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開業5カ月で100万人!新感覚ミュージアム「ニフレル」の秘密にふれる

ニフレル

ニフレル

2015年11月19日に大阪府吹田市の万博記念公園内に開業したミュージアム施設・NIFREL(ニフレル)。

開業からわずか5カ月足らずの4月9日に来館者100万人を突破し、その勢いは衰えを知りません。

動物との圧倒的な近さを実現した、同館の人気の秘訣を解明してみます。

「枚挙にいとまがない」100万人達成の勝因

ニフレル(小畑洋館長)は、大阪市で根強い人気を誇る水族館・海遊館を運営する株式会社海遊館が新設。

個性的な館名は、コンセプトの「感性“にふれる”」が由来です。

水族館や動物園の垣根を超える新しい分野として、「生きているミュージアム」をテーマに掲げます。

館内を7つのゾーンに分け、魚類にとらわれず、生き物たちがのびのびと動く姿やアート作品を展示しています。

小川を歩くカピバラ 提供:ニフレル

小川を歩くカピバラ 提供:ニフレル

開業から5カ月を経ずして100万人の大台に至った秘訣について、担当者は「複数の要因が重なった結果。数え上げれば、枚挙にいとまがない」と語ります。

親しみやすい館名や陸上動物を含む幅広い生物の展示、おしゃれなカフェなど、従来の生き物を展示する施設とは一線を画す目新しさが来館者に好評だといいます。

飼育技術やスムーズな来場者案内、「食べる水」といったオリジナル商品の開発など、海遊館で25年余り培った業務経験も生きているそうです。

オリジナル商品「食べる水」提供:ニフレル

オリジナル商品「食べる水」提供:ニフレル

檻なし、ふたなし、生き物なしのゾーンも

最も人気のゾーン「うごきにふれる」では、サルやペリカン、カピバラといった動物たちを檻でも柵でも囲んでいません。

お客さんのすぐ真横を通ったり、頭の上を飛んで行ったりと自由に動き回り迫力満点です。

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檻がない「うごきにふれる」 提供:ニフレル

ふたがない水槽が並ぶゾーン「すがたにふれる」は、光のドットが広がる天井の下で、あらゆる角度から不思議な体形の水中生物を見られます。

ふたがない水槽が並ぶ「すがたにふれる」 提供:ニフレル

このほか、アーティスト松尾高弘氏による自然の美しさを表現した「WONDER MOMENTS」など、生き物はおらず純粋にアートを体験できる場も設けています。

アート作品「WONDER MOMENTS」 提供:ニフレル

アート作品「WONDER MOMENTS」 提供:ニフレル

ユニークな生態をクリアに見せたい

最大の特長は、フロア全体を演出する「インスタレーション」という手法です。

単に水槽や展示室を並べるのではなく、照明や音楽を使い、生き物たちが魅力的に見えるよう工夫します。

「キュレーター」と呼ぶ飼育担当者およそ15人が魚類、猛獣、うごきエリアの3つに分かれ、それぞれの演出を担当。

「すがたにふれる」では、チンアナゴが潜る砂を透明なポリマー素材に代え、自然界では観察できない砂の中で体をくねくねと曲げる姿の展示に成功しています。

チンアナゴ 提供:ニフレル

「みずべにふれる」のホワイトタイガーをはじめ、ミニカバや巨大ワニの展示は、あえて草木や土などを敷き詰めずに人工物のみで展示室を構成。

「生き物の姿かたち、色の鮮やかさは自然のアートに他ならない」という考えから、人工物との対比で魅力を引き出すこの試みです。

海遊館の運営で、人工物のみの設置に問題がないことを分かっていたからこそ可能でした。

プールの水も高度な濾過(ろか)装置を使い、透き通った水質を維持しています。

ホワイトタイガーとミニカバ 提供:ニフレル

ホワイトタイガーとミニカバ 提供:ニフレル

ミニカバ 提供:ニフレル

ミニカバ 提供:ニフレル

プールに飛び込むホワイトタイガー 提供:ニフレル

プールに飛び込むホワイトタイガー 提供:ニフレル

「うごきにふれる」は動物自体には触れられませんが、だからこそ、動物たち安心してすぐ近くまで寄れるといいます。

「同一空間で複数の種を同居させるので、それぞれの生き物にとって居心地の良い環境づくり」が重要でした。

闘争しない種を選ぶのはもちろんのこと、動物間のパワーバランスを考慮し、おとなしい生物から展示スペースに運び入れて居場所を確保できるようにするなど配慮しています。

ワオキツネザルの世話をする飼育員 提供:ニフレル

ワオキツネザルの世話をする飼育員 提供:ニフレル

「可変性」をカギにチャレンジを

新しい展示方法が一般客に受け入れるか、開業前は不安と自信が同居していたと担当者は打ち明けます。

しかし、実際には「今まで見たことがない」「生き物ってすごい」といった驚きや喜びの感想が多く寄せられるそうです。

ニフレルは、常に変化し続けることを方針としています。

今後の企画について、「可変性もコンセプトの一つ。現時点ではまったく未定ですが、将来的に色んなことにチャレンジしたい」としています。

ゴールデンウィークを控え、さらに多くの人が楽しむだろうニフレル。今後も目が離せません。

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Text by 漆舘たくみ

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