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AIで実在しない人の顔写真を違和感なく生成できるように…米企業が開発

Tero Karras FI/YouTube

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近年のAI(人工知能)の進歩はめざましく、ますますスピードアップしているようだ。

12月12日にアメリカの半導体企業・NVIDIAが公開した顔写真が、多くの人を驚かせている。リアルな顔写真は、誰の顔でもなく、AIが創作した顔だというのだ。【論文(PDF)

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ディープラーニングがここまで進化

NVIDIA社が公開した顔写真は、GAN(Generative Adversarial Network)というAIテクノロジーを用いて生成されている。

GANとはディープラーニングのアルゴリズムの一種で、2つのネットワークが切磋琢磨しながら成長するという「教師なし学習」の代表的モデル。日本では「敵対的生成ネットワーク」と訳されている。

今回の場合をごく簡単に言えば、顔写真をつくるAIと、その出来ぐあいを識別するAIが互いに競い合い、顔写真の精度を高めていった。

GANを用いて生成した顔写真は2014年から発表されているが、当時のものはピントのボケた不鮮明な白黒写真だった。今回NVIDIAが公開したものは、改良を加えたGANアルゴリズムが用いられており、その結果はあまりにもリアルで、本物の人間の顔写真と見分けがつかない。

顔をカスタマイズできる

AIが生成したこれらの顔は、別の顔とブレンドさせてさらにカスタマイズできる。顔の輪郭や目鼻口の特徴、肌の色や髪の色などを、別の顔写真から取り入れて、人為的にさらに新しい顔を作れるそうだ。もちろん、本物の顔写真2つをブレンドすることもできる。

悪用される危険性もあり

これだけリアルな顔写真を生成できるとなると、当然のことながら、他人(あるいは実在しない人物)に成りすました犯罪や情報の捏造に利用される可能性も出てくる。

海外メディアもその危険を指摘しているが、同時に、現段階でそれはないだろうとも言っている。なぜなら、NVIDIAの技術者が顔写真を生成するのに8台の超高速コンピュータを使い、1週間かけて数万人の顔をAIに学習させなければならなかったからだ。

現時点では高価なコンピュータと、最先端の専門知識がなければ、これほどリアルな顔写真は生成できない。

日本でも開発されている

実は、日本でも同じような仕組みで顔の画像をつくる研究成果が発表されている。

京都市左京区の株式会社データグリッドが今年6月に発表した「アイドル自動生成AI」は、実在するアイドルの顔写真を学習し、それを基に実在しないアイドルのリアルな顔写真を生成できる。

ちなみに、同社は7月にNVIDIA社のディープラーニング関連の新興企業を支援する仕組み「NVIDIA Inception Program」パートナー企業の認定を受けている。

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Text by Sophokles

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