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「夢は叶います」安定企業を辞めて6年がかりで自動車整備士になった26歳の投稿に元気づけられる

愛車前で合格証を掲げる大日方さん=本人提供

愛車前で合格証を掲げる大日方さん=本人提供

「夢は叶います!」

愛車の白いスポーツカーの前で、1人の女性が顔の前に自動車整備士の検定合格証を掲げる。

7月1日にTwitterに投稿されたこの印象的な写真が、多くの人を前向きな気持ちにしている。合格までの道のりについて、投稿者に取材した。

一言、夢は叶います!

合格証を手にしているのは、長野県の会社員・大日方夢(おびなた・ゆめ)さん。現在、大手自動車メーカー系のディーラーに勤める26歳だ。このほど「2級ガソリン自動車整備士」の技能検定を通過した。

2級はほとんどのガソリン車で一通りの整備を行える資格だ。エンジンの分解や車輪周りなど、自動車の要の部分も扱えるようになる。

注目を集めたのは、次の投稿だ。

私事ですが、一般会社員で就職したけど、整備士になりたくて、働きながら取りました!

6年かかりました。 町工場で実務経験1年→整備士3級→ディーラーで経験3年→整備士2級

女だから馬鹿にされたり、投げ出したくなることもあったけど、諦めず最後まで続けて良かったです。

一言、夢は叶います!

愛車前で合格証を掲げる大日方さん=本人提供

愛車前で合格証を掲げる大日方さん=本人提供

投稿はわずか2日間ほどで2万5000回近くリツイートされ、13万件以上のいいね!が集まった。

投稿には「整備士の数が減少する中、本当におめでとうございます!」「女だからどうのとか言うアホは放っておいて、お客様に喜んでもらえる整備士になってください」「励みになります。 自分も頑張ります!」といった前向きなコメントが、たくさん寄せられた。

正直、自分でもそんなにいいね!が付くと思いませんでした。

たくさんのコメントやDMをいただきました。今、整備士目指してますとか、今、こんな資格を目指していて元気をいただきました。頑張ります!という声です。

私の投稿によって、何かを目指している人の励みになってくれたら嬉しいです。

(大日方さん)

安定企業で抱いた違和感

物心がついた時から自動車を見ることや、ゴーカートに乗ることが大好きだったという大日方さん。自動車整備士だった父の背中を見て育ち、自身も「車いじり」が趣味になった。休日にはサーキットで車を走らせるほどの車好きだ。

短大を卒業後、ものづくりが好きだったことから、いったんは安定したシェアを持つ県内の電機部品メーカーに就職。自動車部品も扱う企業で、技術職として1年間ほど働いたが、自分には合わないという違和感をぬぐい切れなかったという。

そんなある時、実務経験があれば自動車整備士の受験資格を得られることを知る。

実務経験を積み6年間かけて合格

専門学校への入学は学費面から断念し、大日方さんは働きながら学ぶ道を選んだ。

電機部品メーカーを退職すると、翌月に自動車整備を行う町工場に就職。2級の受験要件である3級合格を目指して動き始める。

点検整備や一般整備など、先輩の指導を仰ぎながら1年間の実務経験をみっちり積むと、さらに週2回の半年間の講習と実技試験などを経て、見事に第一段階をクリアした。

イメージ画像/AdobeStock

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2級を取得するには、さらに3年間の実務経験が必要だ。

より環境の整った職場で経験を積もうと、現在のディーラーに転職。整備業務だけでなく、接客なども担いながら技術を身に付けていった。

当然ながら体力を要する仕事のため、勤務日の夜は疲れが取れるようきっちり休み、勉強は休日に集中して取り組んだという。

努力は実を結び、2級の筆記・実技の試験を1回で突破した。決められた講習や試験の日程を確実にこなしながら、足かけ6年にわたっての達成だった。

なんでも直せる整備士になりたい

イメージ画像/AdobeStock

イメージ画像/AdobeStock

自分にとって、2級合格はまだ通過点だと語る。今後は難関の1級ガソリン自動車整備士の取得を目標に、さらに勉強を重ねていく。

(2級合格は)ディーラーにいる先輩たちから分からないところを教わったり、励ましの言葉などをいただいたりしたおかげだと思っています。試験に合格した時は、とても嬉しかったです。

父親のような、なんでも直せる整備士になりたいと思います。(大日方さん)

若き整備士の挑戦は、これからも続く。

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Text by 漆舘たくみ

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