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ヒット曲の替え歌、ネット配信はいくら?TRFを使った呉市とJASRACに聞いてみた

呉市アイキャッチ

広島県呉(くれ)市が2月から公開するプロモーション動画「呉ー市ー GONNA 呉ー市ー」が話題だ。

人気音楽グループ・TRFの大ヒット曲「CRAZY GONNA CRAZY」(1995年)の替え歌に合わせ、ゆるキャラ「呉氏(くれし)」がキレのある踊りを披露している。

公開から1週間ほどで公式動画3本は計約40万回以上も再生され、筆者もとても気に入っている。

著作権についての話題が多い昨今、有名な曲をまるまる替え歌にしてインターネット上で配信するといくらほど掛かるのか。

呉市と日本音楽著作権協会(JASRAC)に聞いてみた。

呉市「PR予算は3000万円」

呉市は県南西部、瀬戸内海に面し軍港として栄えた歴史を持つ街。昨年ヒットしたアニメ映画「この世界の片隅に」の舞台にもなった。

市企画課によると、今回のプロモーションは呉市の正しい読み方を広め、知名度を高めるのが狙い

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提供:呉市

選曲は制作会社から提案があり、「くれし」と「クレイジー」が似ていたこと、多くの世代が知る名曲で耳に残りやすいことが決め手になったという。

替え歌は、軽快なリズムと原曲の歌詞を交えながら呉市の名所を随所に織り込む。

TRF:ダイヤを散りばめてる様な 夜景を車から見てるよ

呉市:ダイヤを散りばめてる様な 夜景が呉にはあるんだよ

(avex公式チャンネルと呉市プレスリリースから引用)

歌詞の内容は、市と制作会社が協議を重ねて完成させたそうだ。

ダンスも著名な振付師が担当し、映像に躍動感を与えている。

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提供:呉市

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提供:呉市

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提供:呉市

キャラクターや映像の制作などすべて含めた全体のPR予算は3000万円。詳しい内訳については公表していないという。

複数の業界関係者によると、市区町村の自治体プロモーションでは比較的大きい予算規模という。

替え歌は個別に許諾が必要

JASRACによると、替え歌のように楽曲を改変しての利用は、単純な利用とは許諾の流れが異なる。

歌詞に手を加える「改変」の場合は、著作人格権に関わります。

JASRACの管理は著作財産権のみで、音楽の利用手続きの前に作詞者や音楽出版社など関係権利者から改変内容について別途、ご自身で同意を得ていただく必要があります。

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提供:呉市

すなわち、替え歌を使う場合は作曲者や作詞者との交渉次第になるため、一概に利用料は定まっていない。

人気曲であっても著作権者が協力的で割安なこともあれば、その逆の可能性もあるのだ。

呉市は「商用」に該当

JASRACではインターネット上での曲使用(10曲以内の場合)は、主に「ストリーム配信」か「ダウロード配信」か、「商用」か「非商用」かにより大きく変わってくる。

地方自治体などの公共団体による「非商用(収入なし)」の場合、今回のように国内の楽曲をみずから演奏してネットで配信する際は、最低料金としてストリームなら月額3000円から、ダウロードなら月額5000円からと設定している。

商用(情報料や広告収入等あり)で音楽を主とした動画の場合、ストリームは「月間の情報料および広告料等収入の3.5%(2017年3月末までは2.1%)」としている。

商用のダウンロードは、配信の形式や時間により細かく規定されている。

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提供:呉市

呉市によると、今回は動画を埋め込む公式サイトにバナー広告を表示していることから、商用配信(広告等収入あり)と判断され、広告収入の一部を支払っているという。

本家も絶賛、流れ続く?

「呉ー市ー GONNA 呉ー市ー」のコメント欄には称賛するメッセージが並ぶ。

・替え歌カヴァーアレンジとは思えない仕上がり
・呉市民が1番驚いてるからねwww
・観光客、来て呉(くれ)ると良いね

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市企画課によると、市民からも「びっくりした」「有名になるならよい」とおおむね好評を得ているという。

本家TRFのDJ KOOさんもブログで絶賛しており、動画を徹底的に作り込んだ成果だろう。

自治体発のプロモーション映像が隆盛を極める中で替え歌の手法は、はたして他にも波及するのだろうか。

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