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草や土を絵の具にして色鮮やかな壁画を描くインドのホームレスアーティスト

Jafar Chelary/YouTube

Jafar Chelary/YouTube

インド南部のケーララ州に、地元ではよく知られたホームレスのアーティストがいる。

彼は草の葉や土、炭などを絵の具にして、街中のコンクリートの壁に見事な絵を描いてしまう。

自然物を使って

ケーララ州コッラム市の住人たちは、彼をRajuと呼んでいるが、本名は誰も知らない。

薄汚れた服と伸び放題の髭は、市内にいる他の路上生活者たちと同じだが、このRajuさんには稀有な芸術的才能がある。汚れていないコンクリートの壁があればどこにでも、見事な自然の風景を描いてしまうのだ。

もちろん彼に、高価な画材を買うお金はない。だから、植物の汁や泥、炭、細かく砕いた鉱物など、自然物を絵の具代わりにする。

彼が街の壁に絵を描き始めると、周囲に人だかりができる。画家の道具とは思えない物から、見事な風景画が生み出されていく様子を、人々は驚きの眼差しで見つめる。

Rajuさんは8年ほど前からコッラム市街で絵を描き始めたらしく、FacebookやYouTubeにいくつかの動画が投稿されている。

動画の中で彼は、鷲掴みにした道端の草を壁に擦り付けて様々な緑を描き分け、黒や茶色を表現するために泥土を手で塗り付けている。黄色や青色は、岩などを砕いて作ったお手製の顔料を使って描く。

Jafar Chelary/YouTube

Jafar Chelary/YouTube

誰も素性を知らない

Rajuさんはどこから来たのか、どんな経緯で路上生活者となったのか、なぜ草や泥で絵を描いているのか——それは誰にも分からない。

Rajuさんに興味を持った海外ニュースメディアの記者の1人が、彼の素性について調べた結果を5月末の記事にしているが、彼には精神的な疾患があるようだと書いている。どこかでデザインと絵画の勉強をし、その後奇矯な行動をするようになり、家を出て行方不明になったらしい。

2011年には、家族の依頼を受けた地元テレビ局がニュース番組の中で、Rajuさんに関する情報を一般視聴者に求めているが、街中のあちこちに出没するRajuさんの普段の居所は依然として分からないそうだ。

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Text by Sophokles

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