シェア

旅先で寄り道を助けるアプリ「YORIP」を大日本印刷が出した背景

YORIPの案内画面の一例

YORIPの案内画面の一例

近年は飲食店や観光名所のクチコミを伝えるアプリも充実し、個人旅行でも十分な情報を仕入れて出掛けられる。

しかし、主要な観光ガイドにはない“ディープ”なスポットを巡る旅は何かと面倒なもの。

YORIP4

大日本印刷(東京都新宿区)が昨年6月から、旅行先で「寄り道」できる経路や場所を案内するアプリ「DNP旅のよりみちアプリ YORIP(ヨリップ)」を提供している。

印刷会社が観光業界に参入する理由とは。同社に尋ねた。

ありのままを発信する

YORIPのテーマは、「ありのままの地域の魅力を収集・発信して日本全体を元気にする」。

アプリでは、寄り道をおおよそ次のように定義している。

●手ぶらで旅の用意をしなくても楽しめる、途中で未練なく引き返せる
●ポケットに小銭があれば楽しめる
●1人でも楽しめる
●暇つぶしになる
●少しの間浮世から逃避できる
●気分転換ができる

第1弾では青森県八戸(はちのへ)市の周辺8市町村の協力を得て、新たな観光ルートの開発や人気店の調査し実装した。

YORIP2

八戸市を紹介するYORIP画面

印刷で培ったノウハウとつながり活かす

同社は、従来から地域の活性化に関わる方法を検討してきたという。

2020年東京五輪に向け首都圏への投資が活発になる中、開催後を見据えて観光客が地方に流れるようするのが狙いだ。

一部コンテンツは英語、中国語(繁体字・簡体字)、タイ語にも対応し、インバウンド需要の取り込みを図る。

八戸市の事例

八戸市の事例

YORIPはアプリをユーザーに無償で提供し、自治体や観光協会などから利用料を得るモデルを取る。

導入費用は初年度100~350万円、2年目以降は運用費として年30万円。

新規参入には紙媒体の減少も背景にある一方、印刷会社として長年培った情報の加工・発信のノウハウを活かせるメリットがある。

また、出版社や旅行代理店など多くの得意先との連携したビジネス展開ができる点が強みという。

2016年12月現在、大分県日田(ひた)市をはじめ12都道府県53市区町村、1,800スポットを掲載予定としている。

ユーザーの動き方をフィードバック

今後は、利用者の行動データを基にコンテンツ開発を行う。観光団体との土産やコースの設計に役立てる。

アプリで取得した行動履歴からユーザーの周遊実態を解析し、今後のコンテンツに活かしていきます。

地方自治体、交通機関、旅行代理店、出版社など観光に携わる団体・企業によるコンテンツ配信を推進し、機能強化を図っていきます。

(大日本印刷の担当者)

YORIP3

地方創生の旗印の下、さまざまなご当地アプリが乱立する中で1つのアプリで多くの地域をカバーできるのは利用者にとって気楽だ。

これから他の観光アプリとどのように差別化して旅行者に浸透できるか。取り組みは始まったばかりだ。

Posted: |Updated:

Text by 漆舘卓海

Ranking

All Categorys Ranking総合ランキング