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糖尿病の父のために化学者の息子が砂糖の代替品を安くする方法を開発

イメージ画像:AdobeStock

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今から数年前のこと。Javier Larragoitiさんは、メキシコの首都メキシコシティにある大学で、化学工学を学び始めたのと時を同じくして父親から「糖尿病と診断された」と報告を受けた。

当時18歳だったJavierさんは、これをきっかけにあることを心に決めた。

父のために代替糖の開発を決意

これからの自身の勉強を活かし、父のために安心安全な砂糖の代替品を開発しようと決心したのだ。

父は植物由来の甘味料であるステビアや人工甘味料のスクラロースを砂糖の代わりに使っていましたが、「まずい」といって食事療法には消極的でした。

ガーディアン紙の取材に対し、当時のことをこう振り返ったJavierさんは、ステビアやスクラロース以外の道を模索するように。

白羽の矢が立ったのは、ガムなどでよく知られる「キシリトール」である。

当初カバノキから発見された糖アルコールの一種であるキシリトールは、天然の代用甘味料として理想的。ただ生成にかかる高額な費用が壁となった。

キシリトールを安く抽出

そこでJavierさんは、誰もが気軽に使用できるようにと、安くキシリトールを生み出す術を考えた。

彼が目をつけたのが、メキシコ最大の農産物であるトウモロコシだ。廃棄されたトウモロコシの穂軸からキシリトールを抽出する方法を編み出し特許を取得。

従来よりも安くキシリトールを生成できるようになっただけではなく、これまで大量に廃棄されていた、2800万トンに及ぶトウモロコシの穂軸を再利用する道を切り開いた。

トウモロコシは廃棄の際に燃やされるが、その量が減れば、燃焼の際に発生する炭素の排出量も削減できるとしている。

事業は順調に拡大

Javierさんが起ち上げた事業「Xilinat」では、地元の13戸の農家から廃棄するトウモロコシを購入し、毎年1トンに及ぶキシリトール製品を生み出すことに成功。

同事業は、ビジネスを通して世界的な社会・環境問題解決に取り組むスタートアップ企業に贈られる「シーバスベンチャー賞」を受賞し、その賞金でさらに事業は拡大された。

生産規模は10倍となり、さらに10トン分の廃棄用トウモロコシの再利用につながった。

大学入学時に抱いた目標を見事にかなえ、着実に実績を上げつつ事業を拡大する若き化学者は、ここ数か月の間に複数の海外メディアで取り上げられるなど注目を集めている。

元は糖尿病の父のために始めた息子の研究が実を結んだことを、Javierさんのお父さんも喜んでいるという。

父は息子が作った代替糖を毎日食しているそうだ。

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