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病気の妻がいるドーナツ店オーナーが早く帰れるように、客たちが閉店時間前にドーナツを売り切れにする街

Kara Finnstrom/Twitter

Kara Finnstrom/Twitter

地元のドーナツ店の店主を助ける地域住民の善意が、海外メディアで話題になっている。

米カリフォルニア州シールビーチにあるそのドーナツ店は、チェーン店ではなく夫婦で営む小さなお店だ。客たちは早い時間に訪れて、ドーナツを多めに買っていくという。

理由は、早く「売り切れ」にして旦那さんを帰宅させるため。家には病気療養中の奥さんがいる。

30年以上続くドーナツ店

30年以上続く地元のドーナツ店「Donut City」は、親密な温かい接客で多くの得意客に支持され、大手チェーン店に負けずこれまで30年間営業を続けている。

ところが、この店に最近、問題が起こった。

Donut Cityは、1979年にカンボジアから難民として移住して来たJohn Chhanさんと、奥さんのStellaさんが2人で経営。ドーナツのガラスケースの向こうに並ぶ2人の姿を、客たちは30年前から見慣れていたという。

ところが、最近になって奥さんのStellaさんが動脈瘤の緊急手術をし、自宅で療養しなければならなくなった。そのため、店から奥さんの姿が消え、店主のJohnさんだけに。

客たちは奥さんのことを、そして一人で店を切り盛りするJohnさんのことも心配した。

寄付金を断った店主

2人のために何かしてあげようと考えた客たちは、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」を利用して寄付金を募る相談をしたそうだ。

ところが、Johnさんは「お金が欲しいのでなく、時間が欲しい」と言って、その申し出を断った。Johnさんは、早く家に帰って奥さんの世話をする時間が欲しかったという。

協力して日々ドーナツを買い切る

Johnさんの望みを叶えるために、常連の客たちは、午前中に店を訪れ、いつもより多めにドーナツを買っているという。また、SNSで地域の人たちに呼びかけ、「どうせ買うなら1ダースで買おう」と呼びかけている。店のドーナツを一刻も早く売り切れにするためだ。

店が1日に作るドーナツの量は決まっているので、これで売り上げが増加するわけではない。だが、客が午前中に来て、しかもまとめ買いをして行けば、閉店時間より早く売り切れになる。おかげでJohnさんは、店を閉めて奥さんのもとに駆けつけられるようになった。

客たちが、お金ではなく行動で示したこの善意は、最初は地元メディアが報じ、その後、米国のメジャーメディアまでが取り上げるようになった。カリフォルニアのTVレポーターKara Finnstromさんは、個人のツイッターアカウントでもこの話を紹介している。

地域住民の助け合いを称賛するコメントも寄せられている。

(夫婦でやっているシールビーチで人気のドーナツショップで、ドーナツが売り切れ。その理由は、想像するよりずっと温かいもの)

(こんなふうに、困った人が必要としていることを助けてあげる。僕らの社会には、そういうことをできる人がもっと必要だ。Customers Buy Out Doughnut Shop Early Every Day So Owner Can Be With Sick Wife « CBS ロサンゼルスの記事)

(私たちの社会は大丈夫だ、と時々思える)

Stellaさんの容体について、Johnさんは「もう話もできるし、書くこともできる。今は自分の口で食事をし始めたところです」と語っている。

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Text by Sophokles

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