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商品だけでは伝わらない食の現場の魅力を伝えたい!名古屋大学4年生の熱い思い

柘植代表 出典元:Kodawarin公式サイト

柘植代表 出典元:Kodawarin公式サイト

国産野菜の総量のうち、約4割が廃棄となる問題を解決しようと、名古屋大学農学部の学生が起ち上がった。

現代人の野菜不足と結び付け

愛知県東郷町のLawin株式会社は2016年、名大農学部4年の柘植(つげ)千佳代表が創業した。

農家と消費者をつなぐための情報サイト「Kodawarin」を運営し、プロジェクトを企画する。

今回の事業は、「規格外野菜の廃棄問題と現代人の野菜不足をつなぐ、 野菜ピューレの商品化」。

出典元:Lawinプレスリリース

出典元:Lawinプレスリリース

いびつな形や出荷調整のため農家で捨てられる野菜を、すりつぶし固めて「野菜ピューレ」に加工。

現代人に不足している野菜を料理に混ぜやすくすることで、手軽に摂取できるようにする。

野菜廃棄と野菜不足を、同時に解決していくことを狙う。

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出典元:Lawinプレスリリース

野菜ピューレは、同県尾張旭市の農家から仕入れた極めて無農薬に近い規格外野菜を使用。一口大で冷凍で10か月以上持ち、必要な時に使いたい分を使える。

噛む力が弱い人、胃腸の弱い人も手軽に野菜を摂取できる点も特長だ。

長年、大手企業へのレシピ提供を行うフードコーディネーター川西智子氏が開発を手掛けている。

ナスをアントシアニンと捉えていた

柘植代表が起業を決意したのは、大学3年の時だ。

漢方薬店を経営する両親の影響で、子供の頃から食品の化学成分や体内のメカニズムに興味があり農学部に進んだという。

しかし、入学後しばらくは「食」への関心が低かった。

大学では、食を「科学」として捉えて遺伝子組換えや体外受精の実験を行い、生産現場に触れる機会はありませんでした。

当時は、ナスを見てもアントシアニンなどの化学物質としてしか把握していませんでした。

規格外野菜の例 出典元:Lawinプレスリリース

規格外野菜の例 出典元:Lawinプレスリリース

転機は、3年に進級して始まった農業実習だ。

悪天候の日も休まずに続けなければならない植物や動物の世話。

牛だけでも糞の処理や去勢など座学だけでは実感できなかった苦労に、感動を覚えたという。

食品の裏側にある作り手の努力に、初めて気が付きました。

その後、全国の生産者や加工業者が集まるセミナーに参加して語り合う中で、作り手のこだわりを知り、「商品だけでは伝わらない食の現場を、物語として消費者に届けられないか」と考えました。

1年以上の試行錯誤を経て「Kodawarin」を開設にこぎ着けた。

1カ月100キロの規格外野菜で開発

野菜ピューレの誕生には、共同開発者の川西氏の思いが大きいという。

当初、川西が「出荷する野菜と同じ手間暇かけて作られているのに、流通のせいで食べられないのはもったいない!」と、規格外野菜を1カ月に100キロ以上も仕入れてきました。

野菜の命である鮮度の維持しようと、ピューレの開発が始まる。

出典元:Lawinプレスリリース

出典元:Lawinプレスリリース

さまざまな料理に和えられる機能性の高さは、川西氏の弟の存在を反映している。

一人暮らしだった弟が、偏った食生活が要因となって亡くなったそうです。

弟のような現代人を増やしたくないと、時間がない単身者でも手早く簡単に、おいしく野菜を摂取できるような食べ方を提案しています。

紹介するレシピは、すべて調理が5分以内に収まるようにしている。

川西氏(左)と柘植代表(右)

川西氏(左)と柘植代表(右)出典元:Lawinプレスリリース

締切前に購入目標を達成

ピューレは3月20日に発売し、締切を1カ月以上前にした4月23日に、最初の売上目標を達成した。

当初こそ伸び悩んだが、ターゲットを主婦から一人暮らしの自炊をしない人に切り替え、「市販のデザートやお惣菜に加えるだけで新鮮な野菜」という点をアピールしたところ、購入希望者が飛躍的に増えたという。

出典元:Lawinプレスリリース

出典元:Lawinプレスリリース

購入者は締切後に、契約農家で発見したユニークな形状の野菜や、レシピ開発の舞台裏などをKodawarinで見られる。

実際に野菜ピューレを調理した料理の写真や感想もサイトに投稿でき、購入後も作り手と購入者同士で交流を楽しめるという。

ピューレは現在、6~7月の出荷分を売り出している。

約30食分で3000円と約60食分で5000円のセットを用意する。

柘植代表 出典元:Kodawarin公式サイト

柘植代表 出典元:Kodawarin公式サイト

今後は「ヒマラヤ岩塩を味わってネパールに学校給食を届ける」「愛知の伝統野菜である親指大の玉ねぎペコロスの新しい品種開発に挑戦」といった新たな企画にもまい進する。

 第1弾の野菜ピューレが目標を達成でき、5月からさらに数件の企画を順次オープンさせます。

今後も、こだわりの強い作り手や、作り手の取り組みに興味を持つ消費者を募集しています。

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Text by 漆舘卓海

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