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日産がスリッパを全力で改良した結果 → 最新型の“おもてなし”と海外で話題に

見た目は普通のスリッパ=2018年2月 日産自動車本社 

見た目は普通のスリッパ=2018年2月 日産自動車本社 

日産自動車が公開したコンセプトムービーが、世界中から注目を集めている。

▼【TECH for LIFE】ProPILOT Park RYOKAN

中国と欧米で数百万アクセス

映像では、日産の新型リーフ(2017年10月発売)が搭載する自動駐車技術「ProPILOT」を旅館内の備品に応用。スリッパや座布団が、従業員の宿泊客の手を煩わせることなく自動的に元の位置に戻る。

神奈川・箱根温泉の老舗旅館「一の湯本館」を舞台に、伝統的な和の空間で魔法のように物が整列する映像が、多くの外国人視聴者の心をつかんでいる。

広報担当者によると、1月22日の公開以降、公式動画は約17万回再生されたほか、中国の動画共有サイトで122万、欧米のサイトで100万回超のアクセスを確認しているという。

日産のロゴが入ったスリッパ

日産のロゴが入ったスリッパ

体験会に海外メディア多数

2月1日に横浜市西区の本社ギャラリーで開かれた体験会には、海外からも多くのメディアが訪れた。

ブース脇のスイッチを押すと独りでにスリッパが並び始める様子を、中国最大の放送局やドイツのテレビ局のカメラマンたちがアングルを変えながら熱心に撮影。注目度の高さがうかがえた。

国境を越えて話題を呼んだことに、日産自動車の江田壮寿さんは「クルマを使う人だけでなく、普段クルマに興味がない人にも『自動駐車技術って便利なんだね』と日産の先端技術を伝えられたと感じています」と喜ぶ。

体験会のブース=2018年2月 横浜市の日産自動車本社 

体験会のブース=2018年2月 日産自動車本社

 

▼オーストラリアの情報番組でも「self-parking slippers」として紹介された。

先端技術を生活にどう落とし込むか

スリッパは、上部の梁(はり)に取り付けたカメラと連動。リアルタイム画像処理技術とソナー情報の組み合わせにより、それぞれが進行すべき位置を把握し、底に付いた2つの車輪で自走してクルマの車庫入れと同じ要領で並ぶ。

底には車輪=2018年2月 日産自動車本社

壁のスイッチ=2018年2月 日産自動車本社

梁に取り付けたカメラ=2018年2月1日、横浜市の日産自動車本社 

梁のカメラ=2018年2月 日産自動車本社

自走するスリッパの底=2018年2月1日、横浜市の日産自動車本社 

スリッパの底=2018年2月 日産自動車本社

広報担当者によると、開発陣はどのように会社の先端技術を生活に生かせるかを突き詰めて考えた結果、「片付け」の発想に至ったという。

一方で、社会的な課題として訪日外国人観光客が著しく増える中、受け入れる小規模旅館の従業員の高齢化や、旅館業務でのIT活用が進んでいない現状を踏まえて、従業員の負担を減らしつつもできる「おもてなし」の形を検討したそうだ。

自動で整列するスリッパの一般公開は2月4日(日)まで、JR横浜駅に近い横浜市西区の日産自動車グローバル本社ギャラリー1階(10:00~20:00)で行っている。

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Text by 漆舘たくみ

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