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西郷隆盛が好きすぎて27歳で鹿児島に移住した“歴女”が語る「好きなものを追いかけ続ける原動力」とは

安川あかねさん(提供:安川さん)

安川あかねさん(提供:安川さん)

鹿児島市のホテルに勤める安川あかねさん(42)は、27歳の時に故郷の神奈川県横須賀市から薩摩の地に移り住んだ。

理由は「西郷隆盛が大好きだったから」。

移住して16年、今では「西郷隆盛研究家」として各地で講演会もこなす安川さん。

好きなことを追い続ける人の原動力とは?

軍の街だった横須賀で育ち

安川さんの出身地である横須賀市は、海上自衛隊やアメリカ海軍の基地がある言わずと知れた軍都だ。

時は1970年代前半。ベトナム戦争が泥沼化し、世界的に反戦運動が盛り上がる中で、海の上を空母が行き交う風景を見て育った。

私が通った学校では一度も君が代の斉唱がなかったんです。当時はそういう空気だったんですよね。幕末を含めて、あんまり日本の歴史についてよく知らないまま社会に出ました。

転機となったのは、20歳の時に父親からもらった歴史小説だ。史伝文学の巨匠であり、西郷への強い思い入れで知られる鹿児島県出身の小説家・海音寺潮五郎氏による一冊だった。

日本史が広がっていく感じがしました。知らなかったことが多過ぎたなと思いました。

安川さんの歴史観が覆った。

20代の頃を振り返る安川さん

20代の頃を振り返る安川さん

鹿児島に移住、桜島の大きさを体感

“歴女の走り”を自称する。地元の歯科医院で働いていたころ、職場の友人たちがハワイなどを訪ねる中で、自らはせっせと鹿児島を訪ねていたと振り返る。

しかし、半年に一度のペースで訪鹿しても満足できなかった。

7年間通って知識は増えたけれど、本質に近づいている気がしなかったんですよね。

住んでみないと分からない、同じ目線にならないといけないと決意しました。

27歳の時、西郷さんを追いかけて移住する。

鹿児島の人にとって桜島の存在は大きくて、精神的な支えになっているんだなと。これは住んでみないと分からなかったことでした。桜島を見て育った西郷さんの気持ちが少し分かりました。

仕事に自分の強みを生かす

安川さんは現在、勤務する市内の「SHIROYAMA HOLTEL kagoshima」で主にイベント企画を担う。

通常業務の傍らで企業や学校の依頼を受けて講演会を開くほか、ホテルの明治維新150周年コンテンツの一環として手作りの紙芝居を披露したり、ホテルでも西郷に関するパネル展を企画するなど趣味だった「おっかけ」が業務に生きている。

移住した時には、こんな時が来るなんて思ってもみなかったです(笑)

結果的に職場で趣味を生かせるなんてうれしいですね。自分はとても恵まれているなと思います。

西郷隆盛の紙芝居を披露する安川さん(提供:安川さん)

西郷隆盛の紙芝居を披露する安川さん(提供:安川さん)

原動力は「究極の自己満足」

2018年は明治維新150周年。NHK大河ドラマは、西郷隆盛を主役に据えた。鈴木亮平さんが演じる西郷隆盛は、根強い人気を獲得した。

放送開始のころは「新しい西郷さんだな」と感じていましたが、慣れてくると「西郷どん」は新しい西郷像を描いていると思うようになりました。

新しいファン層を開拓していて、鹿児島にも西郷ファンの女性が来るようになったと肌で感じます。

安川さん

安川さん

西郷ファンが増えることを喜ぶ安川さんだが、自身の趣味の原動力は「ファン心理とはちょっと違う」と分析する。

西郷さんは人生そのもの。ああいう人物になりたい、これに尽きます。

いわば「究極の自己満足」ですね(笑)

実際になれるわけじゃないけど、人の目ばかりを気にして守りに入るより、西郷さんみたいに「覚悟を突き通せる人になりたい」と思っています。

現在に至るまで、桜島を望む鹿児島市の南洲墓地にある西郷隆盛の墓にお参りを続け「パワーをもらっている」と笑う。

その一貫した姿勢は、まさに西郷隆盛のようである。

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Text by 漆舘卓海

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