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インドの1000以上の学校で「幸福に関する授業」がスタート

Colin Tsoi/flickr

Colin Tsoi/flickr

インドの学校教育に、世界でも珍しい新教科が加わった。それは「幸福に関する授業」だ。

1000以上の学校で実施

インド・デリー市内の1000以上の小・中学校で、この夏から、幸福に関する授業が開始された。授業時間は30〜45分。インドの学校では数学や科学の授業に重点が置かれているが、この幸福に関する授業では、心身の健康を自己管理するセルフケアや、ストレス軽減などに役立つマインドフルネスについて教えるという。

学生のストレスを軽減するために

幸福に関する授業の導入を決定したインドの文部省は、この新授業が学生たちの間に蔓延する不安感やストレスを軽減してくれると期待している。

海外メディアによれば、インドの学校教育は学生たちにハイレベルの成績を要求し、優れた人材を生み出す一方で、多大な精神的ストレスを学生に与えているそうだ。

デリー市のManish Sisodia副市長は今回の幸福に関する授業の導入について次のように言っている。

「私たち(の教育制度)は、最高ランクの中でもさらに最高の能力を持つ人材を世界に送り出しています。ベスト・オブ・ザ・ベストのプロフェッショナルを産業界に送り出すことに成功しています。しかし、人間性という面で見ると、その教育制度はベストな人間を世の中に送り出してきたでしょうか?」

成績第一主義の教育制度

インドの教育制度は非常に厳しいと言われている。例えば、インド国内の一流大学に合格するには、テストで98%以上得点しなければならない。学校ではもっぱら成績評価とテストの点数が重視されるため、ストレスで心や体に異常をきたす学生の割合が増えていると、多くのメディアが報道している。

「もしインドで18年間教育を受け、優秀なエンジニアや公務員になれたとしても……」とSisodia副市長は言う。「その人が道にゴミを平気で投げ捨てたり、あるいは汚職や贈収賄に関わったりするようでは、その教育制度が上手く働いていると言えるのでしょうか?」

幸福を考えさせる授業内容

幸福に関する授業に教科書はなく、テストもなく、生徒への評価点もない。先生は、人に感銘を与えるストーリーや、過去の偉人をテーマにして生徒たちとディスカッションしたり、瞑想の中で個人個人の幸福を具体的に思い描く方法を教えるという。

メディアの取材を受けた11才の生徒は、新しく始まった幸福に関する授業の目的を見事に言い当てている。

「みんなハッピーに働かないといけないと思います。だって、悲しく働くのは、きっといいことじゃないから」

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Text by Sophokles

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