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混雑するバスで自己肯定感を高めるイタリア流の育児を目の当たりにした

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子供は大人の真似をしながら大きくなっていく。ままごとはその最たる例で、おもちゃの食材で料理をしたり、人形の世話をしたりしながら心を育み、できることを少しずつ増やしていくのだ。

そんな子供のごっこ遊びで、ほっこりとした場面を見かけたのでご紹介したい。

混み合う市バスに乗ってきた人形用のベビーカー

イタリア在住の筆者がその場面を見かけたのは、イタリア・ミラノの市バスの中。小さな人形用のベビーカーを押して乗ってきた女の子がいた。イタリアではバスや地下鉄など公共の交通機関を利用する際もベビーカーをたたむ必要はなく、そのまま乗り込めるようになっている。

ただ、人形用のベビーカーをそのまま乗せる光景はあまり見たことがない。さらに言えばその日は休日の夕方で、車内は比較的混み合う時間帯だった。

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どうするのかなと思ってみていたら、乗客のひとりが女の子にこんな声をかけた。

「どうぞシニョリーナ、あなたの場所はこちらだよ」

そう言って、車椅子やベビーカーを置くスペースへ女の子を導いたのだ。そのやり取りを見ていた他の乗客も、少しずつ詰めて女の子のためのスペースを確保していく。女の子は満面の笑みを浮かべてベビーカーを停め、恥ずかしそうに、でもしっかり「ありがとう」と言った。

自己肯定感を育むイタリアの子育て

イタリアの子育てを見ていると、子供のやりたいことを尊重していると感じる場面が多い。

忙しい中ではつい「おとなしくして」「いい子にして」なんて言葉で子供の行動を制限してしまいがちだが、イタリアでは子供の「したい」という意思を尊重し、そして褒めることで自己肯定感を育むことを大切にする。

「すごいね〜、なんてキレイな色で絵を描いたの!」

「お人形を抱っこしてあげてるの、やさしいね〜」

子供を連れて街歩きをしていると、そんな言葉を毎日のように聞く。

自分がいつも肯定されているせいか、イタリアの子供を見ていると意思はっきり持ち、そして他人に伝えられる子が多い。そして子供たちはそのまま大きくなっていくから、自分の意見や希望を相手に伝えるのがうまく、他人と議論しながら建設的に物事を進められるようになる。

「自主性」や「主体性」は自分のしたいことを貫き、実現していくために欠かせない。イタリアの子育てを見ていると、生きていく上で大切なことをしっかりと教えていると感じることが多々あるのだ。

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Text by 鈴木圭

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