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世界陸上5000mで異例のゴールシーンが生まれる

IAAF Athletics/YouTube

IAAF Athletics/YouTube

世界最高峰の陸上競技会である「IAAF World Championships(世界陸上競技選手権大会)」の初日だった9月28日、この日行われた男子5000メートル走の予選で、思いがけないことが起こった。

走れなくなったアルバ共和国の選手

ギニアビサウ共和国代表のBraima Dabo(ブリマ・ダボ/26歳)選手とオランダ領アルバ代表のJonathan Busby(ジョナサン・バスビー/33歳)選手は、5000メートル予選を走るラストの2人だった。他の選手はすでに全員がゴールしていた。

最終の直線コースに入ると、疲労のためか体調不良のためか、突然Busby選手のスピードが落ち、足取りがおぼつかなくなった。それを見たDabo選手は、自分もスピードを落とし、彼に手を貸して体を支え、ゴールまでの200メートルを共に走った。

IAAF(世界陸上競技連盟)が公開したYouTubeビデオを見ると、ゴールする2人を見守る観客の感動がよく伝わってくる。

ゴールすることに意義がある

Dabo選手は後に海外メディアの取材を受けて、こう話している。

彼(Busby選手)の走り方は、前屈みになっていて、普通ではありませんでした。ゴールまで行けないだろうというのは、見て分かりました。

その時、僕はもう自己ベストのタイムを出せないと分かっていたので、競技の本来の目的——最後まで走ること、の方を大切にしようと思ったのです。僕が考えていたのは、彼を最後まで走らせることでした。競技の意義はそこにあるのですから。

2人はこの時まで見ず知らずの仲だったという。だが、競技の後で親交を深める様子が撮影され、IAAFのツイッターに投稿されている。

互いに言葉が違って直接話は出来ないが、感謝するBusby選手が片言の英語でDabo選手のことを、「The biggest man with the biggest heart(一番大きな心を持った一番大きな人)」と言っている。

世界陸上競技選手権大会はカタールの首都ドーハで、10月6日まで開催されている。

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Text by Sophokles

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