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日本初の「電車」が国重要文化財に!後継車の模範となった4つの技術とは

出典元:東京地下鉄プレスリリース

出典元:東京地下鉄プレスリリース

都市部での生活や長距離移動に欠かせない日本の「電車」が、このほど初めて国重要文化財の指定される見通しとなった。

日本で初めて電気を動力とする「電車」(鉄道用電気車両)が走ってから、2017年で90年を迎える。

戦火を潜り抜けて現存する車両には、新幹線を始めとした現代の快適な電車の礎となる技術が詰まっている。

06_当時の1001号車

開業当時の1001号車のイラスト 出典元:東京地下鉄プレスリリース

地下鉄銀座線を走った「1001号」

文化財となるのは、東京地下鉄道(現・東京メトロ)銀座線で使われていた「1001号車」。

特徴である山吹色の塗装は、ベルリンの地下鉄がモデルと言われる。

日本初の地下鉄である銀座線(上野~浅草)の開業に合わせ、1927(昭和2)年12月30日に運転が始まり、1968(昭和43)年4月まで41年余り走っていた。

同社によると、東洋で初めて営業運転を地下鉄であること、後継の模範となる鉄道史に残る車体であることが文化財指定の決め手という。

02_車両内観

出典元:東京地下鉄プレスリリース

残った機能、なくなった機能

後継車に受け継がれた技術は、大きく4つある。

1、すべて鋼鉄製の車体:現代では一般的な全体が鋼鉄の車両は1001号車が初めてだった。

当時主流であった木製車両ではなく、難燃化のため鋼鉄製になりました。

トンネル内での火災に備えた電車への安全意識の芽生えがうかがえます。(同社広報部)

2、自動列車停止装置:自動列車停止装置(ATS)も初めて搭載。打子式ATSといい、赤信号で自動で止まるといった機能だったそうだ。

3、自動ドア:自動ドアも実用化はこの車両が初めて。

当時の鉄道省(後の日本国有鉄道)が試験をしていた国産の「自動戸閉装置」を載せ、車掌がスイッチ一つですべての扉を開閉できるようにした。

自動ドアのスイッチ 出典元:東京地下鉄プレスリリース

自動ドアのスイッチ 出典元:東京地下鉄プレスリリース

4、間接照明:暗い地下でも乗客がまぶしく感じず、同時に影ができないようにするための工夫だ。室内をおしゃれにしようとした気概も感じられる。

一方、ちょっと便利すぎたのか残らなかった機能もある。

●リコ式吊り手:内部にばねを仕込んだ「リコ式」は手を離すと自然に定位置に戻り、また走行中も揺れない優れもの。

同社によると、戦後もしばらく使われていたものの、跳ね上がる吊り手にぶつかってしまう乗客が後を絶たず廃止されたという。

リコ式吊り手と間接照明 出典元:東京地下鉄プレスリリース

リコ式吊り手と間接照明 出典元:東京地下鉄プレスリリース

空襲でも爆撃逃れ

1941(昭和16)年に太平洋戦争が始まると、地下鉄も戦火を免れなかった。

空襲でトンネルが破壊されたり、渋谷の車庫が爆撃を受けたりし、80両ほどあった列車は約4分の1の24両まで減りました。

持ちこたえた区間での折り返し運転などで、運行は続けたそうです。

24両のうちの1両が、展示中の1001号車です。(同社広報部)

同車が残ったのは、奇跡的な偶然だったようだ。

出典元:東京地下鉄プレスリリース

出典元:東京地下鉄プレスリリース

1001号車は現在、東京メトロ文化財団が運営する「地下鉄博物館」(東京都江戸川区)で余生を送る。

2012年からは、銀座線に同車を模した車両「1000系」が導入されており、きょうも人々を運んでいる。

これから電車に乗る際は、ぜひ「国重要文化財1001号車」に思いをはせてみては。

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