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両親を失った孫たちを養うため祖父母がクラシックカーを競売に→善意の入札ラッシュが起こる

EG Auctions -egauctions.com/Facebook

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カナダ・アルバータ州で9月1日、自動車オークションに1台のクラシックカーが出品された。その車が競りにかけられる理由を競売人が説明したところ、入札が意外な方向へ進んだ。

2人の交通遺児

今年3歳になるLiam Kerylukeちゃんと6歳の姉Arielle Kerylukeちゃんは、4カ月前に両親を交通事故で亡くした。今は祖父母と暮らす。

祖父母は幼い姉弟を温かく迎え入れたが、同時に、経済的な問題を抱え込むことになったという。姉弟には治療困難な耳の病気があり、そのための病院代と薬代が今後ずっとかかり続けるのだそう。

祖父のBen Kerylukeさんは言う。

「私はほぼ仕事からリタイアしていて、暮らすには困らないが、これからは2人の子供を育てていかなければならない。じゃあ仕事に戻ればいいかというと、66歳になった老夫婦が子育てと仕事を両立するのは難しい」

父母が残したポンティアック

子供たちの両親は1973年型のポンティアック・パリジェンヌを残していた。

よく手入れされたその車は、祖父母にとっても子供たちにとっても思い出深い大切な形見だった。しかし、経済的な問題を優先せざるを得ず、祖父母はそれを売ることに決めた。

3回買われ、3回寄付された車

遺品の赤いポンティアックは9月1日、自動車オークション「エレクトリック・ガレージ・オークション」に出品された。

競売が始まる前には、場を取り仕切る競売人が出品物にまつわる事情を説明するのだが、赤いポンティアックが出品されるに至った事情が語られ、競りが開始されると、思わぬ展開になった。

その10分間の様子が、エレクトリック・ガレージ・オークションのFacebookに動画で公開されている。

入札者から次々と声が上がり、値段がつり上がる。動画の7分15秒の時点で、車は2万9000ドルで落札される。だが、買い取った入札者は、その場で車をKerylukeさんたち遺族に寄付してしまうのだ。

そしてすぐさま競売が続けられ、動画の8分30秒あたりで、今度は3万ドルで落札。だが、その入札者も車を遺族に寄付した。

さらに競売が続き、最後には2万ドルで落札。その入札者もなんと車を遺族に寄付したのだが、「子供たちが思い出の車を所有していて欲しい」という希望があったため、競売は終了となった。

このオークションの主催者の1人、Lyndsay Payneさんは海外メディアの取材を受けて、その時の様子をこう語っている。

会場にいた人たちは、入札者たちの度量の広さに圧倒されていました。信じられないような成り行きでした。皆が歓声をあげていました。私はなんだか泣きそうになりました。競売人を務めていた社員のRodも、声を詰まらせていました。

私は長年オークションを開いていますが、こんなことを実際に見たのは初めてです。

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Text by Sophokles

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