダーウィン主義を職場に応用した適者生存主義」と言う。生き残りを賭けた社員の競争は熾烈だ。

「同僚社員のほぼ全員が職場で泣いているのを、僕は見たことがある」とその人事部員は言う。

また、人事部で採用を担当する別の社員によれば、「仕事量が多過ぎてもうこれ以上できない、という壁にぶち当たった時に、上司から『その壁を登れ』と言われる」そうだ。

現在は転職して別の会社にいる元マーケティング部長は次のように言う。「会議室から出る時に、一緒に出て来る大の男が両手で顔をおおっているのをよく見た。私が一緒に仕事をした人間のほぼ全員が、一度はデスクで泣いていたよ」

同僚同士の密告を推奨

この調査で、同社社員の勤務時間は週80時間をゆうに超えているらしいことが分かった。真夜中過ぎに上司からメールが来ることも珍しくなく、すぐに返事しないとさらに催促が来るという証言もあった。

また、社員たちは同僚の仕事振りについて、facebookを通して上司に報告するようにと言われている。実際に送られているコメントは次のようなものだ。

「私は、彼(同僚)の柔軟性に欠ける点が気になっています。また彼は、『自分に与えられた仕事が小さい』と言って、周囲に不平をこぼしています」

革新は競争から生まれる

ニューヨークタイムズ紙の調査レポートは、「革新は競争から生まれる」というのがAmazonの考え方だと結論づけている。優秀な社員は給料が2倍になり、同社の株がボーナスとして与えられるとのこと。

その反面、1年以内に辞めて行く社員はボーナスの一部を返還しなければならず、2年以内に辞めて行く社員は転勤手当の一部を返還することになっている。辞めて行くとは、社内の競争に負けたことを意味する。

また、Googleをはじめとした多くのハイテク企業が社員食堂を無料にし、通勤交通費は全額支給しているが、Amazonでは通勤交通費でさえすべて自腹だそうだ。

Amazonからのコメントはなし

この調査レポートに対して、Amazonはコメントを控えているようだ。同社のある社員はブログで個人的に「この調査結果のある部分はまったくの偽りである」と発言し、ニューヨークタイムズ紙が「読者を釣る」ためにセンセーショナルに書いたとしている。

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