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エステー宣伝部長が語る、芸能人と会った時に「こいつ、分かってるな」と思わせる4カ条

「消臭力贈る人」編を撮影中の鹿毛さん(左)と西川さん

「消臭力贈る人」編を撮影中の鹿毛さん(左)と西川さん

もし憧れの芸能人と仕事をする機会があったら、あなたは最初に何と言うだろうか。

できるなら高ぶる気持ちを制御して余裕を持って接し、芸能人に「こいつ、分かってる……!」と思われたいもの。

エステー株式会社のクリエイティブディレクター・鹿毛康司(かげ・こうじ)さん(56)=福岡県出身=は、「消臭力」や「ムシューダ」、「米唐番」などのユニークなCMシリーズを世に送り出してきた、カリスマ部長である。

歌手の西川貴教さんや高橋愛さん、矢井田瞳さんら多くの芸能人たちと現場をともにする中で、鹿毛さんは「芸能人と会った時にしてはいけない4カ条」を見つけたという。

「仕事仲間」として近い存在になろうとする、カリスマの心得を語ってもらった。

芸能人と仕事をする心得を説く鹿毛さん

1、握手を求めない

鹿毛:まず、初対面の時に絶対に握手をしない。

きょう取材で会った時に、私たち握手したかい?(笑)

普通の仕事仲間で握手しないよね!

にもかかわらず、芸能人だと握手したくなる。それは、芸能人扱いをしているから。

まずは、そこからです。

2、「いつも見ています」って言わない

鹿毛:その2。芸能人に何てしゃべり掛ける?

普通の仕事仲間で、最初に「いつも見ています!」なんて言わないよね。

「はじめまして。よろしくお願いします。きょうは暑いですね。お越し頂いてありがとうございます」でしょう。

なぜ「テレビで見ています」なんて言ってしまうのか。芸能人扱いをしているからです。

3、写真を撮らない

鹿毛:普通、ミーティングした後に写真撮らないでしょ(笑)

打ち合わせが終わって、「さあ部長!一緒に写真撮りましょう!」なんて絶対ならない。

だけど、なぜか芸能人だと撮りたくなる。

私は、西川さんや高橋愛さんとツーショットを撮ったことはありません。集合写真の一員として写ったことはあるけどね。

西川さん(左)と打ち合わせをする鹿毛さん(右)

西川さん(左)と打ち合わせをする鹿毛さん(右)

まして、隠し撮りされたらどう?

気持ち悪いし怒りたくなる。

けっこう現場で一般の方が、パシャッてやってくる。警察だったら、また別の意味だろうけどさ(笑)

スペインでね、西川さんとみんなで昼にレストランに行ったら、ちょうど日本人の団体のおばさん10人くらいと会ってしまって。

私、まずいなあって思ったんです。でも、このおばちゃんたちは偉かったね。

「西川さん、頑張ってくださいね~!」と、清々しく応援してくれました。

西川さんに嫌じゃないですかって聞いたら、「こうして堂々と挨拶も応援もしてくれるといいですね」と言ってくれました。

4、芸能ネタを話さない

鹿毛:でも、どうしたって聞きたいことはあるよね?

フ○イデーに載っていたあれ、どうなんですかって。

もし仕事相手が銀座できれいな人と歩いていたのを見ても、よっぽど仲が良くても相手が語るまで聞かないでしょう。

たまたま他のメディアが教えてくれただけで、そういうプライバシーのことは聞いちゃいけない。

なのに、芸能人だと聞きたくなる。ダメだよね。

つまり、普通にしようってことなの。

さっきのおばちゃんたちは、芸能人扱いをしなかったの。

外国の旅でたまたま会った有名な日本人みたいな扱いをしたんだよね。

高橋愛ちゃんとも、なだぎ武さんとも、ミゲル君やまやちゃんとも、私はそんな感じです。

だけど、矢井田瞳さんには……

話が盛り上がってきたところで、鹿毛さんの話は急展開を迎える。

鹿毛さん自身、衝動を抑えられなくなった有名歌手がいるという。

7月11日から放送中の新しい「米唐番」のCMに出演する矢井田瞳さん。

鹿毛さんは「矢井田さんのすべてが好き」というほど、彼女の大ファンなのだ。

「芸能人扱いをしない」と心に決めていた鹿毛さん。

米唐番で仕事をする中で、何度もツーショットを撮る機会を我慢し続けた。

が、ついに夢を叶えられる機会に恵まれた。

タイのロケでの最終日、空いた時間に撮影チームで寺院を巡ることになった。

ここで「下心が湧いてきてしまった」という鹿毛さん。記念写真の自然な流れでツーショットを撮ろうと画策したという。

問題の写真が、下の画像だ。

タイにて、矢井田さん(左)とのツーショットを邪魔されまいと男性スタッフを押しのける鹿毛さん(中央)

スリーショットで収まろうとする写真右側の男性スタッフを、鹿毛さんの左手が押しのけているのが分かる。

「ここまで来て、やっとだと思ったのに」と鹿毛さんの願いは、むなしくもタイの空に散った。

しかし、矢井田さんへの愛はしっかりCMで表現している。

矢井田さんの過去のプロモーションビデオから一押しの表情をすべて抜き出し、監督に提示。

みごと今回の作品でもしっかり再現している。

鹿毛さんのお気に入りのカット

タイトルは「米唐番CM“ヤイコMyLove”篇」。(ヤイコは、矢井田さんの愛称)

矢井田さんにはタイトルを直接伝えていない。

「公私混同の告白、壮大な告白です。東京スカイツリーの電波を使った告白だ」と鼻息荒い。

いつか伝わった時、彼女が無視するのか、それとも目をキラキラさせるのか、私は人妻ですと言うのか……と、鹿毛さんは心配していた。

お気に入りのカットを自慢する鹿毛さん

お気に入りのカットを自慢する鹿毛さん

消臭力の続編展開には不機嫌?

同じく鹿毛さんが手がける、西川さん出演の「消臭力」の新しいCM「贈る人編」が現在、放映中。

西川さんが残業中のサラリーマンやエール中の応援団など、頑張る人に“妙なタイミング”で消臭力を手渡す展開だ。

しかし、続編でサラリーマンが実は単なる残業ではなく、データを盗むハッカーだった事実が明かされる。

この予想外の演出の真意を尋ねてみると、「こんな意味不明な展開、俺は知らない!」と憤る。

「もう一人のディレクター・篠原誠が勝手に考えた。でも、俺の案より面白かったから悔しいんだ!」と、不機嫌そうに振り返った。

なお、鹿毛さんが考えたという応援団の続編も放送予定だ。

こんな展開、篠原が勝手に考えたんだと怒る鹿毛さん

俺より面白い展開だったんだと不機嫌な鹿毛さん ※迫真の演技です

遠い存在から仕事仲間へ

鹿毛さんは13年前、当時のエステー化学に入社して宣伝部長となり、職場環境は激変したという。

「目の前に芸能人がいっぱいでドキドキ。でも、間には広告、制作会社さんがいてすごく遠い存在だった」と振り返る。

「それじゃあ仕事にならない。もう芸能人さんじゃない。仕事の仲間なんだから、もっと近くで普通にしゃべりたい」と決意したという。

独自のルールの裏には、プロとしての矜持がみなぎっていた。

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Text by 漆舘たくみ

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